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連載「憧れの逸品」No.82 大地に溶け込むドリス ヴァン ノッテンのワークウェア。

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フィナム

デンマークのデザイナー、ヴェルナー・パントンのアーカイブを甦らせた今シーズンの〈ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)〉のベースにあったのは、正真正銘のワークウェアだった。 コート、ブルゾン、シャツ、あるいはオールインワン。機能美を体現した、装飾を削ぎ落としたデザインワークは、日々土に触れているドリスだから可能となったものだ。 2018年に封切られ、話題を呼んだドキュメンタリー映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』でも明らかにされたが、ドリスはアントワープの郊外にある古めかしい家に住んでいる。そして花を植えたり、庭の手入れをする時間をこよなく大切にしている。 ドリスはそれらストイックなワークウェアを、大地へのオマージュとも思えるアースカラーで仕上げた。色鮮やかな花々は大地というキャンバスがあるから引き立つ。パントンが遺したポップなカラーやパターンとの相性を考えれば、これ以上ない最良の選択だった。 パントンのアーカイブから拾ったオールドローズやオークなどで染めたワークウェアもあって、全身ミッドセンチュリーなスタイリングもこれはこれで悪くなかった。…
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