〈ポストオーバーオールズ(POST O’ ALLS)〉のマネージャーを務める内藤カツさんを知っていますか? 1983年、彼は18歳の時に渡米し、ニューヨークに移住。その5年後にはアッパーウエストサイドからハーレムに引っ越し、もともと趣味であったカメラを使って撮影を始めたそう。
ドラッグ、拳銃、マシンガン、殺人…。5年半に及ぶハーレムでの生活で、住民に受け入れてもらえるまでに2年以上掛かったといいます。ほぼ黒人しかいない、まるで映画のような光景のなかで。
今回紹介するのは、今年刊行された内藤さんの写真集『ONCE IN HARLEM』(TBW Books刊)とその写真を使ったTシャツ。
『ONCE IN HARLEM』は、1990年代初頭から中頃にかけて撮影された作品を掲載。いまとなっては面影すらなくなってしまったハーレムがハーレムと呼べた最後の時代かもしれません。この写真集は黒人のティーンエージャーなどのポートレートが中心。どこかアーヴィング・ペンやアウグスト・ザンダーの作品にも通じるような強さがあり、独特の輝きを放っています。
またTシャツは、内藤さんのブランド〈フィルフィーズ(filPhies)〉のもので、写真集の中から厳選した3枚の作品をプリント。ラジカセを持った少女のポートレートに加え、ランドスケープが2つ。それぞれ白と黒のボディがあり、背面には撮影された場所の住所とジップコードがプリントされています。
当時のハーレムを感じられる貴重な写真の数々。アメリカのカルチャーに興味のあるかたはぜひ手に取ってみて。
Text_Ryo Muramatsu
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Source: フィナム