1 Paris Photo 2025: 写真の魅力が満載

Paris Photo 2025: 写真の魅力が満載

メインセクター: 過去から未来へ

パリのグラン・パレで開催された第28回パリ写真展は、世界でもっとも優れた写真家たちの作品で溢れています。サリー・マン、アーヴィング・ペン、リゼット・モデル、ラリー・クラークなどの歴史的な巨匠が並ぶメインセクターや、AI、ブロックチェーン、仮想的な画像作成などへの挑戦を示すデジタルセクターなど、写真は急速に進化していることを思い起こさせます。

ヴォイスセクター: 風景と親族関係

ヴォイスセクターは風景と親族関係という2つの豊かなテーマを探求しています。領土、記憶、人間関係、帰属について考えるアーティストたちが一堂に会し、世界中からの新たな才能を紹介するエマージェンスセクションでは、複数の地理と視点を網羅する20の個展が開催されます。また、バルコニーには驚異的な本セクターがあり、17か国からの43の出版社が参加し、Witty BooksなどのインディーズからApertureなどの大手、骨董品販売業者まで、貴重なコレクション（「Provoke」のオリジナルコピーなど）が提供されます。要するに、フェアは広大です。そこで今年のパリ写真展での122の出展者のうち、わずか数例を紹介します。

リン・ジーペン（No.223）

スティーグリッツ19のブースで展示され、新しい写真集「Amour Défendu（Forbidden Love）」（Akio Nagasawa Publishing）のデビューを飾るリン・ジーペンは、友人、恋人、通りすがりの見知らぬ人、花々の肖像を繊細な構図で組み合わせ、思いがけない即興性と熟考深い構図、露出と内省を融合させ、強烈に官能的で鮮やかに美しい作品を生み出しています。2023年のパリの通り、公園、屋上、川岸、橋、花市で撮影されたランダムな出会いを数千本のフィルムで捉えた「Amour Défendu」は、彼の言葉で言えば、「親密な瞬間、若さ、愛と人生の隠れた詩の探求を続ける本です」。

ダニエル・アーノルド

ニューヨークを拠点とする写真家ダニエル・アーノルドは、人間の不条理、美しさ、奇妙さを浮き彫りにする魔法の瞬間に絶えず目を奪われます。Kominek-Galleryブースで展示されるだけでなく、ニューヨークの街での混沌、喜劇、ロマンスを収めた新しい写真集「You Are What You Do」（Loose Joints刊）も発表されます。

秋尾長ギャラリー: 日本戦後アーティストの専門家

メインセクターの秋尾長ギャラリーのブースでは、大道具屋、深瀬昌久、野村咲子、高山など、素晴らしい写真家たちの作品が展示されます。

エマージェンスセクター: アパルトヘイトの遺産

南アフリカの写真家シブシソ・ベカは、アパルトヘイトと暴力の難しい遺産を文書化し、トコザのタウンシップでの人生の美しく、時にはシュールな瞬間を祝います。彼の夜間写真には、トッド・ハイドのような雰囲気、ほぼSFの風景を思わせる、映画的で印象的でわずかに非現実的な質があります。

ジム・ジャームッシュ: シュールな写真の世界

パリ写真展2024の特別ゲストであり、シュールリアリズムへの愛からインスピレーションを受けたフェア全体からの作品をキュレーションしたジム・ジャームッシュは、今年も自身の作品をフェアで展示します。ジェームズ・バーノー、マーティン・パー、リー・シュルマンと並んでクレマンティーヌ・ド・ラ・フェロニエール画廊で展示され、興味深く、わずかに不気味な白黒のポートレートが段ボールに粗末に取り付けられている、彼独自の小規模な写真のアッセンブラージュもシュールな雰囲気が漂います。

カルロス・イドゥン＝タワイア: 地元の魅力を描く

アクラを拠点とするガーナの写真家兼映画監督カルロス・イドゥン＝タワイアは、アルタ・ギャラリーのブースで展示され、若さ、家族、信仰、コミュニティなどの普遍的なテーマに重点を置いた地元の日常生活に深く基づく感動的な肖像画を創造しています。28歳の彼のパリ写真展デビューとなる個展「I’ll Be Here to Remind You」。