
アメリカのヒーロー、カウボーイが愛したウエスタンシャツ
1840年代のゴールドラッシュを契機に生まれたジーンズは、その機能性の高さから農夫や鉄道工夫など、あらゆるワーカーが着用するようになりましたが、その後のジーンズのイメージを決定づけた職業が、カウボーイです。カウボーイはアメリカの西部を中心に牛の放牧や管理などの業務に従事していましたが、19世紀後半から徐々にロデオなどが競技化、興行化されたことで、大衆の注目を集めるようになりました。20世紀に入ったアメリカでは、映画が娯楽の王様として君臨するようになり、1903年に公開された「大列車強盗」をはじめとする西部劇の名作が数多く生まれます。その後もゲイリー・クーパー(Gary Cooper)やジョン・ウェイン(John Wayne)などのハリウッドの名優たちが映画で演じたカウボーイが人気を博し、アメリカにおけるヒーローの地位を確立したのです。そして、銀幕に登場するカウボーイたちがジーンズとともに着用していたのが、ウエスタンシャツでした。
今回ピックアップしたのはどちらも1950年代のリーバイスのウエスタンシャツですが、実はラインが違います。生地の色が濃い方が「デニムファミリー」というライン、色が薄いほうが愛好家の間で「ショートホーン」と呼ばれるウエスタンウェアのラインです。
機能性の追求から生まれた印象的なデザイン
ウエスタンシャツの特徴のひとつが、胸ポケットのフラップです。リーバイスのウエスタンシャツでは、1950年代初期のアイテムにはダイアゴナルと呼ばれる斜めのフラップが、その後のアイテムにはソートゥースと呼ばれるノコギリ型のフラップが付けられています。馬に乗っているときに中に入っている物を落とさないためのディテールですが、機能性を追求したことでこのように印象的なデザインが生まれたというのは、非常に興味深いですよね。
結論
以上のように、ウエスタンシャツはアメリカの歴史や文化、映画から生まれたファッションアイテムであり、機能性とデザインの融合が魅力です。是非、自分のスタイルに合ったウエスタンシャツを見つけてみてください。
