Rewrite
〈adidas（アディダス）〉は、B.LEAGUEのアルバルク東京のホームアリーナとして10月3日に開業した「TOYOTA ARENA TOKYO」の屋外4階にある、常設屋外コート施設「adidas SPORTS PARK（アディダス スポーツパーク）」のネーミングライツを獲得した。コンセプトは、〈adidas〉が掲げる「Through sport, we have the power to change lives.」。スポーツの力で人生を変えることができるという信念を体現する場だ。
本施設の施工にあたり、〈adidas〉はアルバルク東京とともに、不要となったシューズを再利用してコートをつくる「OUR SHOES, OUR COURT supported by adidas」プロジェクトを始動。りそなグループ B.LEAGUE 2024-25のホームゲーム3試合でシューズ回収を実施し、当初の目標1,000足を超える1,051足が集まった。
「アディダス ジャパン」マーケティング事業本部 スポーツマーケティングシニアマネージャーの山田拓也は、こう振り返る。「ファンの方々が“自分たちのコートを作るんだ”という想いで、一人何足も持ってきてくださったのが印象的でした。アルバルクを応援してくださる方々、そして子どもたちやアルバルクさん、アディダスの社員、世代も立場も越えて参加してくれた。このコートは、まさに“みんなで作ったコート”なんです」。この取り組みには、TOPPANが開発した再生素材「RE:MixCourt（リミックスコート）」を国内で初導入。回収したシューズを粉砕し、ゴム素材を廃タイヤチップと混合してコートの一部に使用することで、想いのこもった再生の場が誕生した。
日本に「自由なコート」をつくる10年越しの構想
山田氏は、〈adidas Basketball（アディダス バスケットボール）〉がアルバルク東京とパートナーシップを組んだ約10年前から、日本のバスケットボールカルチャーに対して変わらない課題意識を感じていたという。「僕がバスケットボール担当になった頃からずっと感じていたのが、日本には自由にバスケットボールをする場所がほとんどないという現実。海外では、アメリカをはじめ自由にプレーできるアウトドアコートが当たり前にあるのに、日本では公民館や公園くらいしかない。だからこそ、“アディダスのコート”を作ることが夢だったんです」。その想いが具体化に向けて動き出したのは、アルバルク東京のアリーナ計画が水面下で動き出した5〜6年前まで遡る。「アリーナの話が構想段階のときから、アルバルクさんとは何かご一緒できたらという話はずっとしてきました。その中でも、“アディダスらしい”ことをやりたいという話を続ける中で、屋外にバスケットコートを作るアイディアが出てきました。当初は公園によくあるようなコートを想定されていたのですが、どうせやるならトップ選手も使える本格的な環境を作ろうと、設計段階から一緒に入らせていただくことができました」。
コートデザインを手がけたのは、世界的に活躍するペインター／アーティストのMHAK（マーク）だ。彼の代表的なパターンモチーフをベースに、アディダスらしいブルーとアルバルクレッドが交差するデザインは、アリーナと海、そして世界をつなぐ“風”を象徴している。山田氏は「日本にある屋外コートは、よくフェンス（金網）で囲われていて、周辺環境や時間帯によっては、自由が奪われてしまう場所が多い。だから、デザインには“壁を壊す”というメッセージが込められています。MHAKさんと話し合いながら、金網をベースに、風が吹き抜けて壁を打ち破る、そんなイメージを形にしています」
マーク氏も、制作の背景をこう明かす。「僕の中では“ストリート＝金網”というイメージがずっとありました。だから最初にケージのモチーフを作り、そこにアディダスのブルーとアルバルクレッドを組み合わせる。何度も試行錯誤しながら、最終的に“ここしかない”と思える色と構成に落ち着いたんです。この柄を見て『なんだろう？』と感じてもらえるだけで嬉しい。地面そのものがアートになるという感覚を、自由に楽しんでもらいたいですね」。
10月3日の開幕戦では、両者にゆかりのあるクラブチームによるエキシビションマッチが開催され、コートは早くも熱気に包まれた。「屋外コートでプレーするのは初めての選手ばかりでしたが、皆さん本当に生き生きしていました。ここから新しいバスケ文化が広がっていく予感がしました」と山田氏。10 月から11月にかけては、U15世代を対象にした「adidas SPORTS PARK LEAGUE」を開設し、学校やクラブ、ユースが垣根を越えて対戦できる新しいリーグ運営も開始した。「トーナメントでは負けたら終わりですが、このリーグでは“たくさん経験すること”を目的にしています。試合を通じて子どもたちが挑戦し、成長する環境をみんなでつくっていきたい」と山田氏は語る。加えて、ラグビーや陸上など複数の競技体験を組み合わせた「マルチスポーツプログラム」も順次展開予定。スポーツを軸に、人と人、地域と世界をつなぐ「アディダスらしい文化創造」の場を目指す。
最後に山田氏はこう結んだ。「僕らは“サプライヤー”ではなく“パートナー”としてアルバルク東京、そして、TOYOTA ARENA TOKYOと手を取り合っています。ユニフォーム提供にとどまらず、マーケティングも文化も一緒に作っていきたい。この『adidas SPORTS PARK』がその延長線上にあり、ここから新しいカルチャーが生まれていく、そんな場所にしていきたいと思っています」。
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〈adidas（アディダス）〉は、B.LEAGUEのアルバルク東京のホームアリーナとして10月3日に開業した「TOYOTA ARENA TOKYO」の屋外4階にある、常設屋外コート施設「adidas SPORTS PARK（アディダス スポーツパーク）」のネーミングライツを獲得した。コンセプトは、〈adidas〉が掲げる「Through sport, we have the power to change lives.」。スポーツの力で人生を変えることができるという信念を体現する場だ。
本施設の施工にあたり、〈adidas〉はアルバルク東京とともに、不要となったシューズを再利用してコートをつくる「OUR SHOES, OUR COURT supported by adidas」プロジェクトを始動。りそなグループ B.LEAGUE 2024-25のホームゲーム3試合でシューズ回収を実施し、当初の目標1,000足を超える1,051足が集まった。
「アディダス ジャパン」マーケティング事業本部 スポーツマーケティングシニアマネージャーの山田拓也は、こう振り返る。「ファンの方々が“自分たちのコートを作るんだ”という想いで、一人何足も持ってきてくださったのが印象的でした。アルバルクを応援してくださる方々、そして子どもたちやアルバルクさん、アディダスの社員、世代も立場も越えて参加してくれた。このコートは、まさに“みんなで作ったコート”なんです」。この取り組みには、TOPPANが開発した再生素材「RE:MixCourt（リミックスコート）」を国内で初導入。回収したシューズを粉砕し、ゴム素材を廃タイヤチップと混合してコートの一部に使用することで、想いのこもった再生の場が誕生した。
日本に「自由なコート」をつくる10年越しの構想
山田氏は、〈adidas Basketball（アディダス バスケットボール）〉がアルバルク東京とパートナーシップを組んだ約10年前から、日本のバスケットボールカルチャーに対して変わらない課題意識を感じていたという。「僕がバスケットボール担当になった頃からずっと感じていたのが、日本には自由にバスケットボールをする場所がほとんどないという現実。海外では、アメリカをはじめ自由にプレーできるアウトドアコートが当たり前にあるのに、日本では公民館や公園くらいしかない。だからこそ、“アディダスのコート”を作ることが夢だったんです」。その想いが具体化に向けて動き出したのは、アルバルク東京のアリーナ計画が水面下で動き出した5〜6年前まで遡る。「アリーナの話が構想段階のときから、アルバルクさんとは何かご一緒できたらという話はずっとしてきました。その中でも、“アディダスらしい”ことをやりたいという話を続ける中で、屋外にバスケットコートを作るアイディアが出てきました。当初は公園によくあるようなコートを想定されていたのですが、どうせやるならトップ選手も使える本格的な環境を作ろうと、設計段階から一緒に入らせていただくことができました」。
コートデザインを手がけたのは、世界的に活躍するペインター／アーティストのMHAK（マーク）だ。彼の代表的なパターンモチーフをベースに、アディダスらしいブルーとアルバルクレッドが交差するデザインは、アリーナと海、そして世界をつなぐ“風”を象徴している。山田氏は「日本にある屋外コートは、よくフェンス（金網）で囲われていて、周辺環境や時間帯によっては、自由が奪われてしまう場所が多い。だから、デザインには“壁を壊す”というメッセージが込められています。MHAKさんと話し合いながら、金網をベースに、風が吹き抜けて壁を打ち破る、そんなイメージを形にしています」
マーク氏も、制作の背景をこう明かす。「僕の中では“ストリート＝金網”というイメージがずっとありました。だから最初にケージのモチーフを作り、そこにアディダスのブルーとアルバルクレッドを組み合わせる。何度も試行錯誤しながら、最終的に“ここしかない”と思える色と構成に落ち着いたんです。この柄を見て『なんだろう？』と感じてもらえるだけで嬉しい。地面そのものがアートになるという感覚を、自由に楽しんでもらいたいですね」。
10月3日の開幕戦では、両者にゆかりのあるクラブチームによるエキシビションマッチが開催され、コートは早くも熱気に包まれた。「屋外コートでプレーするのは初めての選手ばかりでしたが、皆さん本当に生き生きしていました。ここから新しいバスケ文化が広がっていく予感がしました」と山田氏。10 月から11月にかけては、U15世代を対象にした「adidas SPORTS PARK LEAGUE」を開設し、学校やクラブ、ユースが垣根を越えて対戦できる新しいリーグ運営も開始した。「トーナメントでは負けたら終わりですが、このリーグでは“たくさん経験すること”を目的にしています。試合を通じて子どもたちが挑戦し、成長する環境をみんなでつくっていきたい」と山田氏は語る。加えて、ラグビーや陸上など複数の競技体験を組み合わせた「マルチスポーツプログラム」も順次展開予定。スポーツを軸に、人と人、地域と世界をつなぐ「アディダスらしい文化創造」の場を目指す。
最後に山田氏はこう結んだ。「僕らは“サプライヤー”ではなく“パートナー”としてアルバルク東京、そして、TOYOTA ARENA TOKYOと手を取り合っています。ユニフォーム提供にとどまらず、マーケティングも文化も一緒に作っていきたい。この『adidas SPORTS PARK』がその延長線上にあり、ここから新しいカルチャーが生まれていく、そんな場所にしていきたいと思っています」。
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