J-POP Tシャツの人気とネクストヴィンテージスタイル

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目次

• 1 音楽Tシャツのネクストトレンド？　J-POP Tシャツが浮上
• 2 アニメ系は新作Tシャツやポスターを提案
• 3 ヴィンテージペアルックカップルが増加
• 4 人気店が提案するネクストヴィンテージスタイル
• 5 音楽Tシャツのネクストトレンド？　J-POP Tシャツが浮上
• 6 アニメ系は新作Tシャツやポスターを提案
• 7 ヴィンテージペアルックカップルが増加
• 8 人気店が提案するネクストヴィンテージスタイル

音楽Tシャツのネクストトレンド？　J-POP Tシャツが浮上

　取材を行った4月19日の横浜は、最高気温23.3℃をマーク。夏日一歩手前ということに加え、会場内は場所によっては満員電車のように人でごった返していたため、Tシャツ1枚で古着を物色する来場者が多く見られた。そのなかで特に目立ったのが、インパクトが強いデザインのプリントTシャツである。なかでも、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ（RED HOT CHILI PEPPERS ）やニルヴァーナ（Nirvana）、ピンク・フロイド（Pink Floyd）などのロックバンドTシャツは、年齢や男女を問わず幅広い層から支持を集めていた。

　ロックバンド以外にも、ビョーク（Bjork）やフージーズ（Fugees）など、ヴィンテージとして高い人気を集めるミュージシャンのTシャツも多く見られた。1年に2度の古着の祭典ということもあり、お気に入りのアイテムを着用して訪れた愛好家が多かったと思われる。その他、ヒップホップやテクノなどのロック以外のジャンルのTシャツやキャップも散見されており、音楽系アイテムの根強い人気が伺えた。

　これまヴィンテージシーンで人気を集めていた音楽系Tシャツは海外のミュージシャンが中心だったが、新たな提案も広がりつつある。そのひとつが、J-POP Tシャツだ。今回の会場では、1990年代の松任谷由実やプリンセスプリンセス（PRINCESS PRINCESS）のTシャツを目立つ場所にディスプレイする店舗が見られた。

アニメ系は新作Tシャツやポスターを提案

　音楽Tシャツに負けず劣らずの人気を見せていたのが、アニメTシャツだ。ヴィンテージ古着だけでなく、「ギークス ルール（GEEKS RULE）」や「セント マイケル（©SAINT Mxxxxxx）」をはじめとしたファッションブランドで新作アニメTシャツが増えていることも、人気の後押しになっていると思われる。

　古着のアニメTシャツにこだわらない打ち出しも増えている。ヴィンテージアニメTシャツを中心に扱う東京・原宿の「チルウィーブ（chillweeb）」は、士郎正宗とコラボレーションした新作Tシャツを展開する。同店が培ったアニメTシャツというカルチャーを軸に、ヴィンテージアイテム一辺倒ではない提案を今後も拡大していくという。アニメ映画のポスターの販売や、新作アニメTシャツの受注販売を行うショップもあり、ヴィンテージマーケットでアニメカルチャーの存在感が増していることが感じられた。

ヴィンテージペアルックカップルが増加

　今回で第6回目となる「VCM VINTAGE MARKET」。筆者は第5回から取材を行っているが、前回よりもカップルや子連れファミリーの来場者が増加したように感じられた。2020年頃からブーム的な盛り上がりを見せていた古着人気は2024年に入って一旦落ち着いたが、今もテレビ番組やYoutubeなどで人気アイドルやお笑い芸人が古着について発信していることもあってか、ヴィンテージを楽しむ層が以前よりも増えているようだ。バンドTシャツやムービーTシャツなどをペアルックのように着用するカップルが何組も見られた。

人気店が提案するネクストヴィンテージスタイル

　会場でいくつかの出店者に直近の状況を聞いたが、ブームの影響を受けて古着を購入していたマス層の消費は既に落ち着いたという声が多かった。今回ピックアップした音楽やアニメの他に、映画やアートなどのTシャツ人気は今後も継続すると思われる。今年の夏も平年より気温が高いことが予想されているうえに、来年以降もその傾向は続く可能性は高いので、長い期間着用可能なTシャツの需要は高止まりになると考えられるからだ。

　「トゥルーヴィンテージ」と呼ばれる、古い年代の希少なヴィンテージ古着の価格は引き続き右肩上がりとなっており、仕入れ価格も上昇しているという。そういったアイテムの人気は今後もさらに高まり、ステータス性も上がるだろう。古着ブームをきっかけにトゥルーヴィンテージに興味を持つようになった若年層のなかには、そういった高額なアイテムへの出費を惜しまない層が増えたという意見もある。

　また、手に取りやすい価格であることが古着の醍醐味であるという考え方も根強い。これまで古着市場であまり目を付けられていなかったブランドやカテゴリを打ち出すショップが増えており、今回の会場でも新たな提案をしているショップがいくつか見られた。多くの客で賑わっていた「ヴィンテージ・ヘッズ（vintage heads）」では、定番の古着であるアメリカのワークウェアブランド「ファイブ ブラザース（FIVE BROTHERS）」のネルシャツをリメイクしたアイテムを会場で販売していた。元々付いているホワイトや、ベージュとブラウンのマーブルのボタンをオリジナルで製造したブラックのボタンに付け替えることで、ヴィンテージの風合いを損なわずに洗練されたオリジナリティのある雰囲気を醸し出している。

　裾野が広がったヴィンテージファンを対象に、今後各店がどういった提案を行い、どのようなヴィンテージアイテムやスタイルが人気になっていくのか。引き続き注視していきたい。

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部在学中にファッションデザイナーを志し、卒業後にエスモード大阪校、エスモードインターナショナルパリ校でデザインとパターンを学ぶ。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、フリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、政治、経済などの視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。3人の子どもと過ごす時間が何よりの楽しみ。

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音楽Tシャツのネクストトレンド？　J-POP Tシャツが浮上

　取材を行った4月19日の横浜は、最高気温23.3℃をマーク。夏日一歩手前ということに加え、会場内は場所によっては満員電車のように人でごった返していたため、Tシャツ1枚で古着を物色する来場者が多く見られた。そのなかで特に目立ったのが、インパクトが強いデザインのプリントTシャツである。なかでも、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ（RED HOT CHILI PEPPERS ）やニルヴァーナ（Nirvana）、ピンク・フロイド（Pink Floyd）などのロックバンドTシャツは、年齢や男女を問わず幅広い層から支持を集めていた。

　ロックバンド以外にも、ビョーク（Bjork）やフージーズ（Fugees）など、ヴィンテージとして高い人気を集めるミュージシャンのTシャツも多く見られた。1年に2度の古着の祭典ということもあり、お気に入りのアイテムを着用して訪れた愛好家が多かったと思われる。その他、ヒップホップやテクノなどのロック以外のジャンルのTシャツやキャップも散見されており、音楽系アイテムの根強い人気が伺えた。

　これまヴィンテージシーンで人気を集めていた音楽系Tシャツは海外のミュージシャンが中心だったが、新たな提案も広がりつつある。そのひとつが、J-POP Tシャツだ。今回の会場では、1990年代の松任谷由実やプリンセスプリンセス（PRINCESS PRINCESS）のTシャツを目立つ場所にディスプレイする店舗が見られた。

アニメ系は新作Tシャツやポスターを提案

　音楽Tシャツに負けず劣らずの人気を見せていたのが、アニメTシャツだ。ヴィンテージ古着だけでなく、「ギークス ルール（GEEKS RULE）」や「セント マイケル（©SAINT Mxxxxxx）」をはじめとしたファッションブランドで新作アニメTシャツが増えていることも、人気の後押しになっていると思われる。

　古着のアニメTシャツにこだわらない打ち出しも増えている。ヴィンテージアニメTシャツを中心に扱う東京・原宿の「チルウィーブ（chillweeb）」は、士郎正宗とコラボレーションした新作Tシャツを展開する。同店が培ったアニメTシャツというカルチャーを軸に、ヴィンテージアイテム一辺倒ではない提案を今後も拡大していくという。アニメ映画のポスターの販売や、新作アニメTシャツの受注販売を行うショップもあり、ヴィンテージマーケットでアニメカルチャーの存在感が増していることが感じられた。

ヴィンテージペアルックカップルが増加

　今回で第6回目となる「VCM VINTAGE MARKET」。筆者は第5回から取材を行っているが、前回よりもカップルや子連れファミリーの来場者が増加したように感じられた。2020年頃からブーム的な盛り上がりを見せていた古着人気は2024年に入って一旦落ち着いたが、今もテレビ番組やYoutubeなどで人気アイドルやお笑い芸人が古着について発信していることもあってか、ヴィンテージを楽しむ層が以前よりも増えているようだ。バンドTシャツやムービーTシャツなどをペアルックのように着用するカップルが何組も見られた。

人気店が提案するネクストヴィンテージスタイル

　会場でいくつかの出店者に直近の状況を聞いたが、ブームの影響を受けて古着を購入していたマス層の消費は既に落ち着いたという声が多かった。今回ピックアップした音楽やアニメの他に、映画やアートなどのTシャツ人気は今後も継続すると思われる。今年の夏も平年より気温が高いことが予想されているうえに、来年以降もその傾向は続く可能性は高いので、長い期間着用可能なTシャツの需要は高止まりになると考えられるからだ。

　「トゥルーヴィンテージ」と呼ばれる、古い年代の希少なヴィンテージ古着の価格は引き続き右肩上がりとなっており、仕入れ価格も上昇しているという。そういったアイテムの人気は今後もさらに高まり、ステータス性も上がるだろう。古着ブームをきっかけにトゥルーヴィンテージに興味を持つようになった若年層のなかには、そういった高額なアイテムへの出費を惜しまない層が増えたという意見もある。

　また、手に取りやすい価格であることが古着の醍醐味であるという考え方も根強い。これまで古着市場であまり目を付けられていなかったブランドやカテゴリを打ち出すショップが増えており、今回の会場でも新たな提案をしているショップがいくつか見られた。多くの客で賑わっていた「ヴィンテージ・ヘッズ（vintage heads）」では、定番の古着であるアメリカのワークウェアブランド「ファイブ ブラザース（FIVE BROTHERS）」のネルシャツをリメイクしたアイテムを会場で販売していた。元々付いているホワイトや、ベージュとブラウンのマーブルのボタンをオリジナルで製造したブラックのボタンに付け替えることで、ヴィンテージの風合いを損なわずに洗練されたオリジナリティのある雰囲気を醸し出している。

　裾野が広がったヴィンテージファンを対象に、今後各店がどういった提案を行い、どのようなヴィンテージアイテムやスタイルが人気になっていくのか。引き続き注視していきたい。

1980年神戸市生まれ。関西学院大学社会学部在学中にファッションデザイナーを志し、卒業後にエスモード大阪校、エスモードインターナショナルパリ校でデザインとパターンを学ぶ。ファッション企画会社、ファッション系ITベンチャーを経て、フリーランスとして活動した後、FASHIONSNAPに参加。ファッションを歴史、文化、政治、経済などの視点から分析し、知的好奇心を刺激する記事を執筆することが目標。3人の子どもと過ごす時間が何よりの楽しみ。

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