Sponsored Links

OSRIN & 荒居誠によるatmosconキービジュアルへのインタビュー

Sponsored Links

Rewrite

2025年に開業25周年を迎えた『atmos(アトモス)』が、国内最大級のスニーカーコンベンション「atmoscon(アトモス コン)」を4月19日(土)・20日(日)に開催する。3年ぶりの開催となるストリート/スニーカーカルチャーの祭典では、“温故知新”をテーマに、25年の歴史を振り返りつつ、新しいことへの挑戦を続ける『atmos』の進化を体感できる2日間に。『atmos』にとって特別な節目に行われる「atmoscon」のキービジュアルを、日本のクリエイティブシーンを牽引するPERIMETRON(ペリメトロン)の映像作家 OSRIN(オスリン)のディレクションのもと、グラフィックデザイナー 荒居誠が共に制作した。完成したビジュアルは、26枚を通して『atmos』の歩みを描いており、「atmoscon」の会場でその全貌が明らかになるという。『Hypebeast』はコンセプチュアルなキービジュアルを手掛けた二人へのインタビューを敢行。26枚のビジュアルに込められたストーリーやデザインプロセス、さらにスニーカーやファッションなどの個人的な嗜好についても語ってくれた。


まず今回のオファーがatmosからきた時は率直にどう思われましたか? また、atmosconについてはご存知でしたか?

OSRIN(以下、O):atmosconのことは理解していなかったのですが、atmos自体は知ってました。以前うちの常田(大希)がadidas(アディダス)のキャンペーンに起用されて、そのポスターがお店の上に掲げられているのを眺めてたことがあるんですけど(笑)。そんな縁もあるので、今回のお話をいただいてシンプルに面白そうだなと。あと今年で25周年だと聞き、長い歴史があることを初めて知りました。atmosが設立された2000年は、いわゆる裏原宿と呼ばれるストリートシーンが盛り上がってた頃ですよね。俺らって世代的にど真ん中じゃないので、その時代のことはよくわかってないんですよ。例えば、今は新作のスニーカーが出た時に各メーカーから直接買えるじゃないですか。でも当時は小売店がセレクトして販売することで、新作が世の中に流通していったそうですね。atmosの方と打ち合わせした時に、そのような時代背景を含めてこれまでのエピソードを聞いて、25年の歴史をより鮮明に感じましたね。

荒居誠(以下、M):僕も同じです。もちろんatmosのことは知ってましたし、セレクトされた良いスニーカーが揃っているイメージでした。僕も元々スニーカーが好きなので、今回のオファーを受けた時に、atmosのやろうとしていることを良い形でビジュアルに落とし込めたらと思いました。

お二人が制作されたatmosconのキービジュアルについて、コンセプト等を教えてください。今回のatmosconのテーマである“温故知新”からインスピレーションを受けたとお聞きしたのですが。

O:実は最終的に今の案に着地するまで、紆余曲折あったんですよ。最初の案はちょっと飛ばしすぎて没にしました(笑)。考え方としては、自分たちの特色を出すはもちろんなんですけど、ルーツのあるグラフィックにしたいなと思ってました。グラフィックってどうしても階層を見てもらえないというか、時間の要素を入れることは難しいですよね? こちらが強い想いを込めてもなかなか伝わりづらい。最初のアイデアにも結構思い入れがあったんですが、話し合っていくうちに、もう少しポップに、親しみやすいものに潔く変えようかとなりました。それでまこっちゃんに一旦イニシアチブを渡して、アイデアを練ってもらったんです。

それでこのキャラクターが生まれたわけですか。

O:そうです。でもキャラクターについて詳しく説明してくれるんだけど、やっぱりシンプルな部分が多いから、グラフィック1枚だけだと見る人に伝わらないかもしれない。それで彼にはお客さんがこのグラフィックをどう楽しむか、みたいなところまで辿り着けてないって言ってたんですよね。それでまたひと悶着あって(笑)。自分としてはキャラクターに対して愛着が湧く前に通り過ぎちゃうビジュアルを仕事としてやりたくないという思いがあったので、彼に26個の物語を作れって言っちゃったんですよ(笑)

なるほど(笑)だから今回ビジュアルが26枚もあるんですね。

O:チャプター0からチャプター5のストーリー構成で、合計26枚ビジュアルがあります。いわば26個の軌跡をワンパッケージとして作るのはどうかと提案したら、まこっちゃんは半分楽しそう、半分嫌そうな反応で(笑)。まあ仕事量が26倍になるわけだから、その反応は当然ですよね。atmos側からしても、ひとつで十分なのに俺らで勝手に26枚納品させてほしいっていうわけだから、変なやつらですよ(笑)。今回のキービジュアルが26枚になったのはそういう経緯で、ここから中身の話はまこっちゃんにしてもらおうかな。

M:そうですね。当初からatmosのヒストリーをグラフィックで表現できたらと考えてました。ただやはり、自分も1枚だけでそれを伝えるのは難しいんじゃないかとは思ってたんですね。それで25年の歩みを象徴的に、良い形で表現する方法を考えた結果、このパッケージになりました。atmosという存在をロボットとして描いているのですが、最初は小さなロボットが発見や発展を繰り返して歩んでいき、次第に大きくなっていく様を26枚通して伝えたいなと思って作りました。

ロボットにはそれぞれ名前があるんですよね?

M:はい。まずこの仕事に取り掛かる前に、atmosのこれまでの歩みを自分なりに色々調べたんです。 atmosのルーツを知り、始まりのatmosをローテクロボ、これからも進化し続けていくatmosをハイテクロボとして描き、ローテクロボはパール、ハイテクロボはジェイと名付けました。パールにはオレンジを少しキーカラーに据えて、ジェイにはatmosを象徴するブルーを対照的に置いてる形なんですけど、最終的にはひとつの大きな青いロボになっていく、みたいなストーリーを表現しました。

ビジュアルを見るとパールがスニーカーというか靴(?)を持ってるのですが、何かデザインの着想源になったモデルがあるのでしょうか?

M:このビジュアルはパールの足がもげてしまって、もうこれ以上歩けない状態になった時に、自分の足と履いていた靴をジェイに託して、さらに歩みを進めていこうという彼の意思を表現しています。より成長していくために、靴(足)を受け渡す瞬間ですね。それで靴のデザインに関しては、特に参考にしたモデルはありません。何か特定のモデルやメーカーに引っ張られてしまうのはatmosを描く上で違うかなと思い、スニーカーなのかブーツなのかわからない、ロボットの足のような靴を描きました。

atmosconの会場では、26枚のビジュアルが全て展示されるんですよね?

O:そうですね。具体的にどんな展示になるのかまだ分からないですけど、会場がある前提のキービジュアルなので、26枚もあるし、空間を活かした見せ方ができるのかなと。イベントだからライブ感があって良いよね。

ここからはお二人にスニーカーについて色々聞いていきたいです。そもそもスニーカーはお好きですか? また、初めて自分の意志で購入したスニーカーは何でしょうか?

O:自分に関して言うと、最初に履いてみたいと思ったスニーカーはConverse(コンバース)のALL STAR(オールスター)かな。中学生の頃。

なぜALL STARが気になったんですか?

O:俺が中学生の頃、まわりでめちゃくちゃConverseが流行って。自分が通っていた中学校は制服は指定で、靴だけは何を履いても自由だったんですよ。みんな同じ学ラン着てる中で、他と差をつけられるのは靴しかないわけ。だから靴って俺の中では1番個性を出せるもの、という印象があるんですよね。それで買ったのが、緑色のALL STARのハイカット。でも、今思うとローカットの方が良かったかな(笑)。ハイカットってシューホールが多くて履くの面倒でしょ。だけど当時はハイカットの方がカッコいいって思ってたから、自分が好きなものって面倒くさいもんなんだな、と感じたのを覚えています。その後高校に進学すると、まわりでローファーやブーツが流行ってたり、自分も部活やってたので、そうなると特定のブランドのトレーニングシューズくらいしか選択肢がないんですよ。なのでそれからスニーカーに対する熱は封印されちゃった感じです。

荒居さんはいかがですか?

O:まこっちゃんは俺より圧倒的にスニーカー好きだよね。

M:そうだね(笑)。最初に買ったものは覚えていないですけど、初めて自分で欲しいと思ったスニーカーはNike(ナイキ)のAir Force 1(エア フォース1)か、adidasのSuperstar(スーパースター)だった気がします。確か中学か高校生の頃、ストリート系の雑誌に掲載されているのを見てカッコいいなと思いました。

O:それ完全にみんなが欲しかった答えだよ(笑)

(笑)王道のセレクトですね。荒居さんはこれまで色々なスニーカーを所有されてきたと思いますが、最も印象深いモデルは何でしょうか?

M:僕はカニエ・ウェスト(Kanye West)がめちゃ好きなんですが、彼がYEEZY BOOST(イージーブースト)を出した時にちょっと夢中になってしまい、抽選に応募してゲットしたりしてました。何足か履いてたんですけど、特に気に入っていたのは700v2。形が自分の足にフィットしてて、デザインも好きだったのでそれを一番履いてましたね。

では最近購入したスニーカーや、気になっているモデルはありますか?

M:いや最近はあまり買ってなくて。いただいたものなんですが、今日履いているNew Balance(ニューバランス)1000はお気に入りです。最近は本当にこれしか履いてないですね。

OSRINさんはいかがでしょう?

O:いくつかあるんですけど、まずは一目惚れして買ったCAMPERLAB(カンペールラボ)っていうスペインのブランドのスニーカー(Tormenta:トルメンタ)。見た目はゴツいんですけど軽くて履きやすいですね。2つ目は(佐々木)集に貰ったadidas(アディダス)のサンダルっぽいやつ(Adifom SST:アディフォーム SST)。これめっちゃ履き心地良いです。3つ目は今履いているKiko Kostadinov(キコ・コスタディノフ)のスニーカー(TONKIN:トンキン)。安全靴みたいな作りが気に入ってますね。

M:色々買ってるじゃん。

O:色々買うようになりました(笑)。大人になってからスニーカー良いじゃんってなったんですけど、でもレアなスニーカーをとんでもない金額を出して買うのはちょっと理解できないですね。自分の中で、スニーカー好きってそういった情報に詳しいイメージなんですよ。要はこれは誰とのコラボで、限定何足しかないといった文脈を知った上で楽しむ文化というか。そういう人がいる一方で、自分はただ欲しいスニーカーを欲しいだけ買う感じですかね。

ではスニーカーやファッションについて、何かこだわりがあれば教えてください。また、好きなデザイナーやブランドはありますか?

O:色で言うと、黒が俺の中で最近のヒットカラーかな。スニーカーでも服でも、人と被りたくないっていうのが前提としてあります。例えば今日履いているKikoのスニーカーも、別にこのブランドが好きとかではなくて、安全靴っぽくて可愛いなと思って選びました。先ほども言いましたけど、靴って一番自由度が高い印象があるんですよね。男性のファッションはどうしてもパンツの形とかある程度決まっているので、他に遊べる要素があまりない。変わった形に惹かれたりするので、自分はオーソドックスなものを避ける傾向があるかもしれないです。服に関しては古着が多くて、90年代とか2000年初期のものが好きですね。その時代のサイズ感だったり、考え方も。古着だと他と被らないし、見た人の印象にも残りやすいんじゃないかな。

好きなブランドは特にないんですが、俺とまこっちゃんの共通の知人がいて、その人から誕生日にvisvim(ビズビム)やMaison Margiela(メゾン マルジェラ)の服をいただいたことがあるんですよ。その時にvisvimやMargielaの服の作り方とか、デザイナーの考えを説明してくれたんです。それ以来、自分も何かプレゼントするときに、作り方が面白いとか、作り手の思いが込められたものを選んだりしていますね。

M:僕はこだわりは本当になくて、以前は色々な雑誌を見たり、誰かの格好を参考にしたりしていたんですが、最近は動きやすいとか、洗濯しやすいとかそういった視点で服を選んでます。あえてあげるとすれば、色を楽しんでるかもしれないです。靴下ひとつでも結構色使いたいと思うタイプなので。服を色で見てます(笑)。スニーカーに関して言えば、NikeもadidasもNew Balanceも好きなんですが、先ほども言ったように気に入ったら同じものをずっと履いちゃう癖があって。毎日服は何を着るか決まってないんですけど、靴は決まっているので、無意識に靴ありきで服を選んでるのかなと思います。自分はブーツとか履かないので、自然とスニーカーに合う服装を好んでしている気がしますね。

将来的にもしどこかのメーカーからスニーカーのデザインのオファーが来たら、受けてみたいと思いますか? またその場合、どういったデザインにしたいとか、コンセプト等を今思いつく限りであげてください。

O:受けないですね。

M:受けないんだ(笑)。何で? 僕はやってみたいですね。

O:いや既存のモデルの色を変えるとかはしたくなくて、形を一からデザインできるならやってみたいです。でも以前から、自分たちでスニーカー作ってみたいという話はしていたんですよ。むしろ作る側の意識で最近スニーカーを買ってるかもしれない。なんでこの金額でこの構造を作れて売れるんだろう、ロット数いくらなんだろうみたいな。

完全にプロの視点ですね(笑)

O:以前常田がatmosとadidasとコラボスニーカーを出したことがあったんですけど、背景を色々知って、そこから靴の買い方が結構変わりましたね。スニーカーって特に機能性が重要じゃないですか。人の行動において密接度合が高いので、機能性が疎かになると、デザインだけ良くても製品としては成り立たないですし。そのバランスを両立させるのが難しいですが、興味深いところでもあるので、ゆくゆくは本当に作ってみたいなと思っています。

M:僕はもう、既存のモデルの配色変えだけでも機会をいただけるならぜひやりたいですね。

何かアイデアはありますか?

M:うーん、配色を変える以上のこともできたら面白いですよね。例えば、Off-White™️(オフホワイト)x Jordan Brand(ジョーダン ブランド)とか、トラヴィス・スコット(Travis Scott)などのコラボモデルは、配色を変えるだけでなく、ワンエッセンスちゃんと加えていますよね? そういったアプローチができるのであれば、パッケージを含めトータルでデザインしたいですね。

近年海外ではアーティストとのコラボが多いので、PERIMETRONとして、もしくは個人としてスニーカーのデザインに携わる機会もあり得るんじゃないでしょうか。

O:でもスニーカーってそういったことがやりやすいカルチャーですよね。異業種とのコラボレーションや限定モデルがめっちゃ多いじゃないですか。お客さんはカスタムみたいなことにも寛容ですし、ファッションにおいても、唯一と言っていいほど自由度が高いフォーマットなのかなと思いますね。

最後に、今回のatmosconに向けてメッセージをお願いします。

O:atmosの皆さんは物を作ること、物を売ることをものすごく考えてきた方たちですよね。今回のatmosconはそれぞれが関わったり、愛着や思い出があったりするものが集まると思うので、参加者一人ひとりの想いの込められたイベントだと捉えています。スニーカーのセレクトから始まって、オリジナルを作ったり、イベントを開催したり、といった流れがひとつのビジネスとして25年も続いていて、その一部に携わることができて光栄ですし、皆さんの想いが集結した熱量を実際の会場で肌で感じられると、すごく楽しいんじゃないかな。

これは俺の勝手な考えですけど、atmosconってatmosを運営していく上では、絶対に必要なものではないですよね。時間もお金もかかりますし。でもそれをあえてやるのは、atmosが大事にしてるものは何か今一度考えるべきだという思いが発端だと思うんですよ。自分たちが手掛けた今回のキービジュアルも、本来26枚も作る必要はないですよ(笑)。でも俺らにとっては重要で、それを受け入れてもらったことで、自分たちとatmosは同じ方向を向いてるのかなと。なのできっと良いイベントになると思います。

M:atmosconみたいなスニーカーの祭典って国内では他にないですし、しかもそれを続けているのはすごいなと。これからどんどん新たなブームみたいなのが生まれていくのを見たいなと思いますし、今回のイベントをきっかけに、みんなにまたスニーカーに注目してもらいたいですね。もちろん、自分たちが作ったビジュアルもたくさんの人に見てもらえたら嬉しいです。

atmoscon vol.9
開催日時:
4月19日(土)11:00-18:00
4月20日(日)11:00-17:00
会場:新宿住友ビル 三角広場
住所:東京都新宿区西新宿2-6-1
特設サイト


OSRIN
クリエイティブレーベル PERIMETRON所属。
1990年生まれ。名古屋芸術大学デザインマネージメント学科卒。King Gnu、millenium paradeのMVやアートワークをはじめ、映像監督として圧倒的な世界観の中に精密な表現を設計し、様々な映像作品を手掛ける。さらにライブやイベントの総合演出など、垣根を超えた活動で、現在の日本のクリエイティブシーンをリードする。

荒居誠
名古屋芸術大学卒。大学の研究生として約2年間、陶器のプロダクトデザイン・制作を実施。立体物の作品を手がけた後、テキスタイルデザインの職に就く。2018年にクリエイティブレーベル PERIMETRONに加入し、グラフィックデザイナーとしてジャケットのアートワークやキャラクターデザイン、タイトル・ロゴデザインなどを担当。 緩やかな線から細かく綿密な線まで幅広く描くことができ、コンセプトに寄り添った作品を作り上げる。また、2024年にはmillennium paradeのメンバーと制作したMANGA”DREAM PILL”のイラストを担当し、米ニューヨークでの展示会も実施。

in HTML format, including tags, to make it appealing and easy to read for Japanese-speaking readers aged 20 to 40 interested in fashion. Organize the content with appropriate headings and subheadings (h1, h2, h3, h4, h5, h6), translating all text, including headings, into Japanese. Retain any existing tags from

2025年に開業25周年を迎えた『atmos(アトモス)』が、国内最大級のスニーカーコンベンション「atmoscon(アトモス コン)」を4月19日(土)・20日(日)に開催する。3年ぶりの開催となるストリート/スニーカーカルチャーの祭典では、“温故知新”をテーマに、25年の歴史を振り返りつつ、新しいことへの挑戦を続ける『atmos』の進化を体感できる2日間に。『atmos』にとって特別な節目に行われる「atmoscon」のキービジュアルを、日本のクリエイティブシーンを牽引するPERIMETRON(ペリメトロン)の映像作家 OSRIN(オスリン)のディレクションのもと、グラフィックデザイナー 荒居誠が共に制作した。完成したビジュアルは、26枚を通して『atmos』の歩みを描いており、「atmoscon」の会場でその全貌が明らかになるという。『Hypebeast』はコンセプチュアルなキービジュアルを手掛けた二人へのインタビューを敢行。26枚のビジュアルに込められたストーリーやデザインプロセス、さらにスニーカーやファッションなどの個人的な嗜好についても語ってくれた。


まず今回のオファーがatmosからきた時は率直にどう思われましたか? また、atmosconについてはご存知でしたか?

OSRIN(以下、O):atmosconのことは理解していなかったのですが、atmos自体は知ってました。以前うちの常田(大希)がadidas(アディダス)のキャンペーンに起用されて、そのポスターがお店の上に掲げられているのを眺めてたことがあるんですけど(笑)。そんな縁もあるので、今回のお話をいただいてシンプルに面白そうだなと。あと今年で25周年だと聞き、長い歴史があることを初めて知りました。atmosが設立された2000年は、いわゆる裏原宿と呼ばれるストリートシーンが盛り上がってた頃ですよね。俺らって世代的にど真ん中じゃないので、その時代のことはよくわかってないんですよ。例えば、今は新作のスニーカーが出た時に各メーカーから直接買えるじゃないですか。でも当時は小売店がセレクトして販売することで、新作が世の中に流通していったそうですね。atmosの方と打ち合わせした時に、そのような時代背景を含めてこれまでのエピソードを聞いて、25年の歴史をより鮮明に感じましたね。

荒居誠(以下、M):僕も同じです。もちろんatmosのことは知ってましたし、セレクトされた良いスニーカーが揃っているイメージでした。僕も元々スニーカーが好きなので、今回のオファーを受けた時に、atmosのやろうとしていることを良い形でビジュアルに落とし込めたらと思いました。

お二人が制作されたatmosconのキービジュアルについて、コンセプト等を教えてください。今回のatmosconのテーマである“温故知新”からインスピレーションを受けたとお聞きしたのですが。

O:実は最終的に今の案に着地するまで、紆余曲折あったんですよ。最初の案はちょっと飛ばしすぎて没にしました(笑)。考え方としては、自分たちの特色を出すはもちろんなんですけど、ルーツのあるグラフィックにしたいなと思ってました。グラフィックってどうしても階層を見てもらえないというか、時間の要素を入れることは難しいですよね? こちらが強い想いを込めてもなかなか伝わりづらい。最初のアイデアにも結構思い入れがあったんですが、話し合っていくうちに、もう少しポップに、親しみやすいものに潔く変えようかとなりました。それでまこっちゃんに一旦イニシアチブを渡して、アイデアを練ってもらったんです。

それでこのキャラクターが生まれたわけですか。

O:そうです。でもキャラクターについて詳しく説明してくれるんだけど、やっぱりシンプルな部分が多いから、グラフィック1枚だけだと見る人に伝わらないかもしれない。それで彼にはお客さんがこのグラフィックをどう楽しむか、みたいなところまで辿り着けてないって言ってたんですよね。それでまたひと悶着あって(笑)。自分としてはキャラクターに対して愛着が湧く前に通り過ぎちゃうビジュアルを仕事としてやりたくないという思いがあったので、彼に26個の物語を作れって言っちゃったんですよ(笑)

なるほど(笑)だから今回ビジュアルが26枚もあるんですね。

O:チャプター0からチャプター5のストーリー構成で、合計26枚ビジュアルがあります。いわば26個の軌跡をワンパッケージとして作るのはどうかと提案したら、まこっちゃんは半分楽しそう、半分嫌そうな反応で(笑)。まあ仕事量が26倍になるわけだから、その反応は当然ですよね。atmos側からしても、ひとつで十分なのに俺らで勝手に26枚納品させてほしいっていうわけだから、変なやつらですよ(笑)。今回のキービジュアルが26枚になったのはそういう経緯で、ここから中身の話はまこっちゃんにしてもらおうかな。

M:そうですね。当初からatmosのヒストリーをグラフィックで表現できたらと考えてました。ただやはり、自分も1枚だけでそれを伝えるのは難しいんじゃないかとは思ってたんですね。それで25年の歩みを象徴的に、良い形で表現する方法を考えた結果、このパッケージになりました。atmosという存在をロボットとして描いているのですが、最初は小さなロボットが発見や発展を繰り返して歩んでいき、次第に大きくなっていく様を26枚通して伝えたいなと思って作りました。

ロボットにはそれぞれ名前があるんですよね?

M:はい。まずこの仕事に取り掛かる前に、atmosのこれまでの歩みを自分なりに色々調べたんです。 atmosのルーツを知り、始まりのatmosをローテクロボ、これからも進化し続けていくatmosをハイテクロボとして描き、ローテクロボはパール、ハイテクロボはジェイと名付けました。パールにはオレンジを少しキーカラーに据えて、ジェイにはatmosを象徴するブルーを対照的に置いてる形なんですけど、最終的にはひとつの大きな青いロボになっていく、みたいなストーリーを表現しました。

ビジュアルを見るとパールがスニーカーというか靴(?)を持ってるのですが、何かデザインの着想源になったモデルがあるのでしょうか?

M:このビジュアルはパールの足がもげてしまって、もうこれ以上歩けない状態になった時に、自分の足と履いていた靴をジェイに託して、さらに歩みを進めていこうという彼の意思を表現しています。より成長していくために、靴(足)を受け渡す瞬間ですね。それで靴のデザインに関しては、特に参考にしたモデルはありません。何か特定のモデルやメーカーに引っ張られてしまうのはatmosを描く上で違うかなと思い、スニーカーなのかブーツなのかわからない、ロボットの足のような靴を描きました。

atmosconの会場では、26枚のビジュアルが全て展示されるんですよね?

O:そうですね。具体的にどんな展示になるのかまだ分からないですけど、会場がある前提のキービジュアルなので、26枚もあるし、空間を活かした見せ方ができるのかなと。イベントだからライブ感があって良いよね。

ここからはお二人にスニーカーについて色々聞いていきたいです。そもそもスニーカーはお好きですか? また、初めて自分の意志で購入したスニーカーは何でしょうか?

O:自分に関して言うと、最初に履いてみたいと思ったスニーカーはConverse(コンバース)のALL STAR(オールスター)かな。中学生の頃。

なぜALL STARが気になったんですか?

O:俺が中学生の頃、まわりでめちゃくちゃConverseが流行って。自分が通っていた中学校は制服は指定で、靴だけは何を履いても自由だったんですよ。みんな同じ学ラン着てる中で、他と差をつけられるのは靴しかないわけ。だから靴って俺の中では1番個性を出せるもの、という印象があるんですよね。それで買ったのが、緑色のALL STARのハイカット。でも、今思うとローカットの方が良かったかな(笑)。ハイカットってシューホールが多くて履くの面倒でしょ。だけど当時はハイカットの方がカッコいいって思ってたから、自分が好きなものって面倒くさいもんなんだな、と感じたのを覚えています。その後高校に進学すると、まわりでローファーやブーツが流行ってたり、自分も部活やってたので、そうなると特定のブランドのトレーニングシューズくらいしか選択肢がないんですよ。なのでそれからスニーカーに対する熱は封印されちゃった感じです。

荒居さんはいかがですか?

O:まこっちゃんは俺より圧倒的にスニーカー好きだよね。

M:そうだね(笑)。最初に買ったものは覚えていないですけど、初めて自分で欲しいと思ったスニーカーはNike(ナイキ)のAir Force 1(エア フォース1)か、adidasのSuperstar(スーパースター)だった気がします。確か中学か高校生の頃、ストリート系の雑誌に掲載されているのを見てカッコいいなと思いました。

O:それ完全にみんなが欲しかった答えだよ(笑)

(笑)王道のセレクトですね。荒居さんはこれまで色々なスニーカーを所有されてきたと思いますが、最も印象深いモデルは何でしょうか?

M:僕はカニエ・ウェスト(Kanye West)がめちゃ好きなんですが、彼がYEEZY BOOST(イージーブースト)を出した時にちょっと夢中になってしまい、抽選に応募してゲットしたりしてました。何足か履いてたんですけど、特に気に入っていたのは700v2。形が自分の足にフィットしてて、デザインも好きだったのでそれを一番履いてましたね。

では最近購入したスニーカーや、気になっているモデルはありますか?

M:いや最近はあまり買ってなくて。いただいたものなんですが、今日履いているNew Balance(ニューバランス)1000はお気に入りです。最近は本当にこれしか履いてないですね。

OSRINさんはいかがでしょう?

O:いくつかあるんですけど、まずは一目惚れして買ったCAMPERLAB(カンペールラボ)っていうスペインのブランドのスニーカー(Tormenta:トルメンタ)。見た目はゴツいんですけど軽くて履きやすいですね。2つ目は(佐々木)集に貰ったadidas(アディダス)のサンダルっぽいやつ(Adifom SST:アディフォーム SST)。これめっちゃ履き心地良いです。3つ目は今履いているKiko Kostadinov(キコ・コスタディノフ)のスニーカー(TONKIN:トンキン)。安全靴みたいな作りが気に入ってますね。

M:色々買ってるじゃん。

O:色々買うようになりました(笑)。大人になってからスニーカー良いじゃんってなったんですけど、でもレアなスニーカーをとんでもない金額を出して買うのはちょっと理解できないですね。自分の中で、スニーカー好きってそういった情報に詳しいイメージなんですよ。要はこれは誰とのコラボで、限定何足しかないといった文脈を知った上で楽しむ文化というか。そういう人がいる一方で、自分はただ欲しいスニーカーを欲しいだけ買う感じですかね。

ではスニーカーやファッションについて、何かこだわりがあれば教えてください。また、好きなデザイナーやブランドはありますか?

O:色で言うと、黒が俺の中で最近のヒットカラーかな。スニーカーでも服でも、人と被りたくないっていうのが前提としてあります。例えば今日履いているKikoのスニーカーも、別にこのブランドが好きとかではなくて、安全靴っぽくて可愛いなと思って選びました。先ほども言いましたけど、靴って一番自由度が高い印象があるんですよね。男性のファッションはどうしてもパンツの形とかある程度決まっているので、他に遊べる要素があまりない。変わった形に惹かれたりするので、自分はオーソドックスなものを避ける傾向があるかもしれないです。服に関しては古着が多くて、90年代とか2000年初期のものが好きですね。その時代のサイズ感だったり、考え方も。古着だと他と被らないし、見た人の印象にも残りやすいんじゃないかな。

好きなブランドは特にないんですが、俺とまこっちゃんの共通の知人がいて、その人から誕生日にvisvim(ビズビム)やMaison Margiela(メゾン マルジェラ)の服をいただいたことがあるんですよ。その時にvisvimやMargielaの服の作り方とか、デザイナーの考えを説明してくれたんです。それ以来、自分も何かプレゼントするときに、作り方が面白いとか、作り手の思いが込められたものを選んだりしていますね。

M:僕はこだわりは本当になくて、以前は色々な雑誌を見たり、誰かの格好を参考にしたりしていたんですが、最近は動きやすいとか、洗濯しやすいとかそういった視点で服を選んでます。あえてあげるとすれば、色を楽しんでるかもしれないです。靴下ひとつでも結構色使いたいと思うタイプなので。服を色で見てます(笑)。スニーカーに関して言えば、NikeもadidasもNew Balanceも好きなんですが、先ほども言ったように気に入ったら同じものをずっと履いちゃう癖があって。毎日服は何を着るか決まってないんですけど、靴は決まっているので、無意識に靴ありきで服を選んでるのかなと思います。自分はブーツとか履かないので、自然とスニーカーに合う服装を好んでしている気がしますね。

将来的にもしどこかのメーカーからスニーカーのデザインのオファーが来たら、受けてみたいと思いますか? またその場合、どういったデザインにしたいとか、コンセプト等を今思いつく限りであげてください。

O:受けないですね。

M:受けないんだ(笑)。何で? 僕はやってみたいですね。

O:いや既存のモデルの色を変えるとかはしたくなくて、形を一からデザインできるならやってみたいです。でも以前から、自分たちでスニーカー作ってみたいという話はしていたんですよ。むしろ作る側の意識で最近スニーカーを買ってるかもしれない。なんでこの金額でこの構造を作れて売れるんだろう、ロット数いくらなんだろうみたいな。

完全にプロの視点ですね(笑)

O:以前常田がatmosとadidasとコラボスニーカーを出したことがあったんですけど、背景を色々知って、そこから靴の買い方が結構変わりましたね。スニーカーって特に機能性が重要じゃないですか。人の行動において密接度合が高いので、機能性が疎かになると、デザインだけ良くても製品としては成り立たないですし。そのバランスを両立させるのが難しいですが、興味深いところでもあるので、ゆくゆくは本当に作ってみたいなと思っています。

M:僕はもう、既存のモデルの配色変えだけでも機会をいただけるならぜひやりたいですね。

何かアイデアはありますか?

M:うーん、配色を変える以上のこともできたら面白いですよね。例えば、Off-White™️(オフホワイト)x Jordan Brand(ジョーダン ブランド)とか、トラヴィス・スコット(Travis Scott)などのコラボモデルは、配色を変えるだけでなく、ワンエッセンスちゃんと加えていますよね? そういったアプローチができるのであれば、パッケージを含めトータルでデザインしたいですね。

近年海外ではアーティストとのコラボが多いので、PERIMETRONとして、もしくは個人としてスニーカーのデザインに携わる機会もあり得るんじゃないでしょうか。

O:でもスニーカーってそういったことがやりやすいカルチャーですよね。異業種とのコラボレーションや限定モデルがめっちゃ多いじゃないですか。お客さんはカスタムみたいなことにも寛容ですし、ファッションにおいても、唯一と言っていいほど自由度が高いフォーマットなのかなと思いますね。

最後に、今回のatmosconに向けてメッセージをお願いします。

O:atmosの皆さんは物を作ること、物を売ることをものすごく考えてきた方たちですよね。今回のatmosconはそれぞれが関わったり、愛着や思い出があったりするものが集まると思うので、参加者一人ひとりの想いの込められたイベントだと捉えています。スニーカーのセレクトから始まって、オリジナルを作ったり、イベントを開催したり、といった流れがひとつのビジネスとして25年も続いていて、その一部に携わることができて光栄ですし、皆さんの想いが集結した熱量を実際の会場で肌で感じられると、すごく楽しいんじゃないかな。

これは俺の勝手な考えですけど、atmosconってatmosを運営していく上では、絶対に必要なものではないですよね。時間もお金もかかりますし。でもそれをあえてやるのは、atmosが大事にしてるものは何か今一度考えるべきだという思いが発端だと思うんですよ。自分たちが手掛けた今回のキービジュアルも、本来26枚も作る必要はないですよ(笑)。でも俺らにとっては重要で、それを受け入れてもらったことで、自分たちとatmosは同じ方向を向いてるのかなと。なのできっと良いイベントになると思います。

M:atmosconみたいなスニーカーの祭典って国内では他にないですし、しかもそれを続けているのはすごいなと。これからどんどん新たなブームみたいなのが生まれていくのを見たいなと思いますし、今回のイベントをきっかけに、みんなにまたスニーカーに注目してもらいたいですね。もちろん、自分たちが作ったビジュアルもたくさんの人に見てもらえたら嬉しいです。

atmoscon vol.9
開催日時:
4月19日(土)11:00-18:00
4月20日(日)11:00-17:00
会場:新宿住友ビル 三角広場
住所:東京都新宿区西新宿2-6-1
特設サイト


OSRIN
クリエイティブレーベル PERIMETRON所属。
1990年生まれ。名古屋芸術大学デザインマネージメント学科卒。King Gnu、millenium paradeのMVやアートワークをはじめ、映像監督として圧倒的な世界観の中に精密な表現を設計し、様々な映像作品を手掛ける。さらにライブやイベントの総合演出など、垣根を超えた活動で、現在の日本のクリエイティブシーンをリードする。

荒居誠
名古屋芸術大学卒。大学の研究生として約2年間、陶器のプロダクトデザイン・制作を実施。立体物の作品を手がけた後、テキスタイルデザインの職に就く。2018年にクリエイティブレーベル PERIMETRONに加入し、グラフィックデザイナーとしてジャケットのアートワークやキャラクターデザイン、タイトル・ロゴデザインなどを担当。 緩やかな線から細かく綿密な線まで幅広く描くことができ、コンセプトに寄り添った作品を作り上げる。また、2024年にはmillennium paradeのメンバーと制作したMANGA”DREAM PILL”のイラストを担当し、米ニューヨークでの展示会も実施。

and integrate them seamlessly into the new content without adding new tags. Ensure the new content is fashion-related, written entirely in Japanese, and approximately 1500 words. Conclude with a “結論” section and a well-formatted “よくある質問” section. Avoid including an introduction or a note explaining the process.

Sponsored Links
Sponsored Links