新作のスプリングコートは大きく開いた襟元と縦に走るファスナーがアクセントだ。コントラストカラーのキルティングライナーは取り外し可能なので、肌寒い春先から梅雨時まで活躍してくれる。ファブリックは撥水性能を備えたぬめるようなナイロン。
〈プラダ(PRADA)〉にとってナイロンは欠かせないファブリックのひとつだが、仮想現実が生む未来を想起させる今シーズンはとりわけ重要な意味をもっている。仮想現実のメタファとしてナイロンを、現実のメタファとしてコミックプリントを取り上げ、ひとつのスタイリングに同居させることで、その境界線が曖昧になる世界をぼくらに予見させた(コミックプリントのコレクションは次々回で紹介する)。
もうひとつの新作はデニムジャケット。基本を押さえつつ、ユニフォームを彷彿とさせるファスナーフロントとシャツカラーのディテール、ユニークなステッチパターンで仕上げたそれは〈プラダ〉ならではの洗練された印象が漂う。リジッドデニムを思わせる色合い、風合いながらストレッチを効かせたそのファブリックはストレスを感じさせない着心地も魅力だ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
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Source: フィナム