『アメリカン・スナイパー』『ハドソン川の奇跡』とリアルヒーローの真実の物語を描き続けてきた巨匠クリント・イーストウッド監督。87歳にしてコンスタントに映画を撮りつづけているという事実もさることながら、今回の作品では映画の新境地へと到達しています。
扱うのは、2015年に起きたパリ行きの特急列車内で554人の乗客全員をターゲットした無差別テロ襲撃事件。極限の恐怖と緊張感の中、武装した犯人に立ち向かったのはヨーロッパを旅行中の３人の心優しき若者たちでした。なぜごく普通の男たちは、恐ろしい相手に立ち向かうことができたのか。
公式サイトでも載っているのでこの映画のすごさのひとつを明かしてしまいますが、じつはこの作品では主人公となる3人の若者たちを始め、乗客として事件の列車に居合わせた数多くの人が出演し、事件が起こった場所でも撮影に挑んだという究極のリアリティーを徹底追求した前代未聞の映画なのです。
〜STORY〜
2015年8月21日、アムステルダム発パリ行きの高速列車タリスが発車した。フランス国境内へ入ったのち、突如イスラム過激派の男が自動小銃を発砲。乗務員は乗務員室に逃げ込み、554名の乗客全員が恐怖に怯える中、幼馴染の3人の若者が犯人に立ち上がったー。
87歳を迎えてもなお、新たなる挑戦を続けるトップランナーの最新作は、いつ、どこで、誰もがテロに直面してもおかしくないこの時代に、当事者の目線から観客に真実と現実を問いかけます。「この映画はごく普通の人々に捧げた物語」だと監督はいいます。
どんな時代であろうと、人間の良心に一縷の希望を見出すことができる作品をつくり続ける老齢の映画作家。内容のよさはもちろん、映画の制作自体を更新するというこの姿勢はお見事。クリント・イーストウッド、恐るべし！
© 2018 Warner Bros. Entertainment Inc., Village Roadshow Films (BVI) Limited, RatPac-Dune Entertainment LLC
Text_Shinri Kobayashi
映画『15時17分、パリ行き』
３月１日（木）、丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー
配給：ワーナー･ブラザース映画
上映時間：1時間34分
指定：G
1517toparis.jp
Source: フィナム
