ブリティッシュスタイルの生き字引きであり、日本を代表するスタイリスト・馬場圭介さん。雑誌や広告、ブランドのカタログなど、何十年にも渡りスタイリストとして活躍する一方、ブランドのディレクターとしてもその手腕をふるっています。
2011年には〈イングラテーラー バイ ジービー(ENGLATAILOR by GB)〉、2017年には〈ザ・ダファー・オブ・セント・ジョージ(The DUFFER of St.GEORGE)〉の新ラインのディレクターに就任。また、今年の5月には自身初となるショップ「カウンシル・フラット1(Council Flat 1)」もオープンさせました。
“大御所”と言われる存在でありながら、いつまでも能動的で意欲的。服に傾ける情熱にいつも刺激を受けるのですが、そんな馬場さんがこの度、新たなブランドを立ち上げました。その名も〈ノルマン(NORMAN)〉。
馬場さんに聞いたブランド設立の経緯はこう。「ブランドをやりたいとは思ってたんだけど、そんなときに〈フィンガーフォックス アンド シャツ(FINGER FOX AND SHIRTS)〉からちょうど誘いがあってね。それが今年の3月くらいかな」
「元来イギリスが好きだから、いままではイギリス一色だったんだけど、『カウンシル・フラット1』で古着を扱うようになってフランスの古着に触れ合うことが多くなってね。じっくり見ていくと、やっぱりフランスのものはおしゃれなんだよ。イギリスのワークウエアは無骨な感じだけど、フランスのは洗練されてるっていうのかな。そういったことも重なって〈ノルマン〉ではフレンチカジュアルとかフレンチワークに焦点を当てようと思ったんだよね」
ここからは、展示会場に並んでいたアイテムを一部ご紹介。
ご覧の通り、馬場さんの代名詞ともいえるブリティッシュ色はなし。フレンチシックなブルーやストライプ、ボーダー柄などが印象的なコレクションになっています。これまでの馬場さんのクリエイションを知っている人ほど、新鮮に映るのではないでしょうか。
さらにコラボレーションアイテムも展開しています。このデニムはスタイリスト・野口強さんがディレクションするデニムブランド〈マインデニム(MINEDENIM)〉と共作したもの。オレンジの切り返しがなんとも鮮やかで、バックポケットには〈ノルマン〉のロゴがしっかりと縫いつけられています。数あるアイテムのなかでもひときわ存在感を放っていました。
こちらは〈コム デ ギャルソン・オム プリュス(Comme des Garçons Homme Plus)〉のランウェイで、恐竜の被り物を製作したアーティスト・下田昌克さんとコラボレーションした布製のリストバンド。糸のほつれ具合と、考えてないようで考えつくされているステッチの雰囲気、デザインの妙です。留め具はマジックテープで。
ほかにも馬場さんのアイコンともいうべきブリムの広いハットや、パーカーの背面にサコッシュをつけたものなども展開されています。ここからは、馬場さんが実際に着用しているルックをどうぞ。
ルックのスタイリングも、もちろん馬場さんが担当しています。当たり前ではありますが、これが着こなしの教科書と言っていいでしょう。持っているあの服とどう合わせるか、イメージも湧いてくるのではないでしょうか。
〈ノルマン〉の商品は来年2月からデリバリー開始予定です。手に取れるその日まで、もうしばらくお待ちください。
Text_Keisuke Kimura
馬場圭介
www.instagram.com/keisukebaba1007/?hl=ja
Source: フィナム