「Tiger Beer(タイガービール)」のグローバルキャンペーン“Uncaged Hero(解き放たれたヒーローたち)”では、創作意欲に満ち溢れた新進気鋭のクリエイター/アーティスト7組にスポットライトを当てている。中国生まれのストリートアーティスト、Hua Tunan(フア・ツナン)は混沌と美を武器に、彼の情熱を具現化するのみならず、見る者の内に秘めた力強い感情を引き起こすような作品制作で東西の文化を融合してきた。彼は束の間の会話の中で、その哲学的なアプローチや制作を発展させる術、そして「Tiger Beer」とのアートプロジェクトについて赤裸々に語ってくれた。
ー どのようにクリエイティブの世界に足を踏み入れたのですか?
ペインティングを始めたのは、私が6歳の頃でしたね。父が伝統的な中国絵画を私に教えてくれて、初めは水彩画からスタートしたのですが、それが私のアートへ対する強い情熱を駆り立てました。私は2011年のシンガポールに始まり、その後ヨーロッパ、アメリカでアートを学ぶ中で、ストリートアートへの関心が深まっていることに気付き、そこからどうすれば東洋の水彩画と西洋のストリートアートを融合できるかを追求し始めました。これらの全く異なる2つの文化に目を向けると、我々はグラフィティにカオス特有の魅力を感じることができるはずです。
ー なぜ自らを“ペインティング・マン”と名乗っていたのですか?
過去のことですが、あれはとてもシンプルだし、純粋で、アートを制作することそのものを意味する名前でした。でも、本名の方が作品をより良く伝えることができると思い、今はChen Yingjie(チェン・エイケツ)を使っています。
ー 巨大なアートピースを制作する上で、生命の力強さを表現するためにインクを飛び散らせる技法を使いますよね。あのスタイルはどのように確立したのですか?
水墨画へ理解を深めたことをきっかけに、私は感情と内なる自分を直接的に表現するべく、2011年からその技法と巨大なストリートアートの制作方法を融合するようになりました。ペンを手にすると、力加減、角度、距離感など、各ポイントごとでの全ての変化に注意を払いながらキャンバスへと落とし込む必要があります。ですが、この手法は私自身や私の意識、生命へのリスペクトを表現する上でもっとも最適なものなのです。
このスタイルの構想は、ただ技術を応用したものではなく、李小龍(ブルース・リー)氏からも影響を受けています。彼は水が師であると語っていますが、水は最も柔らかい物質でありながら、圧力を高めると石や金属でさえ破壊することができます。そして、水は手に持つことも、それ自体を自在に操ることもできず、叩いたり、傷をつけたりすることさえもできません。私はペインティングにこのようなコンセプトを反映させたいと考えました。
ー あなたは壁や家、さらには車にまでペイントをしますが、このうちのどれが最も難しいチャレンジでしたか?
イレギュラーな形状やサイズの場合、制作過程の中間に進むにつれて、時間を要するのは間違いありませんが、それがクリエイションを妨げることもありません。
私の作品は水の流れのようなものなので、様々な環境や形状に適応することができます。つまり、私は一貫性を保ちながら、予期せぬものにも抗うことができるのです。
ー あなたの作品からはエネルギーと自由な感性が滲み出ていますが、何に刺激を受けているのでしょうか?
私はここ数年で様々な国を旅行してきたのですが、そこで感じた情熱や困難を作品に落とし込むことを意識しています。
ー 中国の歴史や文化が作品にどのような影響を与えているのでしょうか?
私にとっては“太極拳”が最も大きなヒントとなり、本当にたくさんのインスピレーションを与えてくれます。陰と陽の融合、黒と白と言えば分かりやすいでしょうか。陰と陽の混沌とした不安定さは遷移状態のようなもので、それは私が東洋と西洋の文化を融合させる際に考える過程に似ています。私は水墨画と西洋のストリートグラフィティの個人的見解を通し、答えを探し求めるのですが、この過程において、私は自分自身を水や液状のもの、または気体へとへ変換させることで、すべての詳細を捉えることができるようになります。この状態がまさに“太極拳”のバランスのようなものなのです。
伝統的な水墨画は、“気功”を意味します。しかし、私の作品は目には見えない“気功”で構成されており、人々はそれを見ることでそれの息吹や自然のエネルギー、2つの間に存在する対局の力、さらには現代における人類と自然の不安定な状況を感じることができるのです。
ー なぜ動物の絵画にこだわるのですか?
私はその時々で異なる目的に焦点を当てて、内なる自分を表現します。動物、特に捕食動物の絵画は、生命の爆発的な力を感じさせてくれますよね。最近、私は上海で自然の景色と自己形成を概念化するための表情豊かな動物の作品群に限った個展を開催したんですよ。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=QTm5I8gojWU&w=560&h=315]ー トラはあなたにとって特別な何かを意味するものなのでしょうか?
トラは神秘的ですが、優雅で自然の力を保有しています。 虎縞を描くたびに、私はそこに宿る無限のエネルギーを感じるのです。なので、トラは内なる自分を表現する上で最も適した動物と言っても過言ではないですね。
ー 最も印象に残るライブパフォーマンスを教えてください。
2012年にチューリッヒで7時間にもおよぶ自身初のライブパフォーマンスを行い、5m x 7mのミューラルを作りました。あれは水墨画の技術を応用した私のグラフィティスキルを海外の人に披露する初めての機会だったのです。
ー 「Tiger Beer」とWWF(世界自然保護基金)のコラボレーションで最も忘れられない経験は何でしたか?
私たちは本当にカンボジアの自然保護区の奥へと入り込み、ワイルドライフレンジャーの仕事を学び、違法に設置された狩猟用の罠を破壊しながら、トラを探しました。あの経験はトラを描きたいという私の創作意欲を一層駆り立てましたね。
ー あなたにとって「Tiger Beer」のプラットフォームがどのような役割を果たしましたか?
2015年のタイでのコラボレーションに始まって、2017年のチェコに至るまで、「Tiger Beer」は私の制作に対する考えを尊重してくれました。この信用があったからこそ、私はキャンバスの上で全ての感情を自由に解き放つことができたのです。互いのリスペクトがあるコラボレーションは、本当に楽しい経験でした。
ー 最後に、“Uncaged Hero”から学んだことを教えてください。
勇敢さ、知恵、そして生きるための不屈の精神ですね。
いかがだっただろうか。Huaの作品は、彼の公式ページから。また、アジアのビールを代表するブランドとしてクリエイティブなカルチャーをサポートする「Tiger Beer」の詳細は、こちらからご確認を。
Click here to view full gallery at HYPEBEAST.JP
Source: HYPE BEAST