次章への挑戦：ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド

伝説的なヒップホップ・グループ NITRO MICROPHONE UNDERGROUND（ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド）が再び始動し、前作『SHUTTA』に続くデジタルシングル『Day One』が本日12月10日（水）に『Hypebeast（ハイプビースト）』の展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak（ハイプトラック）」から配信リリースとなった。プロデュースは引き続き、DJ WATARAI（DJ ワタライ）が手がけ、リリックに「BACK IN TIME」と現れるようにエモいブーンバップ仕様で、ヒップホップと出会った頃の初期衝動を刺激する、“あの頃”の宇田川町すら回想できる描写となっている。本稿ではDJ WATARAI、ニトロメンバーのDABO（ダボ）、MACKA-CHIN（マッカチン）へのインタビューも交えながら進めていきたい。

「僕の中で“原点回帰”というキーワードがすごく強かったんです。やっぱりニトロって、マイクリレーがバチバチに絡み合う瞬間が一番映えるし、会場が一気に爆発するあの感じをもう一度しっかり味わいたくて。ステージでこの曲が鳴ったときに、フロアがどう揺れるか、そんなものを目指しました」（DJ WATARAI）

原点回帰といえば、『SHUTTA』の斜に構えた実にニトロらしい闘気も同様のことが言える。一部「怒りすぎでは？」と眉根にしわを寄せるような声も散見されたが、再始動のインパクトとしては痛快な潔さを携えた楽曲という見方もできるだろう。

「我々もいい大人じゃないですか。『ちょっとガキっぽいかな？』って思ったけど、やっぱりあの頃のニトロを感じてもらいたいというかね。実際YouTubeで公開したMVのコメ欄にも『ニトロってこれだよな』『おじさんになってもカッコよすぎるだろ』みたいな評価が多くて、まあ悪い気はしない。『どうしよっか？』って悩みを振り切った結果というか、潔さが評価につながったんじゃないかな。最近は顔の見えない批評家気取りのネットユーザーから『見損ないました』とか『裏切られました』とか言われることがあるんだけど、いやいや待ってくれ、そもそもニトロなんてろくでもない連中が集まって音楽やっているんだが、ってところでさ（笑）。そういうところに向けて放った曲でもあるんで、正直スカッとはしたよ」（DABO）

DABOは『SHUTTA』の反響を上記のように述べたが、今作の『Day One』は『SHUTTA』とはまた違うアプローチでのニトロイズムを感じさせるマイクリレーだ。楽曲はDABO→MACKA-CHIN→XBS→GORE-TEXと続き、過去を振り返りながらも現在のNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの存在を誇るという頼もしさに満ちあふれている。

1 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

2 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

3 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

4 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

「ニトロの曲は誰かが（リリックを）書き始めて、そのテーマにほかのみんながついてく、ってやり方がいまだに主流なのね。だいたい一番最初に書き上げるのって俺かDELIかBIGZAMなんだけど、ここ最近は俺が一番先に書き終えることが多くってさ、自然とヴァースも一番最初になるんだよね。まさに『Day One』もそうなったんだけど、ワタさんのビートを聴いた瞬間にエモみを感じてしまい、それを活かすにはエモみのあるブーンバップ・スタイルだなと。そこから流れで“あの頃感”が自分の中で募っていった感じ。『衝動はパワー／情熱の薔薇』って歌ってるんだけど、そういった意味でも『Day One』は初期衝動の歌かな。若けりゃ偉いとは言わないけど、若さの尊さってのは年齢を重ねれば重ねるほど感じるものだからね」（DABO）

「俺以外は過去を振り返ってラップしてるけど、自分は今もこうして好きなことをやり続けられている心の強さだったり尊さのようなものを盛り込んで歌ってる。BACK IN THE DAYもいいけど、個人的にはNOW ON SALEやNOW ON STREET的なテーマでリリックを書いていて、あの頃のエモさもありつつ、今現在でもアップデートされているニトロを表現したい気持ちが強かったんだよね」（MACKA-CHIN）

「トラックに関しては、やはりニトロのファースト・アルバムの空気感は絶対に外せないなと思いまして、デビュー当時の荒々しくて生々しい熱を土台にしつつ、今の時代のサウンドでアップデートしたらどうなるんだろう？ ってところからスタートしました。まず自分が“このトラックでやりたい”って強く思ったビートを投げて、そこにメンバーが乗ってきてくれまして、このコンセプトを付けてくれた感じですね」（DJ WATARAI）

1 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

2 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

3 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

4 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

5 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが始動した2000年代は、まだネットの発展はおろか、SNSも皆無の時代だった。その反動か、SNSが全盛期を迎えても、ニトロのメンバーのほとんどはSNSの使用に懐疑的だったように思う。しかし、2020年代に突入し、彼らはインプットしてきた知識や、築き上げてきた歴史をアウトプットしている。つまり、『Day One』は昔を懐かしむだけの作用ではなく、彼らなりの次章へ向けた決意のひとつにも思えるのだ。

「ニトロは東京らしい洗練された空気感が最大の武器のひとつ。それでいてメンバー一人ひとりが強烈な個性を放ってるから、グループとして見ても“まとまってるのにバラバラ”という絶妙なバランスが成立してるんですよね。そして、どんな時代のトレンドもいったん自分たちのフィルターに通してから吐き出すところ。流行を追いかけるんじゃなくて、流行を“彼ら色”に染め直す。だから聴くたびに“今”を感じつつ、どこかタイムレスな魅力も同時に味わえる。これがNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの最強の魅力だと思います」（DJ WATARAI）

「アルバムの構想？　特にビジョンを持って制作してるわけでもないんだけど、5～6曲は手を付けてる感じかな。まあ、これから後半戦だよね。『ビジョンを持ってない』って言うのもさ、なんかほかのメンバーも含め、素直にラップできちゃってるのよ、今。虚勢を張らず素直にラップできてるっつーかね。その感覚を落とし込めばさ、ピュアなNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのアルバムになるんじゃないかなって思ってる」（DABO）

「作ったら横に置いといて、また曲作って、みたいな感じでどんどん曲は増えていってる。中途半端とかじゃなく、これって音楽としてはすごく健全じゃんと思ってて。とりあえず曲たまったからアルバムに入れとくか？ みたいな感覚でもなくて、結果的にニトロらしい曲がまとまっていくんだよね。それをパッケージして、最後まで首を振りながら聴くことができたら最高だよね。『あー、もうこれエモくなるじゃん』『じゃあエモいリリック入れちゃおうよ』のダブルソフトみたいな感じ。今は『SHUTTA』と『Day One』の2曲だけど、4月のワンマンに向けて月イチペースでシングルは配信していく予定です」（MACKA-CHIN）

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

今回の取材で、フルサイズのアルバムとしては2022年の『SE7EN』以来となる新作がアナウンスされたNITRO MICROPHONE UNDERGROUND。そして、同時期開催予定のワンマンライブ。今後『Hypebeast』では、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが築き上げてきた歴史を振り返る記事を公開予定だ。新作、そしてワンマンを待機するまで、じっくりその功績を復習していきたい。

【Behind the Words】
新作『Day One』のミュージックビデオを手がけたHirotaka Shimizu（ENDSOUT inc.）、アートワークの題字を描画した書道家の万美両氏のコメントが届いたので紹介しよう。

「ニトロは常に偉大で尊敬するパイセンなので、背筋が伸びる思いで参加させていただきました。映像は90年代の初期衝動と青い記憶を静かに振り返りながら、その熱を現代の子どもたちへ受け渡すという『Day One』のコンセプトを意識して制作しました。外界の音が吸い込まれるような自然の中でのリップシンク・シーンは、周囲の喧噪から切り離された“内なる声”を象徴させ、渋谷で雌雄に遊ぶ若者の姿には、過去の自分たちの姿、あるいは現代に息づく新たな初期衝動なのかを、あえて曖昧に表現しました」（Hirotaka Shimizu）

「私が最初に聴いたヒップホップはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDでした。小学校5年生の時にDABOさんのラップを耳にし、日本のラップシーンに興味を抱きました。声質やフロウがメンバーそれぞれ個性的なので、誰がどのヴァースを蹴っているかを一生懸命記憶した思い出があるくらいです。今回アートワークに参加させていただき、楽曲のコンセプトである“エモさ”を全面に押し出すことを意識しました。昔懐かしい安心感とヒップホップならではのトガりや初期衝動を演出したく、墨のチラシやカスレを入れて表現しました」（万美）

© Nitrich

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND『Day One』
レーベル：NITRICH
リリース日：2025年12月10日（水）
フォーマット：デジタル配信
『Spotify』『Apple Music』ほか各種ストリーミングサービスにて順次開始
配信リンク

また、『Day One』のリリースを記念したカプセルコレクションが12月19日（金）よりオフィシャルオンラインストアにて販売開始。今作のジャケットを手がけた書道家・万美によるアートワークをプリントしたショートスリーブTシャツ（7,700円）、ロングスリーブTシャツ（8,800円）、スウェットフーディ（15,400円）に加え、ステッカー4枚セット（2,200円、全て税込）がラインアップ。どのアイテムも数量限定での販売となるため、この機会をぜひお見逃しなく。

伝説的なヒップホップ・グループ NITRO MICROPHONE UNDERGROUND（ニトロ・マイクロフォン・アンダーグラウンド）が再び始動し、前作『SHUTTA』に続くデジタルシングル『Day One』が本日12月10日（水）に『Hypebeast（ハイプビースト）』の展開する音楽ディストリビューション・レーベルブランド「Hypetrak（ハイプトラック）」から配信リリースとなった。プロデュースは引き続き、DJ WATARAI（DJ ワタライ）が手がけ、リリックに「BACK IN TIME」と現れるようにエモいブーンバップ仕様で、ヒップホップと出会った頃の初期衝動を刺激する、“あの頃”の宇田川町すら回想できる描写となっている。本稿ではDJ WATARAI、ニトロメンバーのDABO（ダボ）、MACKA-CHIN（マッカチン）へのインタビューも交えながら進めていきたい。

「僕の中で“原点回帰”というキーワードがすごく強かったんです。やっぱりニトロって、マイクリレーがバチバチに絡み合う瞬間が一番映えるし、会場が一気に爆発するあの感じをもう一度しっかり味わいたくて。ステージでこの曲が鳴ったときに、フロアがどう揺れるか、そんなものを目指しました」（DJ WATARAI）

原点回帰といえば、『SHUTTA』の斜に構えた実にニトロらしい闘気も同様のことが言える。一部「怒りすぎでは？」と眉根にしわを寄せるような声も散見されたが、再始動のインパクトとしては痛快な潔さを携えた楽曲という見方もできるだろう。

「我々もいい大人じゃないですか。『ちょっとガキっぽいかな？』って思ったけど、やっぱりあの頃のニトロを感じてもらいたいというかね。実際YouTubeで公開したMVのコメ欄にも『ニトロってこれだよな』『おじさんになってもカッコよすぎるだろ』みたいな評価が多くて、まあ悪い気はしない。『どうしよっか？』って悩みを振り切った結果というか、潔さが評価につながったんじゃないかな。最近は顔の見えない批評家気取りのネットユーザーから『見損ないました』とか『裏切られました』とか言われることがあるんだけど、いやいや待ってくれ、そもそもニトロなんてろくでもない連中が集まって音楽やっているんだが、ってところでさ（笑）。そういうところに向けて放った曲でもあるんで、正直スカッとはしたよ」（DABO）

DABOは『SHUTTA』の反響を上記のように述べたが、今作の『Day One』は『SHUTTA』とはまた違うアプローチでのニトロイズムを感じさせるマイクリレーだ。楽曲はDABO→MACKA-CHIN→XBS→GORE-TEXと続き、過去を振り返りながらも現在のNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの存在を誇るという頼もしさに満ちあふれている。

1 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

2 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

3 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

4 of 4

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

「ニトロの曲は誰かが（リリックを）書き始めて、そのテーマにほかのみんながついてく、ってやり方がいまだに主流なのね。だいたい一番最初に書き上げるのって俺かDELIかBIGZAMなんだけど、ここ最近は俺が一番先に書き終えることが多くってさ、自然とヴァースも一番最初になるんだよね。まさに『Day One』もそうなったんだけど、ワタさんのビートを聴いた瞬間にエモみを感じてしまい、それを活かすにはエモみのあるブーンバップ・スタイルだなと。そこから流れで“あの頃感”が自分の中で募っていった感じ。『衝動はパワー／情熱の薔薇』って歌ってるんだけど、そういった意味でも『Day One』は初期衝動の歌かな。若けりゃ偉いとは言わないけど、若さの尊さってのは年齢を重ねれば重ねるほど感じるものだからね」（DABO）

「俺以外は過去を振り返ってラップしてるけど、自分は今もこうして好きなことをやり続けられている心の強さだったり尊さのようなものを盛り込んで歌ってる。BACK IN THE DAYもいいけど、個人的にはNOW ON SALEやNOW ON STREET的なテーマでリリックを書いていて、あの頃のエモさもありつつ、今現在でもアップデートされているニトロを表現したい気持ちが強かったんだよね」（MACKA-CHIN）

「トラックに関しては、やはりニトロのファースト・アルバムの空気感は絶対に外せないなと思いまして、デビュー当時の荒々しくて生々しい熱を土台にしつつ、今の時代のサウンドでアップデートしたらどうなるんだろう？ ってところからスタートしました。まず自分が“このトラックでやりたい”って強く思ったビートを投げて、そこにメンバーが乗ってきてくれまして、このコンセプトを付けてくれた感じですね」（DJ WATARAI）

1 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

2 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

3 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

4 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

5 of 5

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが始動した2000年代は、まだネットの発展はおろか、SNSも皆無の時代だった。その反動か、SNSが全盛期を迎えても、ニトロのメンバーのほとんどはSNSの使用に懐疑的だったように思う。しかし、2020年代に突入し、彼らはインプットしてきた知識や、築き上げてきた歴史をアウトプットしている。つまり、『Day One』は昔を懐かしむだけの作用ではなく、彼らなりの次章へ向けた決意のひとつにも思えるのだ。

「ニトロは東京らしい洗練された空気感が最大の武器のひとつ。それでいてメンバー一人ひとりが強烈な個性を放ってるから、グループとして見ても“まとまってるのにバラバラ”という絶妙なバランスが成立してるんですよね。そして、どんな時代のトレンドもいったん自分たちのフィルターに通してから吐き出すところ。流行を追いかけるんじゃなくて、流行を“彼ら色”に染め直す。だから聴くたびに“今”を感じつつ、どこかタイムレスな魅力も同時に味わえる。これがNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDの最強の魅力だと思います」（DJ WATARAI）

「アルバムの構想？　特にビジョンを持って制作してるわけでもないんだけど、5～6曲は手を付けてる感じかな。まあ、これから後半戦だよね。『ビジョンを持ってない』って言うのもさ、なんかほかのメンバーも含め、素直にラップできちゃってるのよ、今。虚勢を張らず素直にラップできてるっつーかね。その感覚を落とし込めばさ、ピュアなNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのアルバムになるんじゃないかなって思ってる」（DABO）

「作ったら横に置いといて、また曲作って、みたいな感じでどんどん曲は増えていってる。中途半端とかじゃなく、これって音楽としてはすごく健全じゃんと思ってて。とりあえず曲たまったからアルバムに入れとくか？ みたいな感覚でもなくて、結果的にニトロらしい曲がまとまっていくんだよね。それをパッケージして、最後まで首を振りながら聴くことができたら最高だよね。『あー、もうこれエモくなるじゃん』『じゃあエモいリリック入れちゃおうよ』のダブルソフトみたいな感じ。今は『SHUTTA』と『Day One』の2曲だけど、4月のワンマンに向けて月イチペースでシングルは配信していく予定です」（MACKA-CHIN）

Behind The Scenes: 『 Day One 』 Music Video – Photo by Takasuke Hoshina

今回の取材で、フルサイズのアルバムとしては2022年の『SE7EN』以来となる新作がアナウンスされたNITRO MICROPHONE UNDERGROUND。そして、同時期開催予定のワンマンライブ。今後『Hypebeast』では、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDが築き上げてきた歴史を振り返る記事を公開予定だ。新作、そしてワンマンを待機するまで、じっくりその功績を復習していきたい。

【Behind the Words】
新作『Day One』のミュージックビデオを手がけたHirotaka Shimizu（ENDSOUT inc.）、アートワークの題字を描画した書道家の万美両氏のコメントが届いたので紹介しよう。

「ニトロは常に偉大で尊敬するパイセンなので、背筋が伸びる思いで参加させていただきました。映像は90年代の初期衝動と青い記憶を静かに振り返りながら、その熱を現代の子どもたちへ受け渡すという『Day One』のコンセプトを意識して制作しました。外界の音が吸い込まれるような自然の中でのリップシンク・シーンは、周囲の喧噪から切り離された“内なる声”を象徴させ、渋谷で雌雄に遊ぶ若者の姿には、過去の自分たちの姿、あるいは現代に息づく新たな初期衝動なのかを、あえて曖昧に表現しました」（Hirotaka Shimizu）

「私が最初に聴いたヒップホップはNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDでした。小学校5年生の時にDABOさんのラップを耳にし、日本のラップシーンに興味を抱きました。声質やフロウがメンバーそれぞれ個性的なので、誰がどのヴァースを蹴っているかを一生懸命記憶した思い出があるくらいです。今回アートワークに参加させていただき、楽曲のコンセプトである“エモさ”を全面に押し出すことを意識しました。昔懐かしい安心感とヒップホップならではのトガりや初期衝動を演出したく、墨のチラシやカスレを入れて表現しました」（万美）

© Nitrich

NITRO MICROPHONE UNDERGROUND『Day One』
レーベル：NITRICH
リリース日：2025年12月10日（水）
フォーマット：デジタル配信
『Spotify』『Apple Music』ほか各種ストリーミングサービスにて順次開始
配信リンク

また、『Day One』のリリースを記念したカプセルコレクションが12月19日（金）よりオフィシャルオンラインストアにて販売開始。今作のジャケットを手がけた書道家・万美によるアートワークをプリントしたショートスリーブTシャツ（7,700円）、ロングスリーブTシャツ（8,800円）、スウェットフーディ（15,400円）に加え、ステッカー4枚セット（2,200円、全て税込）がラインアップ。どのアイテムも数量限定での販売となるため、この機会をぜひお見逃しなく。