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3年ぶりの上海、どこへ行こう【vol.24 ニイハオ、ザイチェン】

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琥珀色の街でのファッション探訪

3年ぶりの琥珀色の街。出口が見えないトンネルのような、果てしなく狂おしいコロナ禍の日々を過ごしたリバーサイドホテルに着くと、「お帰りなさい」と懐かしい声が迎えてくれた。下ろしたばかりの「BACK TO THE 琥珀色の街」Tシャツに袖を通し、金属のメタルの部屋のドアを閉めて外へ出る。

「BACK TO THE 琥珀色の街」Tシャツ

「BACK TO THE 琥珀色の街」Tシャツ

Image by: Hideaki Sato

中国の建国を祝う大型連休「国慶節」が明けた10月の半ば。カレンダーではすっかり秋のはずなのに気温は32度。真夏のピークは全く去っていない。排気ガスと雨上がりの匂いが、地面と記憶の底からゆっくりと立ちのぼる。

プラタナスの影がアスファルトを縞模様にし、焼き小龍包の油の匂いが風に混ざっていく。公園のスピーカーから流れるスローバラードに合わせて、老人たちがゆるやかに太極拳を踊り、黄色や赤のヘルメットをかぶった若者たちは電動バイクにまたがって大声で話している。そんな音と匂いの粒子が、この街の想像以上の騒がしさを思い出させてくれる。

海外に来たら、まずは異国で日本の代表として戦うブランドたちに会いに行く。デザインと価格、生地とステッチ、その一つひとつを指先で確かめてから現地のブランドを見ると、文化の距離や感性の差異が静かに浮かび上がってくる気がするからだ。

Snow Peak

街角に転がるレンタサイクルを拾って、QRコードを読み取りペダルを踏み出す。友人が話していた「ランコム(LANCOME)」との白いコラボ自転車は見つからなかったが、どこに行こうかは決めてある。

LANCOMEとHelloRideがコラボした白い自転車

タイヤでアスファルトを切りつけながら、上海の心臓部、静安区*のケリーセンター(JING AN KERRY CENTRE)へ向かう。

*静安区
上海市の市街地中心部に位置する区。区の名称は「静安寺」に由来しており、古くから高級住宅街や商業地として栄え、現在も日本人を含む多くの外国人が住むエリア。

まず迎えてくれたのは2025年1月にオープンしたばかりの「スノーピーク」。昼下がりの陽を受けて、壁面の金属がわずかに青を帯びて光り、「HOME⇄CAMP」と書かれたディスプレイが目に入る。その静かな反射に吸い込まれるように、店内に足を踏み入れる。

1階には無垢の白木のカウンターとスチールのポットから立ちのぼる湯気。まるで森の朝を思わせるその風景と香りに、時間が少しだけゆるむ。2階にはテント、テーブル、焚き火台、そして機能的なアパレルが並ぶ。

コロナ禍を境に

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