国境を超えるジャクソンワンの輝きを放つ生き様

2017年にソロ活動を本格始動させ、ファッションアイコンとしてもその名を轟かせている中国出身のジャクソン・ワン（Jackson Wang）。SNSでの総フォロワー数は1億人を超え、音楽界、そしてファッション界でも強い影響力を誇る圧倒的なカリスマ性で世界中のファンを魅了している。

同年には、ファッションブランドや音楽制作を軸にする自身のレーベル「TEAM WANG（チーム ワン）」を立ち上げ、アジアのみならず、アメリカやヨーロッパでも高い評価を獲得。その盛り上がりに、〈Louis Vuitton（ルイ・ヴィトン）〉や〈Cartier（カルティエ）〉といったラグジュアリーブランドのグローバル・アンバサダーとして活動してきた経歴を持ち、2024年に〈NIKE（ナイキ）〉と〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉のクリエイティブ・ディレクターに任命された。

また、アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル（Coachella Valley Music and Arts Festival）」に、中国人アーティストとして初めて3年連続で出演するなど音楽シーンでも話題を呼び続けている。2週間で約25万人を動員した「Coachella 2024」では、世界中の観客を前に平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人からなるNumber_i（ナンバーアイ）とのステージで堂々とパフォーマンスし、さらに注目を集めた。

4月16日（水）にリリースされた88risingとNumber_iのコラボレーション楽曲“GBAD (Number_i Remix)”は、『iTunes』の世界ランキングで1位を獲得し、『YouTube』に公開されたミュージックビデオは、わずか3日間で100万回再生を突破。アジアからの新たな音楽ムーブメントとして際立った存在となっている。アジアのアーティストたちが、英語圏を含むグローバル市場においてこれほどまでの反響を得るのは決して当たり前ではない。

Number_iとのコラボレーション楽曲の制作秘話や、音楽とファッションシーンで多彩な活動を展開するアジア人アーティストとしての視点、日本での新たな挑戦に対する熱い思いに『Hypebeast Japan』が迫る。

まず、音楽をはじめたきっかけを教えてください。

音楽は小さい頃からずっと好きでした。きっかけになったひとつは、母がマイケル・ジャクソン（Michael Jackson）のDVDを買ってくれたこと。それを観たときにすごく衝撃を受けたのを覚えています。あとは、学校で友だちがいろんな音楽を聴いていて、その流れで自然と自分も興味を持つようになりました。このふたつが自分にとって音楽との最初の接点だと思います。

インスピレーションはどこから得ていますか？

子どもの頃は、漠然と「クールでイケてるやつになりたい」という気持ちが常にありました。ただ、20代後半から30代にかけて、その「イケてる」に対して少しずつ価値観が変化してきたように思います。今までデビューしてから12年間ずっと走り続けてきましたが、昨年まとまった休みを初めて取り、自分と向き合う時間を設けました。その期間中は、音楽や自分が本当に好きなこと、社会や業界、リアリティ、そして人生そのものについて深く考えられました。自分自身に問いかけたのは「イケてる」とは何か？ということでした。辿り着いたひとつの答えは、ありのままの自分を受け入れ、それを誇りに思うことです。この気づきのおかげで、音楽は自分という存在の表現であるべきだと強く思うようになりました。自分が見てきたもの、感じてきたこと、経験してきたこと──そういったすべてを、できるだけ正直に、誠実に音楽に表現していくことができれば、その音楽は真のオリジナルになるのだと。だからこそ、今年7月リリース予定のアルバム『MAGIC MAN 2』では、そういう「思い」を込めて形にしようと考えています。

影響を受けている人はいますか？

周囲にいる人たちの存在が本当に大事だと感じています。特に、移動やツアー中、その他のことでも、ほとんどの時間を共に過ごしている「チーム」のメンバーです。チームの活力や気力が日々の創作や活動の支えになっていると言えます。

K-POPがかつてない人気を誇っている現在の音楽シーンについて“アジア人”としてどう思っていますか？

僕たちは「エンターテインメント」である、ファッション、アート、音楽、ダンス、スポーツなどといった大きな枠の中にいるので、この「エンターテインメント」こそが、世界共通の言語なんじゃないかと思います。アジア人であるとか、ヨーロッパ人だとか、アメリカ人であるとか、そういった国籍やバックグラウンドなどの境界線はないと思うんです。なので、僕は常に世界を旅して、学び、同時に自分の表現を研ぎ澄まして音楽に反映しています。それが、僕がずっと大切にしている姿勢です。

楽曲”GBAD”をNumber_iとコラボレーションした経緯について教えてください。

初めてNumber_iとコラボレーションしたのは、昨年の「Coachella 2024」でした。そこから関係がスタートして、やり取りを重ねる中で、自然とお互いに距離が近づいていったんです。そして今回、2度目のコラボレーションを実現することができました。これからも3回目、4回目と続けていきたいと思っています。1つのプロジェクトを重ねる中で、さらに信頼が深まり、自然と次のステップへと進んでいる感覚があります。

歌詞にある「life is great（人生最高）」という皮肉めいたフレーズがありますが、最高な人生に必要なことはなんでしょうか？

（英語で）人生は素晴らしいものだと無理に思い込む必要はないと思っています。なぜなら、そもそも（日本語に切り替えて）人生は本当にパーフェクトだからです。でも、生きていく中で「嫌なヤツ」になければならない場面もあります。（英語で）それは、本質的に「嫌なヤツ」になるという意味ではなく、自分自身の境界線を守るために必要な行動だと思うんです。

〈Cartier〉や〈Louis Vuitton〉のアンバサダー、 〈NIKE〉と〈Jordan Brand〉のブランドのクリエイティブ・ディレクターを務め、ブランド「TEAM WANG」を立ち上げるなど、ファッションにも力を入れていると思いますが、ファッションと音楽の関係性についてどう考えていますか？

ファッションや音楽などは、エンターテインメントという大きな傘のようなもので、その傘の中にあることはお互いに欠かせなく、どちらかが欠けると成り立たない関係性にあるのです。人は、それぞれにバックグラウンドと感性を持っているので、飾らずに自分らしさを表現することで、その人にしか生み出せない輝きを放つと信じています。

ご自身のルーツやカルチャーをどのように「TEAM WANG」に落とし込んでいるのでしょうか？

よく、コンセプトやどんなアートから影響を受けてるのかを聞かれるんですけど、「TEAM WANG」のデザインは、僕が表現したいと思ったことを、そのままかたちにしているんです。ただ、やりたいことを続けているだけで、このプロジェクトは僕にとって商業的なブランドというよりも、パーソナルな小さなラボみたいに考えています。小さなチームなのでフレキシブルで動きも早く、状況に応じてすぐに軌道修正できますが、逆に言えば、1人が10人分くらいの働きで常に全力なのでみんなめちゃくちゃ疲れてます（笑）。

最近のマイブームなファッションスタイルや気になっているトレンドはありますか？

『Hypebeast』のスタイルには、昔からすごく影響を受けています。常にチェックしていて、自分にとってはまさにアイコンのような存在。次に何が来るのか？何が今一番ホットなのか？──そういう感覚を教えてくれる、まさにレジェンド的なメディアだと思っています。子どもの頃からずっと、そういった「次のカルチャー」を追いかけることが好きでした。最近のマイブームを強いて言うのであれば、アクセサリーにこだわっています。

以前答えていたインタビューで、日々をパワフルに送るための秘訣は3時間の睡眠時間だと答えていましたが、今はどうでしょうか？

（英語で）30歳を過ぎてから、本当に身体の変化を実感しています。流石にもう3時間の睡眠では全力は出せないです（笑）。（日本語に切り替えて）『Hypebeast』の読者の皆さん、（英語で）特に10代、20代の方に伝えたいことがあります。もし思い切り遊べる時間があるなら、ぜひその瞬間を全力で楽しんでほしいです。というのも、30歳を過ぎると、たとえ気持ちはまだ若くても、身体が自然とブレーキをかけてくるんですよね。若いときにしかできないことが、確実にあります。

「you only live once（人生は1度きり）」 – “GBAD (Number_i Remix)”

今、一番気になっている場所はどこですか？

実はエジプトにはまだ1度も行ったことがなくて、観光というよりは、休暇で行ってみたいと思っています。

それから、もう1度福岡にも行きたいです。11年前、自分がグループで日本デビューしたばかりの頃にツアーで訪れた場所で、すごく印象に残っています。小さな屋台で食べた博多ラーメンが、本当に美味しくて。

日本で挑戦してみたいことはありますか？

東京、日本は僕にとって特別な場所だと感じています。数え切れないくらい来ていて、日本で音楽を作ったり、街を楽しんだりしているから。ここで出会った友達や、「TEAM WANG」の仲間たち、そしてコミュニティが、僕にインスピレーションを与えてくれています。もし機会があれば、もっと日本でも積極的に活動していきたいです。

2017年にソロ活動を本格始動させ、ファッションアイコンとしてもその名を轟かせている中国出身のジャクソン・ワン（Jackson Wang）。SNSでの総フォロワー数は1億人を超え、音楽界、そしてファッション界でも強い影響力を誇る圧倒的なカリスマ性で世界中のファンを魅了している。

同年には、ファッションブランドや音楽制作を軸にする自身のレーベル「TEAM WANG（チーム ワン）」を立ち上げ、アジアのみならず、アメリカやヨーロッパでも高い評価を獲得。その盛り上がりに、〈Louis Vuitton（ルイ・ヴィトン）〉や〈Cartier（カルティエ）〉といったラグジュアリーブランドのグローバル・アンバサダーとして活動してきた経歴を持ち、2024年に〈NIKE（ナイキ）〉と〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉のクリエイティブ・ディレクターに任命された。

また、アメリカ最大級の音楽フェス「コーチェラ・バレー・ミュージック・アンド・アーツ・フェスティバル（Coachella Valley Music and Arts Festival）」に、中国人アーティストとして初めて3年連続で出演するなど音楽シーンでも話題を呼び続けている。2週間で約25万人を動員した「Coachella 2024」では、世界中の観客を前に平野紫耀、岸優太、神宮寺勇太の3人からなるNumber_i（ナンバーアイ）とのステージで堂々とパフォーマンスし、さらに注目を集めた。

4月16日（水）にリリースされた88risingとNumber_iのコラボレーション楽曲“GBAD (Number_i Remix)”は、『iTunes』の世界ランキングで1位を獲得し、『YouTube』に公開されたミュージックビデオは、わずか3日間で100万回再生を突破。アジアからの新たな音楽ムーブメントとして際立った存在となっている。アジアのアーティストたちが、英語圏を含むグローバル市場においてこれほどまでの反響を得るのは決して当たり前ではない。

Number_iとのコラボレーション楽曲の制作秘話や、音楽とファッションシーンで多彩な活動を展開するアジア人アーティストとしての視点、日本での新たな挑戦に対する熱い思いに『Hypebeast Japan』が迫る。

まず、音楽をはじめたきっかけを教えてください。

音楽は小さい頃からずっと好きでした。きっかけになったひとつは、母がマイケル・ジャクソン（Michael Jackson）のDVDを買ってくれたこと。それを観たときにすごく衝撃を受けたのを覚えています。あとは、学校で友だちがいろんな音楽を聴いていて、その流れで自然と自分も興味を持つようになりました。このふたつが自分にとって音楽との最初の接点だと思います。

インスピレーションはどこから得ていますか？

子どもの頃は、漠然と「クールでイケてるやつになりたい」という気持ちが常にありました。ただ、20代後半から30代にかけて、その「イケてる」に対して少しずつ価値観が変化してきたように思います。今までデビューしてから12年間ずっと走り続けてきましたが、昨年まとまった休みを初めて取り、自分と向き合う時間を設けました。その期間中は、音楽や自分が本当に好きなこと、社会や業界、リアリティ、そして人生そのものについて深く考えられました。自分自身に問いかけたのは「イケてる」とは何か？ということでした。辿り着いたひとつの答えは、ありのままの自分を受け入れ、それを誇りに思うことです。この気づきのおかげで、音楽は自分という存在の表現であるべきだと強く思うようになりました。自分が見てきたもの、感じてきたこと、経験してきたこと──そういったすべてを、できるだけ正直に、誠実に音楽に表現していくことができれば、その音楽は真のオリジナルになるのだと。だからこそ、今年7月リリース予定のアルバム『MAGIC MAN 2』では、そういう「思い」を込めて形にしようと考えています。

影響を受けている人はいますか？

周囲にいる人たちの存在が本当に大事だと感じています。特に、移動やツアー中、その他のことでも、ほとんどの時間を共に過ごしている「チーム」のメンバーです。チームの活力や気力が日々の創作や活動の支えになっていると言えます。

K-POPがかつてない人気を誇っている現在の音楽シーンについて“アジア人”としてどう思っていますか？

僕たちは「エンターテインメント」である、ファッション、アート、音楽、ダンス、スポーツなどといった大きな枠の中にいるので、この「エンターテインメント」こそが、世界共通の言語なんじゃないかと思います。アジア人であるとか、ヨーロッパ人だとか、アメリカ人であるとか、そういった国籍やバックグラウンドなどの境界線はないと思うんです。なので、僕は常に世界を旅して、学び、同時に自分の表現を研ぎ澄まして音楽に反映しています。それが、僕がずっと大切にしている姿勢です。

楽曲”GBAD”をNumber_iとコラボレーションした経緯について教えてください。

初めてNumber_iとコラボレーションしたのは、昨年の「Coachella 2024」でした。そこから関係がスタートして、やり取りを重ねる中で、自然とお互いに距離が近づいていったんです。そして今回、2度目のコラボレーションを実現することができました。これからも3回目、4回目と続けていきたいと思っています。1つのプロジェクトを重ねる中で、さらに信頼が深まり、自然と次のステップへと進んでいる感覚があります。

歌詞にある「life is great（人生最高）」という皮肉めいたフレーズがありますが、最高な人生に必要なことはなんでしょうか？

（英語で）人生は素晴らしいものだと無理に思い込む必要はないと思っています。なぜなら、そもそも（日本語に切り替えて）人生は本当にパーフェクトだからです。でも、生きていく中で「嫌なヤツ」になければならない場面もあります。（英語で）それは、本質的に「嫌なヤツ」になるという意味ではなく、自分自身の境界線を守るために必要な行動だと思うんです。

〈Cartier〉や〈Louis Vuitton〉のアンバサダー、 〈NIKE〉と〈Jordan Brand〉のブランドのクリエイティブ・ディレクターを務め、ブランド「TEAM WANG」を立ち上げるなど、ファッションにも力を入れていると思いますが、ファッションと音楽の関係性についてどう考えていますか？

ファッションや音楽などは、エンターテインメントという大きな傘のようなもので、その傘の中にあることはお互いに欠かせなく、どちらかが欠けると成り立たない関係性にあるのです。人は、それぞれにバックグラウンドと感性を持っているので、飾らずに自分らしさを表現することで、その人にしか生み出せない輝きを放つと信じています。

ご自身のルーツやカルチャーをどのように「TEAM WANG」に落とし込んでいるのでしょうか？

よく、コンセプトやどんなアートから影響を受けてるのかを聞かれるんですけど、「TEAM WANG」のデザインは、僕が表現したいと思ったことを、そのままかたちにしているんです。ただ、やりたいことを続けているだけで、このプロジェクトは僕にとって商業的なブランドというよりも、パーソナルな小さなラボみたいに考えています。小さなチームなのでフレキシブルで動きも早く、状況に応じてすぐに軌道修正できますが、逆に言えば、1人が10人分くらいの働きで常に全力なのでみんなめちゃくちゃ疲れてます（笑）。

最近のマイブームなファッションスタイルや気になっているトレンドはありますか？

『Hypebeast』のスタイルには、昔からすごく影響を受けています。常にチェックしていて、自分にとってはまさにアイコンのような存在。次に何が来るのか？何が今一番ホットなのか？──そういう感覚を教えてくれる、まさにレジェンド的なメディアだと思っています。子どもの頃からずっと、そういった「次のカルチャー」を追いかけることが好きでした。最近のマイブームを強いて言うのであれば、アクセサリーにこだわっています。

以前答えていたインタビューで、日々をパワフルに送るための秘訣は3時間の睡眠時間だと答えていましたが、今はどうでしょうか？

（英語で）30歳を過ぎてから、本当に身体の変化を実感しています。流石にもう3時間の睡眠では全力は出せないです（笑）。（日本語に切り替えて）『Hypebeast』の読者の皆さん、（英語で）特に10代、20代の方に伝えたいことがあります。もし思い切り遊べる時間があるなら、ぜひその瞬間を全力で楽しんでほしいです。というのも、30歳を過ぎると、たとえ気持ちはまだ若くても、身体が自然とブレーキをかけてくるんですよね。若いときにしかできないことが、確実にあります。

「you only live once（人生は1度きり）」 – “GBAD (Number_i Remix)”

今、一番気になっている場所はどこですか？

実はエジプトにはまだ1度も行ったことがなくて、観光というよりは、休暇で行ってみたいと思っています。

それから、もう1度福岡にも行きたいです。11年前、自分がグループで日本デビューしたばかりの頃にツアーで訪れた場所で、すごく印象に残っています。小さな屋台で食べた博多ラーメンが、本当に美味しくて。

日本で挑戦してみたいことはありますか？

東京、日本は僕にとって特別な場所だと感じています。数え切れないくらい来ていて、日本で音楽を作ったり、街を楽しんだりしているから。ここで出会った友達や、「TEAM WANG」の仲間たち、そしてコミュニティが、僕にインスピレーションを与えてくれています。もし機会があれば、もっと日本でも積極的に活動していきたいです。