2024年の ベスト スニーカー 10 選

その年を代表するスニーカー（フットウェア）10足を『Hypebeast Japan』編集部の目線からセレクトする恒例企画 “BEST スニーカー 10 選”。2024年のスニーカーシーンを振り返ると、各メーカーからインライン/コラボレーションモデル問わず、多くの秀作が発表された年だった。例えば、『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Sneaker Collaboration（ベスト スニーカー コラボレーション）”、“Best Footwear Brand（ベスト フットウェア ブランド）”をそれぞれ受賞した〈On（オン）〉x〈POST ARCHIVE FACTION (PAF)（ポスト アーカイブ ファクション、以下PAF）〉と、〈HOKA（ホカ）〉に着目してみよう。

パフォーマンスランニングシューズとウェアを軸とする〈On〉は、これまで〈LOEWE（ロエベ）〉とのコラボレーション、ゼンデイヤ（Zendaya）やFKA ツイッグス（FKA Twigs）といったアーティストを起用したキャンペーンを打ち出すなど、従来までのランニングのイメージを刷新してきた。〈PAF〉とのコラボレーションでは、パフォーマンス寄りのフットウェアのデザインをミニマルにアレンジし、より幅広い層にリーチするモデルを生み出すことに成功。2024年は2度のコラボコレクションを発表し、ファッション業界でも大きな話題となった。

〈HOKA〉はブランドのシグネチャーモデルをシリアスランナー向けとライフスタイルに適した親しみやすいスタイルに棲み分けて展開し、ロード・ランニングやトレイル・ランニングの世界だけでなく、クリエーターやストリートシーンでも支持される存在に。小売パートナーの選択やチャンネルに特化した製品の差別化、市場の飽和状態を防ぐための適度な限定モデルの販売といった戦略も功を奏し、近年着実に成長を遂げている。コラボレーターの選定も独特で、2024年はフランス発のランニングウェアブランド〈SATISFY（サティスファイ）〉やシカゴ発ストリートウェアレーベル〈Hidden Characters（ヒデン キャラクターズ）〉、革新的なコンセプチュアル・デザイナーでありデジタル・クリエイターのニコール・マクラフリン（Nicole McLaughlin）、英国とイランをルーツに持つファッションデザイナー パリア・ファルザネ（Paria Farzaneh）、日本の〈BLACK COMME des GARÇONS（ブラック コム デ ギャルソン）〉や〈Junya Watanabe（ジュンヤ ワタナベ）〉、〈WTAPS（ダブルタップス）〉といった面々とのコラボレーションを発表。また、ショーン・ステューシー（Shawn Stussy）がインスタで絶賛したTOR SUMMIT（トー サミット）をはじめ、インラインのライフスタイルモデルのシルエットの豊富さも注目に値する。

2024年はこの2ブランドを筆頭に、各メーカーがそれそれの強みを活かし、独自の路線を模索し始めた一年だったと言える。世間的には「スニーカーブームは終わった」と言われて久しいが、Hypeなスニーカーや大きなバズを生み出すモデルばかりが注目される時代は終わり、多くのブランドがブレイクの可能性を秘めた健全な状況と言えるかもしれない。本稿ではそんな2024年を代表する10足を『Hypebeast Japan』編集部が独断と偏見でセレクト（*順番は発売日順）。記事の最後には“あなたが選ぶ2024年のベストスニーカーは？”の投票を実施しているので、是非参加してみてほしい。

Air Jordan 4の誕生35周年を記念して製作された本モデルは、〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉の展開する2024年春シーズンの“Retro Collection”のラインアップのひとつとしてリリース。1989年に発表されたOGカラーである“Bred”を“Bred Reimagined”として復刻。“Bred”カラーは過去にも数回復刻されているが、今回の“Bred Reimagined”バージョンではアッパーの素材を上質なフルグレインレザーにアップデートし、AJ4のアニバーサリーイヤーに相応しい特別な仕上がりに。2024年大きな話題となった〈Supreme（シュプリーム）〉x〈MM6 Maison Margiela（エムエム6 メゾン マルジェラ）〉によるコラボコレクションのルックにも使用された。

高い人気を誇るトラヴィス・スコット（Travis Scott）と〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉のタッグから生まれた、彼の記念すべき初シグネチャーモデル。当初Jumpman Jack TR（ジャンプマン ジャック トレーナー）としてゲリラリリースされ、その後CJ1 T-Rexxにモデル名が変更に。Air Trainer 1（エアトレーナー 1）から着想を得たというアッパーのストラップやシルエット、そしてお馴染みの反転スウッシュといった独自のディテールによって、クラシックさと現代性のバランスが絶妙なトラヴィスらしい1足と言える。

スイス発のスポーツブランド〈On〉と韓国発の〈PAF〉との初コラボコレクション “CURRENT FORM 1.0”の一環として発表されたCloudmonster 2 PAF（クラウドモンスター2 PAF）は、〈On〉を代表するランニングシューズ Cloudmonsterファミリーの最新作 Cloudmonster 2をベースにアレンジした1足。最高レベルのクッション性を発揮するCloudTec®ソールはそのままに、アッパーを左右非対称のデザインに変更し、“On”のロゴも控えめに配してミニマルかつ洗練された佇まいに昇華。〈PAF〉のデザイン言語を具現化した本作は、『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Sneaker Collaboration（ベスト スニーカー コラボレーション）”を受賞した。

〈PUMA（プーマ）〉を代表するSPEEDCAT（スピードキャット）は、80年代から90年代にかけてF1™グランプリのドライバーが履いていた耐火レーシングシューズをもとに1999年に誕生したライフスタイルシューズ。ロンドンやベルリン、韓国といった世界の都市で多くの人々に愛用されたオリジナルのSPEEDCATは、現在に至るまで〈PUMA〉のラインアップの中で最も売れたシューズのひとつと言われている。そんなクラシックモデルがSPEEDCAT OGと名を変え、オリジナルのレーシングシルエットと当時のカラーを踏襲して2024年に再デビュー。アッパーにはスウェードを採用し、つま先に“プーマキャット”の刺繍、シュータンとフォームストリップの上にはゴールドのロゴをあしらい、2000年代初頭のレーシングウェアにオマージュを捧げたデザインに。ロープロファイル（薄底）スタイルが世界中のセレブリティやトレンドアイコンたちに支持され、ストリートでも人気を博した。

BMX界のスーパースター ナイジェル・シルベスター（Nigel Sylvester）と〈Jordan Brand〉がタッグを組んで製作したAir Jordan Nigel 4RM（エア ジョーダン ナイジェル 4RM）は2024年で最も話題を呼んだコラボレーションのひとつ。“Grandma’s Driveway”と称されたこのコラボレーションは、ナイジェルの人生の根本を成すインスピレーションに基いてデザインされた。ファーストカラーの“Fence Green”は、ナイジェルの祖母の家のフェンスから着想を得ている。彼にとって家の中と外を分ける存在であったフェンスは、現在世界的なアスリートとなった自分を形成したルーツだと考えているという。もう一方の“Driveway Grey”は、彼の祖母の家の、車庫に通じる私道が着想源。アンスラサイト色のその道で、ナイジェルは自転車に乗る方法を初めて学んだようだ。この傑作コラボについて語ってくれたナイジェルのインタビュー記事も、この機会にぜひチェックしてほしい。

長年チームアップを継続している〈Junya Watanabe MAN（ジュンヤ ワタナベ マン）〉と〈New Balance（ニューバランス）〉のタッグから、2024年秋冬シーズンの新作コラボフットウェアとして登場したのが、モノトーンカラーの1906L。本作は2024年1月のパリ・ファッションウィーク期間中に行われた2024年秋冬コレクション “Reconstructed Suiting”のランウェイで初披露され、同年9月にカラー違いが〈New Balance〉のインラインからデビュー。ベースとなった1906Lは、人気のハイパフォーマンスランニングシューズ 1906をペニーローファーへと再構築したモデル。曲線を描くシンセティック素材のオーバーレイ、かかとに配置されたABZORB SBSポッドを備えた860v2ソールユニットを採用し、快適な履き心地を実現した。〈Junya Watanabe MAN〉とのコラボレーションでは、1906Lのアッパーを従来のメッシュ素材からシンセティックレザーへと変更し、カラーを“ブラック”と“ホワイト”の2色にアレンジ。クラシックな佇まいと機能性を兼ね備えた現代的なペニーローファーは、フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンに対応し、多くの人々に受け入れられた。

近年世界的な人気を誇っている〈adidas Originals（アディダス オリジナルス）〉Samba（サンバ）のラインアップでは、やはり2024年も〈WALES BONNER（ウェールズ・ボナー）〉とのコラボレーションモデルが出色の出来だろう。特に2024年秋冬コレクションのモデルは、クロコ型押し牛革アッパーと手作り感のあるウーブンレザーシュータンでコントラストを演出し、スリーストライプスには上質なヌバックを、装飾ステッチや金色の金属製アグレットを配して高級感のある仕上がりに。2025年はどんなモデルが登場するのか、今から大いに期待したい。

〈ASICS（アシックス）〉のライフスタイルライン〈ASICS SportStyle（アシックススポーツスタイル）〉と、デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするブランド〈Cecilie Bahnsen（セシリー・バンセン）〉によるコラボレーションモデル第4弾。2023年春夏シーズンより続く両者のコラボレーションの最新作は、GEL-FUJITRABUCOシリーズからインスピレーションを得たライフスタイルシューズ GEL-TERRAINをフェミニンな解釈で再構築。アッパーにはリップストップメッシュを採用し、花柄のパーツで装飾を施したエレガントな仕上がりに。カラーはブラック、レッド、セピアの3種類が展開された。

『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Footwear Brand（ベスト フットウェア ブランド）”を受賞した〈HOKA〉。インラインモデルをはじめ数々の傑作を世に送り出した2024年のラインアップから、フランス発のランニングウェアブランド〈SATISFY〉とのコラボレーションモデル Mafate Speed 4 Lite STSFY（マファテ スピード 4 ライト サティスファイ）をセレクト。トレイルランニングで定評のあるMafate Speed 4をベースに一新させた本作は、軽量で透明感のあるアッパーにソフトなマイクロファイバーの履き口、保護性に優れたリップストップナイロン、そしてミッドソールには反応性に優れた2層のProFlyフォームを採用。レース仕様の高機能アッパーと1.5mmのスピードレースシステムにより、圧倒的な軽さとフィット感を実現した。〈SATISFY〉の洗練された美学と〈HOKA〉の革新的なテクノロジーが融合した1足となっている。

〈Jordan Brand〉が2024年に発表したモデルの中でも特に評価が高いのが、Air Jordan 3 “Black Cement”。AJ3のオリジナルは、マイケル・ジョーダン（Michael Jordan）の3代目シグネチャーモデルとして1988年に登場。伝説的なシューズデザイナー ティンカー・ハットフィールド（Tinker Hatfield）の手掛けた初のジョーダンモデルであるAJ3は、アイコニックなJumpmanロゴ、そして特徴的なエレファントプリントを初めて採用したモデルとしても知られている。今回の“Black Cement”は、当時のオリジナルの履き心地やフィット感、シルエットを忠実に再現した1足。AJ3 “Black Cement”はこれまで1994年、2001年、2008年、2011年、2018年に復刻されているが、2024年版の本作が間違いなく「過去最高の出来」と言えるだろう。

その年を代表するスニーカー（フットウェア）10足を『Hypebeast Japan』編集部の目線からセレクトする恒例企画 “BEST スニーカー 10 選”。2024年のスニーカーシーンを振り返ると、各メーカーからインライン/コラボレーションモデル問わず、多くの秀作が発表された年だった。例えば、『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Sneaker Collaboration（ベスト スニーカー コラボレーション）”、“Best Footwear Brand（ベスト フットウェア ブランド）”をそれぞれ受賞した〈On（オン）〉x〈POST ARCHIVE FACTION (PAF)（ポスト アーカイブ ファクション、以下PAF）〉と、〈HOKA（ホカ）〉に着目してみよう。

パフォーマンスランニングシューズとウェアを軸とする〈On〉は、これまで〈LOEWE（ロエベ）〉とのコラボレーション、ゼンデイヤ（Zendaya）やFKA ツイッグス（FKA Twigs）といったアーティストを起用したキャンペーンを打ち出すなど、従来までのランニングのイメージを刷新してきた。〈PAF〉とのコラボレーションでは、パフォーマンス寄りのフットウェアのデザインをミニマルにアレンジし、より幅広い層にリーチするモデルを生み出すことに成功。2024年は2度のコラボコレクションを発表し、ファッション業界でも大きな話題となった。

〈HOKA〉はブランドのシグネチャーモデルをシリアスランナー向けとライフスタイルに適した親しみやすいスタイルに棲み分けて展開し、ロード・ランニングやトレイル・ランニングの世界だけでなく、クリエーターやストリートシーンでも支持される存在に。小売パートナーの選択やチャンネルに特化した製品の差別化、市場の飽和状態を防ぐための適度な限定モデルの販売といった戦略も功を奏し、近年着実に成長を遂げている。コラボレーターの選定も独特で、2024年はフランス発のランニングウェアブランド〈SATISFY（サティスファイ）〉やシカゴ発ストリートウェアレーベル〈Hidden Characters（ヒデン キャラクターズ）〉、革新的なコンセプチュアル・デザイナーでありデジタル・クリエイターのニコール・マクラフリン（Nicole McLaughlin）、英国とイランをルーツに持つファッションデザイナー パリア・ファルザネ（Paria Farzaneh）、日本の〈BLACK COMME des GARÇONS（ブラック コム デ ギャルソン）〉や〈Junya Watanabe（ジュンヤ ワタナベ）〉、〈WTAPS（ダブルタップス）〉といった面々とのコラボレーションを発表。また、ショーン・ステューシー（Shawn Stussy）がインスタで絶賛したTOR SUMMIT（トー サミット）をはじめ、インラインのライフスタイルモデルのシルエットの豊富さも注目に値する。

2024年はこの2ブランドを筆頭に、各メーカーがそれそれの強みを活かし、独自の路線を模索し始めた一年だったと言える。世間的には「スニーカーブームは終わった」と言われて久しいが、Hypeなスニーカーや大きなバズを生み出すモデルばかりが注目される時代は終わり、多くのブランドがブレイクの可能性を秘めた健全な状況と言えるかもしれない。本稿ではそんな2024年を代表する10足を『Hypebeast Japan』編集部が独断と偏見でセレクト（*順番は発売日順）。記事の最後には“あなたが選ぶ2024年のベストスニーカーは？”の投票を実施しているので、是非参加してみてほしい。

Air Jordan 4の誕生35周年を記念して製作された本モデルは、〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉の展開する2024年春シーズンの“Retro Collection”のラインアップのひとつとしてリリース。1989年に発表されたOGカラーである“Bred”を“Bred Reimagined”として復刻。“Bred”カラーは過去にも数回復刻されているが、今回の“Bred Reimagined”バージョンではアッパーの素材を上質なフルグレインレザーにアップデートし、AJ4のアニバーサリーイヤーに相応しい特別な仕上がりに。2024年大きな話題となった〈Supreme（シュプリーム）〉x〈MM6 Maison Margiela（エムエム6 メゾン マルジェラ）〉によるコラボコレクションのルックにも使用された。

高い人気を誇るトラヴィス・スコット（Travis Scott）と〈Jordan Brand（ジョーダン ブランド）〉のタッグから生まれた、彼の記念すべき初シグネチャーモデル。当初Jumpman Jack TR（ジャンプマン ジャック トレーナー）としてゲリラリリースされ、その後CJ1 T-Rexxにモデル名が変更に。Air Trainer 1（エアトレーナー 1）から着想を得たというアッパーのストラップやシルエット、そしてお馴染みの反転スウッシュといった独自のディテールによって、クラシックさと現代性のバランスが絶妙なトラヴィスらしい1足と言える。

スイス発のスポーツブランド〈On〉と韓国発の〈PAF〉との初コラボコレクション “CURRENT FORM 1.0”の一環として発表されたCloudmonster 2 PAF（クラウドモンスター2 PAF）は、〈On〉を代表するランニングシューズ Cloudmonsterファミリーの最新作 Cloudmonster 2をベースにアレンジした1足。最高レベルのクッション性を発揮するCloudTec®ソールはそのままに、アッパーを左右非対称のデザインに変更し、“On”のロゴも控えめに配してミニマルかつ洗練された佇まいに昇華。〈PAF〉のデザイン言語を具現化した本作は、『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Sneaker Collaboration（ベスト スニーカー コラボレーション）”を受賞した。

〈PUMA（プーマ）〉を代表するSPEEDCAT（スピードキャット）は、80年代から90年代にかけてF1™グランプリのドライバーが履いていた耐火レーシングシューズをもとに1999年に誕生したライフスタイルシューズ。ロンドンやベルリン、韓国といった世界の都市で多くの人々に愛用されたオリジナルのSPEEDCATは、現在に至るまで〈PUMA〉のラインアップの中で最も売れたシューズのひとつと言われている。そんなクラシックモデルがSPEEDCAT OGと名を変え、オリジナルのレーシングシルエットと当時のカラーを踏襲して2024年に再デビュー。アッパーにはスウェードを採用し、つま先に“プーマキャット”の刺繍、シュータンとフォームストリップの上にはゴールドのロゴをあしらい、2000年代初頭のレーシングウェアにオマージュを捧げたデザインに。ロープロファイル（薄底）スタイルが世界中のセレブリティやトレンドアイコンたちに支持され、ストリートでも人気を博した。

BMX界のスーパースター ナイジェル・シルベスター（Nigel Sylvester）と〈Jordan Brand〉がタッグを組んで製作したAir Jordan Nigel 4RM（エア ジョーダン ナイジェル 4RM）は2024年で最も話題を呼んだコラボレーションのひとつ。“Grandma’s Driveway”と称されたこのコラボレーションは、ナイジェルの人生の根本を成すインスピレーションに基いてデザインされた。ファーストカラーの“Fence Green”は、ナイジェルの祖母の家のフェンスから着想を得ている。彼にとって家の中と外を分ける存在であったフェンスは、現在世界的なアスリートとなった自分を形成したルーツだと考えているという。もう一方の“Driveway Grey”は、彼の祖母の家の、車庫に通じる私道が着想源。アンスラサイト色のその道で、ナイジェルは自転車に乗る方法を初めて学んだようだ。この傑作コラボについて語ってくれたナイジェルのインタビュー記事も、この機会にぜひチェックしてほしい。

長年チームアップを継続している〈Junya Watanabe MAN（ジュンヤ ワタナベ マン）〉と〈New Balance（ニューバランス）〉のタッグから、2024年秋冬シーズンの新作コラボフットウェアとして登場したのが、モノトーンカラーの1906L。本作は2024年1月のパリ・ファッションウィーク期間中に行われた2024年秋冬コレクション “Reconstructed Suiting”のランウェイで初披露され、同年9月にカラー違いが〈New Balance〉のインラインからデビュー。ベースとなった1906Lは、人気のハイパフォーマンスランニングシューズ 1906をペニーローファーへと再構築したモデル。曲線を描くシンセティック素材のオーバーレイ、かかとに配置されたABZORB SBSポッドを備えた860v2ソールユニットを採用し、快適な履き心地を実現した。〈Junya Watanabe MAN〉とのコラボレーションでは、1906Lのアッパーを従来のメッシュ素材からシンセティックレザーへと変更し、カラーを“ブラック”と“ホワイト”の2色にアレンジ。クラシックな佇まいと機能性を兼ね備えた現代的なペニーローファーは、フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンに対応し、多くの人々に受け入れられた。

近年世界的な人気を誇っている〈adidas Originals（アディダス オリジナルス）〉Samba（サンバ）のラインアップでは、やはり2024年も〈WALES BONNER（ウェールズ・ボナー）〉とのコラボレーションモデルが出色の出来だろう。特に2024年秋冬コレクションのモデルは、クロコ型押し牛革アッパーと手作り感のあるウーブンレザーシュータンでコントラストを演出し、スリーストライプスには上質なヌバックを、装飾ステッチや金色の金属製アグレットを配して高級感のある仕上がりに。2025年はどんなモデルが登場するのか、今から大いに期待したい。

〈ASICS（アシックス）〉のライフスタイルライン〈ASICS SportStyle（アシックススポーツスタイル）〉と、デンマーク・コペンハーゲンを拠点とするブランド〈Cecilie Bahnsen（セシリー・バンセン）〉によるコラボレーションモデル第4弾。2023年春夏シーズンより続く両者のコラボレーションの最新作は、GEL-FUJITRABUCOシリーズからインスピレーションを得たライフスタイルシューズ GEL-TERRAINをフェミニンな解釈で再構築。アッパーにはリップストップメッシュを採用し、花柄のパーツで装飾を施したエレガントな仕上がりに。カラーはブラック、レッド、セピアの3種類が展開された。

『Hypebeast』がその年に活躍した最高のデザイナー/ブランドを選出する“Hypebeast100 Awards”において、2024年の“Best Footwear Brand（ベスト フットウェア ブランド）”を受賞した〈HOKA〉。インラインモデルをはじめ数々の傑作を世に送り出した2024年のラインアップから、フランス発のランニングウェアブランド〈SATISFY〉とのコラボレーションモデル Mafate Speed 4 Lite STSFY（マファテ スピード 4 ライト サティスファイ）をセレクト。トレイルランニングで定評のあるMafate Speed 4をベースに一新させた本作は、軽量で透明感のあるアッパーにソフトなマイクロファイバーの履き口、保護性に優れたリップストップナイロン、そしてミッドソールには反応性に優れた2層のProFlyフォームを採用。レース仕様の高機能アッパーと1.5mmのスピードレースシステムにより、圧倒的な軽さとフィット感を実現した。〈SATISFY〉の洗練された美学と〈HOKA〉の革新的なテクノロジーが融合した1足となっている。

〈Jordan Brand〉が2024年に発表したモデルの中でも特に評価が高いのが、Air Jordan 3 “Black Cement”。AJ3のオリジナルは、マイケル・ジョーダン（Michael Jordan）の3代目シグネチャーモデルとして1988年に登場。伝説的なシューズデザイナー ティンカー・ハットフィールド（Tinker Hatfield）の手掛けた初のジョーダンモデルであるAJ3は、アイコニックなJumpmanロゴ、そして特徴的なエレファントプリントを初めて採用したモデルとしても知られている。今回の“Black Cement”は、当時のオリジナルの履き心地やフィット感、シルエットを忠実に再現した1足。AJ3 “Black Cement”はこれまで1994年、2001年、2008年、2011年、2018年に復刻されているが、2024年版の本作が間違いなく「過去最高の出来」と言えるだろう。