HYPE BEAST
“ファレル熱”がパリ全体を覆った昨季と比べると、目玉という目玉がなかった印象も否めない2024年秋冬シーズンのパリ・ファッションウィーク・メンズ。その分、個々のブランドにスポットライトが分散され、面白いシーズンだった。本稿では1月16〜21日(現地時間)に実施されたパリコレの特筆ポイントを総括してみよう。初日のトリという前回と全く同じスケジュールで発表されたファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)の〈Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)〉。「ルイ・ヴィトン財団」の美術館『フォンダシオン ルイ・ヴィトン』のある『アクリマタシオン庭園(Jardin d’Acclimatation)』にて開催された同ショーは、良くも悪くもハードルを上げ過ぎた感のある昨季から、どのような形で前進するかに関心が寄せられた。蓋を開けてみれば、前回のお祭りムードは適度に残しつつも、良いシフトチェンジだったように思える。ワークウェアのトレンドをなぞりつつ、カウボーイ要素を全面に打ち出した懐かしくも新しいコレクションは、メゾンを下支えするサヴォアフェールに重きを置いた内容に(詳細はこちらから…