手にしただけで背筋が伸びる様な、凛とした陶器。自分の感覚を研ぎ澄ませてその深みに触れてみる。新しい景色と出会わせてくれそうな、注目の展示が今週末から開催されます。
この展示の命題は「根はいつも裏側で伸びている（Roots are always growing on the reverse side.）」。potter（陶芸家）の吉田直嗣と、drawer（デザイン）の吉田薫が手がける、陶器などを中心とした作品群〈チェレンベル（cheren-bel）〉の展示です。
“cheren-bel” とは「白と黒」を意味し、二人の活動の本拠地としている富士山の麓から付けられた名前。火山礫のスコリヤが示す “黒” と、降り積もる雪が示す “白” が作品へのインスピレーションとなり、陶器のほとんどは白と黒で構成されています。白と黒のもつイメージの狭間で圧縮されてゆく日常に佇むものを陶器に具現化しているんだとか。その装いは透き通る様に凛として、実に端正なことがわかります。
そして、展示の会場となるのは今年1月にオープンしたばかりの東京・外苑前にあるフラワーショップ「VOICE（ボイス）」。美しいブーケアレンジメントはもちろん、空間スタイリング、撮影での装花の提案など多方面で注目を集めています。店内には柔らかな光が差し込み静謐な空気が流れる、ほかのお店とは様々な面で一線を画すフラワーショップです。
今回の展示では〈チェレンベル〉の定番であるオーバル皿や絵皿に加えて、今回はランプシェードなどの新作が公開。実際に販売もされます。オンラインショップの品物は全てソールドアウトしている様なので、わざわざ行く価値ありです。感覚を研ぎ澄ませて陶器を空間の両方を楽しんでみてください。
Text_Rei Kawahara
根はいつも裏側で伸びている（Roots are always growing on the reverse side.）
会期：2017年12月16日（土）〜12月24（日）
時間：13:00〜19:00
会場：VOICE
住所：東京都渋谷区神宮前3-7-11
電話：03-6883-4227
休廊：12月19日（火）
Source: フィナム
