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【令和のマストバイヴィンテージ】vol.65 リーバイス507XX & 507編

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ヴィンテージの王道、リーバイス“セカンド”の見分け方

 今回紹介するのは、数あるヴィンテージのなかでも王道中の王道。リーバイスのデニムジャケット「507XX」、通称“セカンド”です。諸説ありますが、1905年頃に誕生した「506XX」、通称“ファースト”の後継アイテムとして1952年頃に登場しました。

リーバイス507XX & 507

今回ピックアップしたアイテムはすべてサイズ50

Image by: FASHIONSNAP

 507XXは、製造された時期によって大きく前期型と後期型に分けられます。一番分かりやすいのが、前期型が革パッチ、後期型が紙パッチという点ですが、なにぶん約70年前のアイテムですので、パッチが取れてしまっている個体がほとんどです。他に、前立の縦ステッチが胸の切り替え部分で90度折れているのが革パッチ、ステッチが胸の切り替え部分を乗り越えているのが紙パッチ、という見分け方もあります。

リーバイス507XX

前立の縦ステッチが胸の切り替え部分で90度折れている507XX前期型

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507XX

前立の縦ステッチが胸の切り替え部分を乗り越えている507XX後期型

Image by: FASHIONSNAP

 また、裾のベルト部分でいえば、上がチェーンステッチ、下がシングルステッチになっているのが前期型、両方ともチェーンステッチになっているのが後期型、という見分け方もありますが、仕様の過渡期に製造された個体もあるので、ひとつのディテールで決めつけるのではなく、総合的に判断することをオススメします。

リーバイス507XX

上がチェーンステッチ、下がシングルステッチになっている507XX前期型

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507XX

両方ともチェーンステッチになっている507XX後期型

Image by: FASHIONSNAP

 1952年頃に“セカンド”が生まれてから9年後の1961年頃に、フロントのV字ステッチが印象的な「557XX」、通称“サード”が後継アイテムとして登場しました。一般的に後継アイテムが誕生すると、その前のアイテムの製造はストップされますが、557XX(サード)が販売されるようになってからも、507XX(セカンド)の製造は続けられていました。あくまでも僕の推測ですが、507XX(セカンド)には根強いファンが一定数存在しており、彼らのニーズに応えるためにリーバイスは製造を継続したのではないでしょうか。

 さらに、557XX(サード)が生まれた5年後の1966年頃には、「501XX」をはじめとするリーバイスデニムの商品名に付けられていた「XX(ダブルエックス)」という表記が廃止されます。諸説ありますが、「XX」は、「extra exceed=非常に優れている」を意味し、最高品質のデニムを用いていることを表していたと言われています。廃止に伴い501XXは「501」に、507XXも「507」に商品名が変わりました。

リーバイス507

リーバイス507

Image by: FASHIONSNAP

 507XXと507の見分け方にも、いくつかポイントがあります。まず、一番分かりやすいのが袖のリベットがカンヌキに変更されているところ。また、507XXの前期型では胸ポケットフラップ裏の生地に薄手のオンスの生地が用いられていましたが、507では表地と同じ生地に変更されました。さらに、507XXの前期型は「レインボーステッチ」と呼ばれるオレンジとイエローの種類の糸が用いられている個体がよく見られますが、507はオレンジの糸のみで縫製されている個体が多く見られます。

リーバイス507

袖にリベットが付けられた507XX

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507

袖にカンヌキが施された507

Image by: FASHIONSNAP

 それに加え、ポケットに付けられているタブの位置が、507ではかなり下がっています。このように、かなり細かく仕様が変更されているのも面白いですね。

リーバイス507

タブがポケット上部にある507XX

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507

タブがポケット中程にある507

Image by: FASHIONSNAP

なぜヴィンテージリーバイスには様々なディテール違いが存在するのか

 今回はそれぞれの個体のディテールを細かく紹介しましたが、どうしてこのような違いが生まれたのでしょうか?その理由のひとつとして考えられるのが、当時のアメリカ経済の影響です。第二次世界大戦中は、資源が豊富だったアメリカでも物資が欠乏し、その結果ヒップポケットの「アーキュエイトステッチ」をペンキで置き換えるなどしてディティールが簡略化された通称「大戦モデル」が生まれました。第二次世界大戦はアメリカが戦勝国となり1945年に終わりましたが、その後1950〜53年にかけて朝鮮戦争が勃発。朝鮮戦争はアメリカ経済に直接的には大きな影響を及ぼしませんでしたが、デニム生地が不足したためにリーバイスはスラックスなどのジーンズ以外のアイテムを拡充することになりました。その後、1954年にリーバイスは創業時から続けてきた卸売業をやめ、製造業に専念しました。

 同じ頃、アメリカ経済は第二次世界大戦後の高度成長を経て成熟期に移行しつつありました。中産階級が拡大し、大量生産・大量消費というアメリカを象徴する生活様式が確立され、リーバイスの売上も急激に上昇。それを受け、リーバイスは会社組織を拡大し続けました。縫製工場を新設したり、下請けの工場を買収するだけでなく、ジッパーを取り付ける専用のマシンなど、新たな設備を導入することも増えていたようです。そういった変化があれば、ディテールなどにも違いが生まれた可能性は高いはず。また、当時はジーンズやデニムジャケットの効率的な製造方法がまだ確立されておらず、その時々で最良と考えられる手法を実験的に取り入れることもあったのではないでしょうか。その結果、今回紹介したような様々なディテールの差異が生まれたのでは、というのが僕の推察です。

 サイズや色残りによって大きく変動しますが、507XXの相場はサイズが小さいもので30万円くらいから。サイズ42以上は身頃の両脇に切り替えが設けられた「ハギ付き」と呼ばれる人気アイテムで、幻とも言われるサイズ54以上は背面がT字に切り替えられていることから「Tバック」と呼ばれています。簡単に手を出せる価格帯ではありませんが、ヴィンテージの王道の存在感はやはり別格。デニム愛好家にとっては、マストバイだと思います。

編集:山田耕史 語り:十倍直昭

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ヴィンテージの王道、リーバイス“セカンド”の見分け方

 今回紹介するのは、数あるヴィンテージのなかでも王道中の王道。リーバイスのデニムジャケット「507XX」、通称“セカンド”です。諸説ありますが、1905年頃に誕生した「506XX」、通称“ファースト”の後継アイテムとして1952年頃に登場しました。

リーバイス507XX & 507

今回ピックアップしたアイテムはすべてサイズ50

Image by: FASHIONSNAP

 507XXは、製造された時期によって大きく前期型と後期型に分けられます。一番分かりやすいのが、前期型が革パッチ、後期型が紙パッチという点ですが、なにぶん約70年前のアイテムですので、パッチが取れてしまっている個体がほとんどです。他に、前立の縦ステッチが胸の切り替え部分で90度折れているのが革パッチ、ステッチが胸の切り替え部分を乗り越えているのが紙パッチ、という見分け方もあります。

リーバイス507XX

前立の縦ステッチが胸の切り替え部分で90度折れている507XX前期型

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507XX

前立の縦ステッチが胸の切り替え部分を乗り越えている507XX後期型

Image by: FASHIONSNAP

 また、裾のベルト部分でいえば、上がチェーンステッチ、下がシングルステッチになっているのが前期型、両方ともチェーンステッチになっているのが後期型、という見分け方もありますが、仕様の過渡期に製造された個体もあるので、ひとつのディテールで決めつけるのではなく、総合的に判断することをオススメします。

リーバイス507XX

上がチェーンステッチ、下がシングルステッチになっている507XX前期型

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507XX

両方ともチェーンステッチになっている507XX後期型

Image by: FASHIONSNAP

 1952年頃に“セカンド”が生まれてから9年後の1961年頃に、フロントのV字ステッチが印象的な「557XX」、通称“サード”が後継アイテムとして登場しました。一般的に後継アイテムが誕生すると、その前のアイテムの製造はストップされますが、557XX(サード)が販売されるようになってからも、507XX(セカンド)の製造は続けられていました。あくまでも僕の推測ですが、507XX(セカンド)には根強いファンが一定数存在しており、彼らのニーズに応えるためにリーバイスは製造を継続したのではないでしょうか。

 さらに、557XX(サード)が生まれた5年後の1966年頃には、「501XX」をはじめとするリーバイスデニムの商品名に付けられていた「XX(ダブルエックス)」という表記が廃止されます。諸説ありますが、「XX」は、「extra exceed=非常に優れている」を意味し、最高品質のデニムを用いていることを表していたと言われています。廃止に伴い501XXは「501」に、507XXも「507」に商品名が変わりました。

リーバイス507

リーバイス507

Image by: FASHIONSNAP

 507XXと507の見分け方にも、いくつかポイントがあります。まず、一番分かりやすいのが袖のリベットがカンヌキに変更されているところ。また、507XXの前期型では胸ポケットフラップ裏の生地に薄手のオンスの生地が用いられていましたが、507では表地と同じ生地に変更されました。さらに、507XXの前期型は「レインボーステッチ」と呼ばれるオレンジとイエローの種類の糸が用いられている個体がよく見られますが、507はオレンジの糸のみで縫製されている個体が多く見られます。

リーバイス507

袖にリベットが付けられた507XX

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507

袖にカンヌキが施された507

Image by: FASHIONSNAP

 それに加え、ポケットに付けられているタブの位置が、507ではかなり下がっています。このように、かなり細かく仕様が変更されているのも面白いですね。

リーバイス507

タブがポケット上部にある507XX

Image by: FASHIONSNAP

リーバイス507

タブがポケット中程にある507

Image by: FASHIONSNAP

なぜヴィンテージリーバイスには様々なディテール違いが存在するのか

 今回はそれぞれの個体のディテールを細かく紹介しましたが、どうしてこのような違いが生まれたのでしょうか?その理由のひとつとして考えられるのが、当時のアメリカ経済の影響です。第二次世界大戦中は、資源が豊富だったアメリカでも物資が欠乏し、その結果ヒップポケットの「アーキュエイトステッチ」をペンキで置き換えるなどしてディティールが簡略化された通称「大戦モデル」が生まれました。第二次世界大戦はアメリカが戦勝国となり1945年に終わりましたが、その後1950〜53年にかけて朝鮮戦争が勃発。朝鮮戦争はアメリカ経済に直接的には大きな影響を及ぼしませんでしたが、デニム生地が不足したためにリーバイスはスラックスなどのジーンズ以外のアイテムを拡充することになりました。その後、1954年にリーバイスは創業時から続けてきた卸売業をやめ、製造業に専念しました。

 同じ頃、アメリカ経済は第二次世界大戦後の高度成長を経て成熟期に移行しつつありました。中産階級が拡大し、大量生産・大量消費というアメリカを象徴する生活様式が確立され、リーバイスの売上も急激に上昇。それを受け、リーバイスは会社組織を拡大し続けました。縫製工場を新設したり、下請けの工場を買収するだけでなく、ジッパーを取り付ける専用のマシンなど、新たな設備を導入することも増えていたようです。そういった変化があれば、ディテールなどにも違いが生まれた可能性は高いはず。また、当時はジーンズやデニムジャケットの効率的な製造方法がまだ確立されておらず、その時々で最良と考えられる手法を実験的に取り入れることもあったのではないでしょうか。その結果、今回紹介したような様々なディテールの差異が生まれたのでは、というのが僕の推察です。

 サイズや色残りによって大きく変動しますが、507XXの相場はサイズが小さいもので30万円くらいから。サイズ42以上は身頃の両脇に切り替えが設けられた「ハギ付き」と呼ばれる人気アイテムで、幻とも言われるサイズ54以上は背面がT字に切り替えられていることから「Tバック」と呼ばれています。簡単に手を出せる価格帯ではありませんが、ヴィンテージの王道の存在感はやはり別格。デニム愛好家にとっては、マストバイだと思います。

編集:山田耕史 語り:十倍直昭

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