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安田昂弘がCGの向こうに見る、人の気配と想い。VOILLDにて個展が開催されます。

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VOILLD_TakahiroYasuda_emerge_mainvisual_s

〈ナイキラボ(NIKELAB)〉のアートディレクションをはじめ東京弐拾伍時、TOKYO HEALTH CLUBのMV監督などを手掛ける安田昂弘が、新作個展を開催します。

以下は、会場である「ボイルド(VOILLD)」の主宰、伊勢春日さんのコメントです。

安田昂弘は、コンピューターという一つのメディアを駆使しながら、都度異なったアプローチで制作を行います。研ぎ澄まされているようで遊び心のあるデザインや、シンプルで単調に見えて、複雑に組み重なった線や面は、彼の思考とコンピューターグラフィック(CG)としての美しさが反映され構図化されているのです。まるでキャンバスに絵の具を重ねていくような作業を、CGという枠の中で物質的にいかに表現するかという事に挑戦し続け、その在り方を私達に問いかけているようにさえ感じさせます。

本展では、近年、安田昂弘が着目し疑問を抱き続け、作品を作る上での根本的な題材ともなっている「見る」という事を軸にしながら、その興味や影響から感じる「気配」という曖昧な存在をグラフィックでどのように体現できるかに迫り、新たなマテリアルと印刷技法を用いて作品が制作されました。会場ではグラフィックをベースにした平面作品、約10点を展示予定です。

そしてここからは、安田昂弘本人の言葉。

いつからか僕たちは、デジタルによる形のない情報に対して、
何も抵抗することなく受け入れるようになりました。
現在、均一な面から発光される情報はまるで神の目線のように、
さも平等な視点のふりをして、善も悪も真実も嘘も、
フラットなものとして私たちに近づいてきます。
発信者や発言者の真の姿を捉えることはほぼ不可能でも、
その得体の知れない信号にまるで神様かのように人は縋ります。
今や未知の情報は希望であり、スピードは正義となりました。

視覚文化にも同じことが起きています。
ただただ瞬発性の高い視覚信号をまとったビジュアルが膨大なスクロールの中でピックアップされ、
そこに表記されている言葉も、背景や意図も無視され、共有され、
少し時間が経つと何処かで見たことがあるようなビジュアルがどこからともなく、
また本物と偽物が入り混じったスクロールの波に流れてきます。
テクスチャーの意味すら、ここ数年で大きく変わってしまいました。
世界中が全てフラットで平均化された情報で埋め尽くされる日はきっと遠くはないでしょう。

徹底的に平均化されていくこの世界おいて、
人の意思はもうなくなってしまうのでしょうか。

未来が全てフラットになり、身体から切り離されたとしても、
どうかそこに人の気配と想いが宿ることを祈って。

12月8日(金)19:00-22:00にはアーティストを囲んでオープニングレセプションが開催され、同日の23:00からは中目黒ソルファにてMACKA-CHIN、DJ UPPERCUT、TOKYO HEALTH CLUBらが出演するアフターパーティーが行われます。

テキスト長めでしたが、芸術だけにとどまらず、人の営為全般に関わる慧眼だと感じます。ぜひ個展に足を運んであれこれ考えあぐねてみましょう。もちろん、何も考えずに見たってOKです。

Text_Taiyo Nagashima


Takahiro Yasuda 3rd Solo Exhibition“EMERGE”
会期:2017年12月9日(土)~2018年1月14日(日)
時間:水-金 14:00〜19:00、土日 14:00〜18:00
※月曜・火曜・祝日休廊 ※2017年12月25日(月)〜2018年1月5日(金)は休廊
会場:VOILLD(東京都目黒区青葉台3-18-10 カーサ青葉台B1F)
Reception Party:12月8日(金) 19:00〜22:00
Reception After Party:”EMERGE” 12月8日(金)23:00〜 at Nakameguro Solfa
出演:MACKA-CHIN, DJ UPPERCUT, TOKYO HEALTH CLUB, ULTRA INAZUMATIC DJS, HARUHI ISE, KAXX and more

TAKAHIRO YASUDA|安田昂弘
1985年生まれ。獅子座。名古屋市出身。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業後、2010年に株式会社ドラフトに入社。
2015年同社より独立。CEKAI(世界株式会社)に所属し、アートディレクション、グラフィックデザインだけでなく、国内外での作品展示、デジタル領域のデザインやプロダクト、映像監督など視覚表現を軸に様々なクリエイティブでの活動を展開している。身長は189.5cm。
yasudatakahiro.com

Source: フィナム

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