C.H.I 池磊の個展『中國最先端 ― CHINESE CUTTING EDGE ―』が、11月17日から、世界中からさまざまなジャンルのアーティストを招いて年4回のアート展を開催しているスペース「DIESEL ART GALLERY」にて開催されます。
C.H.I 池磊(チリ)は1981年に生まれた中国人アーティストで、写真家、デザイナー、ロックシンガー、映画監督、雑誌編集者など、さまざまなジャンルを横断して活動している、多才なクリエイターです。
同展では、雑誌『egg』創刊に携わったことでも知られる編集者、フォトグラファーの米原康正がキュレーションを担当。C.H.I 池磊にとって日本初の個展となり、代表作と新作合わせて約60点が展示されます。
会期中には展示作品のほか、関連グッズの販売も実施。北京でもっとも注目されているコンテンポラリーアーティスト、C.H.I 池磊が表現する中国の今とは? ぜひその目で確かめてください。また、特設サイトではイベントの最新情報が随時更新されているので、合わせてチェックを!
以下は、キュレーターの米原康正とC.H.I 池磊のコメントです。
中国アートシーンの今(米原康正)
「中国との高まる緊張」、と伝えられる情報には、街の中で生活する人々の表情、 そしてその思いが欠如している。中国人というメディアから流されるひとかたまりのイメージではなく、中国の中の個人を知ることから始めなければならない。それを日々垂れ流される西側諸国からの政治的なプロパガンダから感じることは不可能に近い。
「アートにできることとは何か?」
作家が取り囲まれた現実を、作家のフィルターを通して表現すること。そして、鑑賞者たちにその現実を感知させること。今回紹介するC.H.I 池磊は、1996年北京南西にある小都市石家庄でハードコアパンクのバンドを結成し、そのライブのフライヤー製作などから、アーティスト活動を開始した。その当時の動画で見ることのできる彼の赤いモヒカンは、僕たちの知らない中国の歴史を語ってくれる。そして現在、C.H.I 池磊のつくるアートワークは多岐に渡り、その分野は広がり続ける。その作品を見ていると、その中に共通するひとつのイメージが湧いてくる。輝く部分が眩しければ眩しいほど、その後ろに伸びる影はその暗さを増すという事実だ。
俺!ドロップアウトしたPUNK!(C.H.I 池磊)
ドロップアウトしたあと撮影することにハマり、写真の世界にも音楽の世界同様イカれたやつがいると気づいた。生まれながらに反抗的。オヤジみたいに優秀な共産党員みたいな責任感も持ち合わせてるけどね!ある日、怒りとともにベースをブチ壊してかわりにカメラを手にした。スゲエことをしてアホなやつらに見せつけてやろうと決心した!
さぁ、みなさんこのめちゃくちゃな世界の写真をご覧ください。この写真、いま俺らが暮らしている社会とアホな奴らにでかい音でビンタを食らわしているような気分なんだ。
Text_Jun Nakada
「中國最先端 – CHINESE CUTTING EDGE – アーティスト:C.H.I 池磊(チリ)」
会期:2017年11月17日(金)〜2018年2月14日(水)
会場:DIESEL ART GALLERY
住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti B1F
電話:03-6427-5955
時間:11:30〜21:00
入場料:無料
休館日:不定休
www.diesel.co.jp/art
Source: フィナム