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反骨精神が宿るコラボレーション。

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CAMPER by TAKAAKI AKAISHI.

反骨精神が宿るコラボレーション。

スペイン・マヨルカ島にて生まれたブランド〈カンペール(CAMPER)〉。“クリエイティビティとイノベーション”をベースにモダンかつカジュアルなシューズやバッグをリリースする同ブランドが、新進気鋭の写真家・赤石隆明氏とコラボレート。「自分のクリエーションを壊して欲しかった」、「新しいことに挑戦したかった」とは、今回の協合における当事者たちの言葉。その発言にもあるように、“コラボ”という言葉が飽和する現在のファッションシーンに楔を打つようなアイテムが誕生した。そんな当事者同士の対談から、反骨精神をのぞかせるふたりの想いに迫った。

  • Photo_Shinji Serizawa
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Jun Nakada

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(左)赤石隆明 / 写真家
1985年、静岡県生まれ。東京造形大学を卒業後、東京を拠点に活動をスタート。平面的な写真作品のみならず、立体としての写真表現を行ない、これまでに数々の作品を発表し、個展、グループ展を開催。2010年に「第33回キャノン写真新世紀」にて佳作(佐内正史選)、2011年に「TOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD」にてグランプリを獲得。2013年には写真集『UNBROKEN ROOM』を出版している。

(右)友岡洋平 / カンペール ハウスデザイナー
今回のプロジェクトを手掛けた〈カンペール〉のデザイナー。

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写真作品のインパクトの薄さ、表現の弱さを感じていた。

赤石さんは普段どんな活動をされているんですか?

赤石このアトリエで生活をしながら作品をつくったり、あとは美術大学で働いたりしています。

作品を拝見させていただいたんですが、写真家という肩書きでありながら、作品は立体物が多いですよね?

赤石写真家というのはあくまで便宜的な肩書きで(笑)、おっしゃる通り発表しているのは立体作品が主軸となっています。大学生の頃に写真を撮ることに対して限界を感じている時期があったんです。自分の周りには絵画や彫刻、インスタレーションをやっている人が多かった。制作を通してひとつの作品を突き詰めているのに対して、僕はカメラを使って日常を切り取るだけ。表現のアプローチが違うから比べるものではないとは思うんですが、当時は自分が撮る写真作品のインパクトの薄さ、つまり表現の弱さを感じていたんです。

それがどうして立体作品に繋がっていったんですか?

赤石あるとき、自分たちの大学のアトリエが取り壊しになるから最後に展示をしよう、という話を持ちかけられて。壁にぶつかっていた時期というのもあって、「ブロック塀で壁をつくる→壊す→掃除する」という一連の動作をすべて写真に収めるという展示をしたんです。それが立体作品をつくるきっかけになりました。

なるほど。

赤石それから、つくることにまつわる状況を利用して写真と立体、空間へのアプローチと拡張していきました。例えば、パワーストーンを元にしたクッションを大量につくり、埋め尽くされた部屋を撮影する。そのままでは生活できないから布団圧縮袋で圧縮し、その状態も撮影して作品にする。制作を繰り返すことで生じる問題を打開するためにどうするか? というのが自分の命題のような気がしています。

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〈カンペール〉はどうして、赤石さんとのコラボレートを持ちかけたんですか?

友岡常に模索しているというか、新しいことにチャレンジしようという気持ちが前に出ていて、そういった赤石さんの姿勢に共感することが多かったからです。

赤石最初にお声がけいただいたとき、嘘だろ? って思いましたよ。ぼくで大丈夫かな? って(笑)。

友岡すごく気にされてましたよね。

赤石有名な作家さんは他にもいるし、もっと強い表現力を持っている人もたくさんいる。それなのにぼく? みたいな。

友岡〈カンペール〉というブランドには、そういった若いアーティストを発掘しようという想いがあります。赤石さんの作品からは、なにかの模倣ではなく、独自のアプローチが見て取れる。そこにユニークなものを感じるんです。

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「売れるもの同士を掛け算してみんなハッピー」という図式への反発。

できあがったリュックを拝見すると、やっぱり写真表現とかけ離れているような気がします。作業はどのようにして進んでいったんですか?

赤石友岡さんとはじめて会ったときに、「ぼくの作品を壊してください」っていう話をしたんです。ぼくが写真を渡してそれで終わりではつまらないな、と。コラボレートというのは、お互いの共同作業があってはじめて成立するものだと思うので。

友岡過去に赤石さんが撮影した莫大な量のデータをいただいて、そのなかから写真をピックアップしました。それをブロック状に並べて生地にプリントし、再度それを赤石さんにお渡ししましたよね。

赤石そうですね。その生地を濡らしたり、コンクリートを垂らして加工して、その状態をカメラで撮影しました。撮ったものを再びブロック状に並べて友岡さんに送って。そうゆうやり取りを何度も繰り返したんです。

とはいえ、リュックのプリントはブロック状ではないですよね?

赤石うん、そうですね。途中でキレイなモザイク状のグラフィックができあがったんです。でも、あまりにもキレイ過ぎたし、完成されていた。僕のなかでしっくりこない部分があって、そのグラフィックを引き延ばしたりしてグチャグチャにしたんです。

友岡それでこういったグラフィックが完成したという…(笑)。

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赤石3つのバッグにリバーシブルで6種類のグラフィックをプリントしていますが、実際に制作しているのは100パターン以上あると思います。

友岡いただいたパターンの中から、ヴィジュアルの強いものを選びました。

リバーシブルというのは最初からあったアイデアなんですか?

友岡いえ、制作段階のなかで辿り着いた答えです。いいグラフィックがたくさんできあがったので、可能な限りたくさんのものを使いたかった。だからリバーシブルにして最終的に6種類を採用したんです。

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バックパックはもとから〈カンペール〉にあるものなんですか?

赤石これもイチからつくりました。いちばんの特徴は生地です。ポリリップという柔軟で強度のある素材なんですが、柔らかい生地なのでグニャグニャするんです。赤石さんから「イメージを壊してほしい」と言われていたこともあって、たとえイメージが完成して製品にプリントされたとしても、荷物の形状に合わせて再びグラフィックに変化が起こるようにしたんです。

赤石リバーシブルというお話を聞いて、自分のなかでスッと腑に落ちた感覚がありました。イメージが反転してまったく違うものが現れるというのは、ぼくの表現方法とリンクする部分があったので。それにリバーシブルって機能としては面倒じゃないですか。わざわざ裏返さないといけないから。そこにあえて挑戦するというのはビックリしたけど、ユニークだなぁ、と。

もとあるボディに制作したグラフィックをプリントするという手法はよくあるパターンです。でも、それをせずにすべてイチから手掛けたのはどうしてなんですか?

友岡人気のバッグに売れている作家さんのイメージを当て込んでみんなハッピーという図式への反発でしょうか。新しいことに挑戦して、誰もみたこともないようなモノを生み出したかった。〈カンペール〉自体が夢を見させてくれるようなブランドですし、その伝統をいい形で受け継ぎ、発展させたかったんです。

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ヒリヒリして、他人が嫌がることをやってこそ新しいものが生まれる。

やりとりが相当大変だったんじゃないですか?

友岡振り返れば時間もかかっているし、大変だったのかもしれません。でも、辛かったか? と言われれば、答えは完全にノーですね。作品に対する赤石さんのアプローチが強かったので、それが今回のグラフィックにも表れていると思うんです。だから、いわゆる生みの苦しみは感じませんでした。

赤石ぼくは写真のヴィジュアルを強くすることに注力していて、あとはすべて友岡さんに丸投げ状態だったので…(笑)。「やりたいようにやってください」と。あえてお伝えしたのは、「キレイなものはつくらず、むしろその逆をいってほしい」とお話しました。

友岡耳にタコができるくらい言われましたね(笑)。

赤石どちらかが主導権を持つのではなく、ぼくは対等な立場でやりたかったんですよ。コラボレーションってそういうことだと思う。ヒリヒリして、他人が嫌がることをやってこそ新しいものが生まれるというか。だから「壊してくれ」、「尊重しないでくれ」って言っていたんです。

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できあがったアイテムをご覧になられて、どんなことを感じますか?

赤石ぼくの作品に〈カンペール〉という“違う血”が混ざることによって表現がアップデートされているなぁ、と。制作自体が楽しかったし、新しいものを生み出すことができたと思います。

友岡最近は人の気持ちに寄り添ったアイテムが多い気がしているんですが、このアイテムはそれとは違うベクトルで制作しました。新しいチャレンジをする気持ちで取り組んでいたし、それがアイテムにも反映されていると思います。刺激を感じてほしいですね。

赤石たくさんの人が使ってくれたらうれしいですけど、人それぞれ長い人生があるなかで、ひとつのモノが輝く瞬間って刹那なんですよね。だから、短い時間のなかでどれだけの輝きを放てるかがポイントになってくると思うんです。たとえ刹那的な時間でもいいから、手に取ってくれた人にとって重要なアイテムになってくれたらいいですね。

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CAMPER by TAKAAKI AKAISHI 各¥22,000+TAX

グラフィックのインパクトを背負う。

都会的かつ機能的なデザインが特徴のバックパック。荷物の形状に合わせてグラフィックに変化が表れるように、ポリリップと呼ばれる柔軟かつ強度のある撥水素材を使用。ストラップは取り外すことができ、メインコンパートメントを裏返すことで異なるグラフィックが出現するリバーシブル仕様。

CAMPER
電話:03-5412-1844
www.camper.com

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Source: フィナム

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