この秋冬コレクションで〈ランバン(LANVIN)〉はクラシカルなファブリック、クラフトワークを改めて見直した。
シャドーストライプのウールにライニングのウールニット、袖や後身頃のテクニカルファブリック…といった具合にさまざまなファブリックをブレンドしたパーカ、右身頃にパーツを加え、アシンメトリーなシルエットを描いたウールアルパカのニットベスト、ライニングを排し、見た目に反する軽やかな着心地を手に入れたドロップショルダーのウールコート。ウィットに富んだデザインが遊び心として成立しているのは、ひとえに骨太なものづくりが根底にあるからである。
原点回帰しつつ、現代の感性で再解釈する、というデザイン・アプローチは取り立てて珍しいものではない。あえてやり尽くされたと思われていた舞台に立ち、そして感動を与えることのできるクリエイティブディレクター、ルカ・オッセンドライバーはやはり、只者ではない。
ルカが〈ランバン〉のデザイナーに就任して10年あまり。以来、一度だって目利きを失望させることはなかった。ルカの引き出しは枯れることがないのだろうか。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
ランバン ジャパン
電話:03-4500-6172
www.lanvin.com
Source: フィナム