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美しさのその先へ。遠藤励による北極地方のランドスケープと先住民を捉えた写真展が六本木で開催。

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自身のボーダーとしてのスキルと写真家としての観察眼を武器に、スノーボードというアクティブなスポーツの写真を特別なアート作品へと昇華させた写真家・遠藤励さん。その作品「inner focus」は一見の価値ありの写真集です。

そして今回、富士フイルムの企画展として遠藤さんの写真展「北限の今に生きる」が、9月14(金)〜9月27日(木)で「富士フイルムスクエア Gallery-X」にて開催されます。

これまでにも世界の雪山や氷河などを撮り続けてきた遠藤さんですが、大きな目標のひとつだったという北極地方に今年2018年の4月に渡り、撮影を敢行。

なかでも、気候変動の影響と近代化が急速に進むグリーンランドに焦点を当て、先住民集落として世界最北に位置する集落、氷山の町などでのキャンプ生活を交え約1カ月半をかけ、現地の様子を肌で感じる旅をしてきた結果生まれたのが、今回の作品です。

展示では、主にグリーンランド北部に住む先住民たちの現在の姿を捉えた約40点ほど展示されます。

今回の展示にあたっての、遠藤さんの思いを以下引用します。

大地の殆どが氷に閉ざされ、-30℃を下回る気温と数ヶ月も太陽が昇らない地。文明よりも自然が遥かに大きな環境と、わずかな人々の輪。野生の毛皮を身に纏い、犬ぞりに乗って狩りをしながら暮らす人々。グリーンランド北部に暮らすイヌイットは狩猟で得る食物を「本来人間が食べるもの」とし、その恵みを分け合いながら暮らしてきた。自分が訪れるとは思いもしなかったその地球の北の果て。GFXを手に写真という目的がそこに訪れた自分の存在と未知への体験を成立させる。生と死。命を頂くこと。それらが今の私たちの生活からはかけ離れた次元で調和する世界。写真はその世界のさらに奥行きを教えてくれる。大地を見守る長老の言葉。狩りに出かけ犬ぞりから見た未知の星のような光景。海氷に積もった雪の上を歩く感触。野生の恵みをいただく感謝。極寒の地で楽園を思わせる穏やかな鳥のさえずりと、そこに暮らす人々の温かな眼差し。小さな先住民の集落から見つめた私たちの世界と変わりゆく民族の暮らし。私はこの北限を生きる人々の姿に何か重要なメッセージがあるように思えてならないのです。

自然の静けさ、美しさ、厳しさなどさまざまな姿が表れたカラー写真や、先住民の暮らしや表情をドラマティックに捉えたモノクロ写真。

“環境破壊反対!”と声を上げるだけではなく、作品を通じたその先に、この景色を残すためにはどんなことが必要なのかを鑑賞者に考えさせる…、これこそアートが持つ力のひとつでしょう!

Text_Shinri Kobayashi


遠藤 励 写真展「北限の今に生きる」
会期:2018年9月14(金)〜9月27日(木)
会場:富士フイルムスクエア Gallery-X
営業:10:00〜19:00 (入館は18:50まで)、会期中無休
住所:東京都港区赤坂9-7-3 富士フイルム 東京ミッドタウン本社1階 フジフイルムスクエア内
電話:03-6271-3782

写真展公式ページ
http://fujifilm-x.com/gallery_x/ja/detail/20180914.html

写真家 遠藤 励(えんどう つとむ)
1978年長野県大町市生まれ。スノーボード界に精通し雪山での撮影に特化。自らもプレイヤーとして90年代より安曇野のシーンの開拓や世界各地の雪山やコミュニティを訪れ、ボードカルチャーの潮流を20年間に渡り撮影し続けている。また、これまでの活動から気候と地球の変化を体感。写真の持つ可能性を信じ、アート表現の探求やネイチャー、カルチャーなど躍動するこの星の輝きと命との調和を求めて世界中の旅を重ねている。北極クラブ会員。作品集に「inner focus」(小学館)がある。
www.tsutomuendo.com

Source: フィナム

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