『HYPEBEAST』でもデビューコレクションとなる2018年秋冬シーズンのルックビジュアルをご紹介した日本発の注目新メンズブランド、〈scair(スケアー)〉。再構築と脱構築を意味する“reconstruction + deconstruction”をコンセプトに掲げ、音楽のマッシュアップのような作業を経て既存の価値や解釈を新たに再構築したアパレルアイテムを発信する注目新鋭ブランドだが、本稿では〈scair〉がセカンドシーズン目に展開する他に類を見ない斬新な取り組みをご紹介。
セカンドシーズン目となる2019年春夏シーズン、〈scair〉は定番アイテムを除くコレクションアイテムを全て1型1色10着のみという超限定数で生産。これは、大量生産によって需要と供給のバランスが崩れた結果、セールでの販売やブランド価値を守るためにブランドのよっては数十億円相当の商品を焼却処分するという、ファッション業界の中ではある種当たり前とされている流れの逆を行く取り組みであり、小売店での販売枚数もブランド側がコントロールを行うもの。
1型1色10着のみという超限定数での生産は前例の見当たらない取り組みであり、利害的な視点で見ればブランド側にメリットはなく、むしろマイナス要素の方が多いことは誰の目から見ても明白。しかしその10着のみという分母が公表されることで、実際に商品を手にするエンドユーザーにとってみれば、大量生産品とは比較することすら出来ないモノへの貴重性や付加価値が加わり、極めて消費者側の立場に立ち、そして現在のファッション業界にアンチテーゼを突きつける反体制的かつ開拓者的な取り組みということができるだろう。
まずは〈scair〉が2019年春夏シーズンに向けて制作したポストカードビジュアルとその10着限定で生産されるアイテムデザインを上から確認してみよう。
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Source: HYPE BEAST