毎シーズン、ある事象にしっかりと踏み込んだテーマを設定し、コンセプチュアルな服作りを行っている〈ヒューミス(HUMIS)〉。2018AWのテーマは「…Meets Gerda」。
戦場カメラマンとして歴史的に名を馳せたロバート・キャパ。しかし、この名前が本名でないことを知っているひとは限られるのではないでしょうか。初期の作品群は、フリードマン(男)とゲルダ(女)という2人の写真家の共同作業によるものでした。
ロバート・キャパの有名な作品の多くがゲルダによって撮影されたと言われているのですが、彼女は26歳の若さで戦死し、一人となったフリードマンがロバート・キャパとなったというわけです。ただ、この経緯には謎も多いらしく、ゲルダ亡きあとのフリードマンも多くを語らなかったそうです。
今回のコレクションは、夭逝したゲルダに思いを馳せたものとなっています。ブランドが得意とするミリタリーテイストを、イレギュラーなディテールで飾りつつ、キャパが躍動した当時の年代のイメージを練りこんでいます。
カルチャーをまとう服、〈ヒューミス〉。コレクションのテーマを知るたびに、必ず長々とリサーチしてしまいます。こうして新たな知識欲を喚起してくれるブランドってそう多くはないと思いませんか?
Text_Ryo Komuta
HUMIS
humis.net
Source: フィナム