「サントス」は世界初の実用腕時計だ。ブラジル生まれの大富豪、アルベルト・サントス=デュモンからの依頼に三代目のルイ・カルティエが応えたものだった。アルベルトは飛行士としても名を馳せており、操縦桿を握ったまま時間を確認しようと思えば懐中時計では具合が悪かったのだ。
丸みを帯びた角形のケース、あえて露出させた8本のビスといったオリジンのデザインを踏襲しつつ、ベゼルとブレスレットを一本のラインで結んだ最新モデルの「サントス」はどんな腕時計よりも洗練されている。プリンス・オブ・ウェールズ(エドワード七世)の「王の宝石商であるがゆえに、宝石商の王」という〈カルティエ(Cartier)〉への賛辞はあまりにも有名だが、そのルーツが彼我の差を生む。
今作ではデザインに加え、ファンクションもアップデートしている。ひとつがストラップ交換システムのクイックスイッチ、もうひとつがブレスレットの長さが調整できるスマートリンクだ。
いずれも道具をつかわず瞬時に行えるところがミソであり、それは時計本体のみならず、オーナーの立ち居振る舞いにも洗練を求めた結果である。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
カルティエ カスタマー サービスセンター
電話:0120-301-757
www.cartier.jp
Source: フィナム