「Amazon Fashion Week TOKYO 2018 A/W」の熱りがようやく冷めた3月28日(水)、これまでパリ、ミラノ、ロンドンと世界的なファッション都市を巡ってきた〈Maison Mihara Yasuhiro(メゾン ミハラヤスヒロ)〉が、ブランド創設20周年の節目として東京・秩父宮ラグビー場にて凱旋ランウェイショーを開催した。
1994年にデザイナー三原康裕とともに「Sosu(ソスウ)」を設立し、20数年に渡り幾多の挑戦を支えてきたCEO・陵本望援のラストステージとなった今回は、同氏との歴史を振り返るようにアーカイブ作品を再解釈した“Proto-Type(プロトタイプ)”をテーマに掲げ、国内外から高い評価を受けるスタイリストの高橋ラムダを新たに起用するなど、〈MMY〉の集大成と次なる目標を示す場所となった。
インストジャズバンドのSOIL & “PIMP” SESSIONS(ソイル アンド ピンプセッションズ)のBGM、そしてざわめく観客たちを煽るかのようにアジエイターに扮した三原のホイッスルに誘導されランウェイ会場に乗り出す大型コンテナトラック。合図とともに両サイドのガロウィングがオープンし、中から若手ラッパーとして各方面から注目を集めるKick a Show(キッカショウ)やストレートな物言いでバラエティ番組に引っ張りだこのIVAN(アイヴァン)、長髪と鋭い眼光で海外ブランドのショーにも参加する中野皓など、総勢41名ものモデルらが登場した。
これまでにない異様な雰囲気に包まれたランウェイでは、仮縫いを敢えてデザインとして表現したテーラードジャケットやアームホールを複数用いたデニムジャケット、プロレスラー真壁刀義を連想させる鎖付きのモッズコートなどに加え、情報解禁間近の〈DC Shoes(DCシューズ)〉とタッグを組んだコラボスニーカーが業界人たちの視線をさらった。
『HYPEBEAST』では、三原康裕の並外れたクリエイション力が垣間見える舞台裏への潜入許可を得た。ひとまず上のフォトロールより終始笑顔に包まれたモデルやスタッフたち、そして異なる角度から捉えた洋服の数々をチェックしてみてほしい。また、世界のクリエイターに刺激を与える三原氏の独占インタビューもあわせてご確認を。
– 今回のランウェイショーのコンセプトは何ですか?
正直コンセプチュアルなショーは海外でも飽きるほどやってきたから、ある種ひどいショーをやりたかったんだよね。東京には顔馴染みの人たちもいるし、恩返しの意味も込めてそこで今まで通りかしこまったショーをやるのもちょっと違うのかなと……。モデルが颯爽と歩くのは変わりないけど、かっこいいってのに飽きたから自分でもオーガナイズできないものにしてやろうと(笑)。
– スタイリストに高橋ラムダ氏を起用したきっかけは?
暇があれば雑誌やWebを見ているんだけど、そこでいつもいいなと思うスタイリングがすべてラムダ君だったんだよ。彼は良い意味、脱力感に似たテキトーさがあるからね(笑)。ロンドンやミラノのときは、自分のなかのボーダーラインを超える海外のスタイリストを起用してたけど、今の気分は同世代で東洋文化をわかる人に任せたいって気持ちもあったからお願いしたんだよ。
– DC Shoesとのコラボレーションについて聞かせていただけますか?
昔うちの会社にいたスタッフから連絡をもらったのがきっかけかな。Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)やBalenciaga(バレンシアガ)がやるような今どきなスニーカーは作る気分にならなかったけど、DC Shoes(DCシューズ)ならやりたいなと。その理由としては、昔から変わらないイナタさが今もまだ残っているし、ほど良いアングラ感がたまらなく好きなんだよね。6月に発売するこのコラボモデル2型もシュータンをサイズアップしてカラフルに染め上げ、街中でも存在感を放つシューズを意識したよ。
– 今後の展望はありますか?
最近、昔の自分のクリエイションが面白くなってきんだよね。雑誌や街中で人間観察をしていて、あの人いい靴履いてるな!って思ったら過去に自分が作ったものだったり……。だから僕はこれからも次世代のクリエイターたちに時代が経っても色褪せない新しい価値観のファッションを届けたいなと思ってるよ。今回のショーも集大成でもあるけど、これから始まる前夜祭でもあるからね。
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Source: HYPE BEAST