Rewrite
歴史的背景を持つ、ヴィンテージ古着。人気が高く希少なアイテムの価値は高まり続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式で紹介。第54回は「リー(Lee)」ウエスターナー編。

2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
目次
リーのジーンズがカウボーイから支持を得た理由
「リーバイス(Levi’s®)」「ラングラー(Wrangler)」と並んで3大デニムブランドを呼ばれるリー。ですが、今回紹介するのはデニムではありません。1959年に登場したウエスターナーというコットンサテン素材のアイテムです。

Image by: FASHIONSNAP
まずは、リーの歴史をざっくりと紹介しましょう。創業は1889年。当初は食料品や雑貨を扱っていましたが、その後扱うようになった作業着の入荷に頻繁に遅れが生じるようになったため、1911年に自社縫製工場でワークウェアの製造を始めます。1913年に開発したユニオンオールというツナギは、その機能性の高さから工員や農夫、鉄道員の間で評判になり、1917年には米国政府からアメリカ軍用ウェアの発注を受けるようになりました。

そんなリーのブランドイメージを決定づけたのが、1924年に発売した世界初の本格的カウボーイジーンズとされる「リー カウボーイパンツ」(のちの「101‐B」)。1920年代のアメリカでは人口の増加に比例して食肉や牛乳のために飼育される牛の数も増えており、畜産業に従事するカウボーイが着用するウェアのニーズも高まっていたんです。それまでのジーンズのポケットには、補強用として主に金属製のリベットが付けられていましたが、リベットはカウボーイの財産とも言えるサドル(鞍)を傷つけてしまうことがあります。そこでリーは、リベットの代わりにスレッドリペット(かんぬき止め)を採用し、カウボーイからの支持を得たのです。カウボーイはその後、西部劇を通してアメリカの西部開拓時代の象徴となります。こうしてリーは、ワークやウエスタンカルチャーのイメージが強いブランドになりました。

ウエスターナーパンツ(1970s)
Image by: FASHIONSNAP

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機能性とファッション性を両立、ウエスターナーの相場は?
今回ピックアップしたウエスターナーは、直訳すると「西部出身者」。ウエスタンを強く打ち出したアイテムですが、デニム素材は用いられていません。当時のウエスターナーの広告には、「DRESS UP TO THE JOB=仕事に合わせてドレスアップ」と記されています。つまり、ウエスターナーはドレスアップを目的としたウエスタンウェアとして開発されたのです。別のウエスターナーの広告では「頑丈なのにドレスアップにもピッタリ!」「織り込み強度を高めた独自のコットン素材で、長く愛用でき、美しいシルエットを保ちます」とアピールしており、機能性とファッション性の両方を強く訴求するアイテムだったことがわかります。前述の通り、ウエスターナーが生まれたのは1959年。そんな時代から、「機能性とファッション性の両立」をコンセプトとしたアイテムがあったことに驚きますね。
ウエスターナーのジャケットは基本的に丈が短く着こなしが難しいのですが、ロングモデルという着丈が長いものも存在します。ロングモデルのほうが着やすいうえ、希少性が高いので高値になる傾向があります。

ウエスターナージャケット(1960s)
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前期型はタグにレジスターマークが入らず60年代後半から「MR」の文字が入る
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ボタンにはリーの刻印
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ネバダ州の設立100周年記念の背面刺繍
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ポケット内のユニオンチケット
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個人的には、この1970年代の個体のようなワッペンでカスタマイズされたデザインが、最近気になっています。ワッペンや刺繍が施されたヴィンテージは、1990年代は人気だったものの、その後はあまり注目されていませんでした。しかし、近年再び評価が高まっているように感じます。

ウエスターナージャケット(1970s)
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後期型はタグにレジスターマークと「MADE IN U.S.A.」表記があり70年代後半の個体からはサイズ表記がなくなる
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ボタンにはリーの刻印
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ジャケット、パンツ、シャツという多彩なバリエーションもウエスターナーの魅力のひとつ。残っている個体に大きめのものが少ないので、ジャケットの場合大きいサイズのロングモデルは15万円〜と、相場はちょっと高め。ですが、小さめだと4〜5万円くらいから見つかることもあります。もっと手軽に手に入れられる復刻版も多数出ているので、気になる方は是非チェックしてみてください。

ウエスターナーシャツ(1970s)
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編集:山田耕史 語り:十倍直昭

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歴史的背景を持つ、ヴィンテージ古着。人気が高く希少なアイテムの価値は高まり続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式で紹介。第54回は「リー(Lee)」ウエスターナー編。

2008年よりヴィンテージショップを運営。その後2021年には、ヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、来場者を1万人以上を動員する、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。
また渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」、エルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLERY」を運営。
2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴィンテージを軸とした様々な分野で活動し、全国のヴィンテージショップとファンを繋げる場の提供や情報発信を行っている。
リーのジーンズがカウボーイから支持を得た理由
「リーバイス(Levi’s®)」「ラングラー(Wrangler)」と並んで3大デニムブランドを呼ばれるリー。ですが、今回紹介するのはデニムではありません。1959年に登場したウエスターナーというコットンサテン素材のアイテムです。

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まずは、リーの歴史をざっくりと紹介しましょう。創業は1889年。当初は食料品や雑貨を扱っていましたが、その後扱うようになった作業着の入荷に頻繁に遅れが生じるようになったため、1911年に自社縫製工場でワークウェアの製造を始めます。1913年に開発したユニオンオールというツナギは、その機能性の高さから工員や農夫、鉄道員の間で評判になり、1917年には米国政府からアメリカ軍用ウェアの発注を受けるようになりました。

そんなリーのブランドイメージを決定づけたのが、1924年に発売した世界初の本格的カウボーイジーンズとされる「リー カウボーイパンツ」(のちの「101‐B」)。1920年代のアメリカでは人口の増加に比例して食肉や牛乳のために飼育される牛の数も増えており、畜産業に従事するカウボーイが着用するウェアのニーズも高まっていたんです。それまでのジーンズのポケットには、補強用として主に金属製のリベットが付けられていましたが、リベットはカウボーイの財産とも言えるサドル(鞍)を傷つけてしまうことがあります。そこでリーは、リベットの代わりにスレッドリペット(かんぬき止め)を採用し、カウボーイからの支持を得たのです。カウボーイはその後、西部劇を通してアメリカの西部開拓時代の象徴となります。こうしてリーは、ワークやウエスタンカルチャーのイメージが強いブランドになりました。

ウエスターナーパンツ(1970s)
Image by: FASHIONSNAP

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機能性とファッション性を両立、ウエスターナーの相場は?
今回ピックアップしたウエスターナーは、直訳すると「西部出身者」。ウエスタンを強く打ち出したアイテムですが、デニム素材は用いられていません。当時のウエスターナーの広告には、「DRESS UP TO THE JOB=仕事に合わせてドレスアップ」と記されています。つまり、ウエスターナーはドレスアップを目的としたウエスタンウェアとして開発されたのです。別のウエスターナーの広告では「頑丈なのにドレスアップにもピッタリ!」「織り込み強度を高めた独自のコットン素材で、長く愛用でき、美しいシルエットを保ちます」とアピールしており、機能性とファッション性の両方を強く訴求するアイテムだったことがわかります。前述の通り、ウエスターナーが生まれたのは1959年。そんな時代から、「機能性とファッション性の両立」をコンセプトとしたアイテムがあったことに驚きますね。
ウエスターナーのジャケットは基本的に丈が短く着こなしが難しいのですが、ロングモデルという着丈が長いものも存在します。ロングモデルのほうが着やすいうえ、希少性が高いので高値になる傾向があります。

ウエスターナージャケット(1960s)
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前期型はタグにレジスターマークが入らず60年代後半から「MR」の文字が入る
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ボタンにはリーの刻印
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ネバダ州の設立100周年記念の背面刺繍
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ポケット内のユニオンチケット
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個人的には、この1970年代の個体のようなワッペンでカスタマイズされたデザインが、最近気になっています。ワッペンや刺繍が施されたヴィンテージは、1990年代は人気だったものの、その後はあまり注目されていませんでした。しかし、近年再び評価が高まっているように感じます。

ウエスターナージャケット(1970s)
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後期型はタグにレジスターマークと「MADE IN U.S.A.」表記があり70年代後半の個体からはサイズ表記がなくなる
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ボタンにはリーの刻印
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ジャケット、パンツ、シャツという多彩なバリエーションもウエスターナーの魅力のひとつ。残っている個体に大きめのものが少ないので、ジャケットの場合大きいサイズのロングモデルは15万円〜と、相場はちょっと高め。ですが、小さめだと4〜5万円くらいから見つかることもあります。もっと手軽に手に入れられる復刻版も多数出ているので、気になる方は是非チェックしてみてください。

ウエスターナーシャツ(1970s)
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編集:山田耕史 語り:十倍直昭

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