目から飛び出す光線は赤い光に包まれた〈プラダ(PRADA)〉のロゴ。なんとも楽しげなイラストを描いたのは、ジェームス・ジーン。DCやマーベルのアメコミをカバーして数々の賞を受賞、村上隆やギレルモ・デル・トロ、現代最強の絵師といわれる寺田克也が注目するロサンゼルス在住の台湾人アーティストだ。
日本の伝統的な木版画や葛飾北斎、月岡芳年などの浮世絵から影響を受けた彼の作風はコミックをモチーフとしつつ、どこか幽玄な雰囲気も漂う。おかげでレトロシックなフォルム、テクスチャーにもすんなりと溶け込む。デザイナーのミウッチャ・プラダは手描きのその世界に仮想現実にはない、リアリティを求めたのかも知れない。
1993年にプラダ財団の前身となる機関を設立し、2015年にはミラノにアートの複合施設をオープンするなど、〈プラダ〉はファッションハウスのなかでもことのほかアートへの造詣が深い。アートで遊ばせれば、〈プラダ〉の独壇場だ。
Photo_Hiroyuki Takashima
Text_Kei Takegawa
Edit_Ryo Muramatsu
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Source: フィナム