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東京で開催中のヴァージル・アブロー初の個展 “PAY PER VIEW” に潜入

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『Kaikai Kiki Gallery』では3月16日(金)より、Virgil Abloh(ヴァージル・アブロー)の個展“PAY PER VIEW”が開催されている。「俺たちは全員、消費という行為によって形作られている」、そんなキャッチコピーを掲げる本展では、メディアが人類による世界の見方にいかに重大な影響を与えているのかを示すものだ。

ひとつめの部屋の中央には、モーターレース「NASCAR(ナスカー)」の公式スポンサーである石油会社「SUNOCO(スノコ)」の脚の折れたガソリンスタンド看板が鎮座。また、そのアートピースを背にした正面には、「“ADVERTISE HERE”」の文字が書かれたキャンバスが設置されているが、その下に添えられている電話番号「+1-855-633-9483」はVirgil本人のTwitterにも記載があり、実際にここに電話をかけると〈Off-White™️(オフホワイト)〉のデザイナーが2016年春のコレクション“Blue Collar”の説明をしてくれるのだ。また、ローラーなどは一切使用せず、黒い油絵具と画筆で塗り潰された3,000cm x 1,000cmのキャンバスは、戦前に抽象絵画を手掛けた最初の人物、Kasimir Malevich(カジミール・マレーヴィチ)の作品“黒の正方形”にインスパイアされている。美術史に大きな足跡を残し、存在論や認識論など様々な角度から分析されたこの名画は、視覚的刺激や意味をなすものを排除した完全なる抽象画であるが、Virgilが一人で描き上げたキャンバスの下には、「JCDecaux(ジーセードコー)」、「OUTFRONT(アウトフロント)」、「LAMAR(ラマー)」といった広告企業のロゴを配置。これによりVirgilは、Malevichの対話のルールを使って線と線をつなぎ、鑑賞者は広告が持つ力を突き詰めて蒸留したところに残る核心である、という内在的な意図を解き明かしているのだ。

一方、奥の部屋は床一面が畳に。中央に置かれたサイネージに流れてるのは、バルセロナで撮影した〈Off-White™️〉のコレクションムービーだが、「Coca-Cola(コカ・コーラ)」、「DASANI(ダサニ)」、「Perrier(ペリエ)」など、世界的知名度を持つ飲料のロゴを表示するアナログな作品と、スプレーペイントを施した4枚綴りのキャンバスが同居することにより、そこでは不思議な感覚に陥る空間のミスマッチが生じている。

“PAY PER VIEW”の展示の様子は上のフォトギャラリーよりご確認いただけるが、作品を俯瞰で捉え、感覚を研ぎ澄ますことで伝わってくるVirgilのメッセージはこの空間でしか感じることができない。以下の会期とご自身のスケジュールを照らし合わせ、是非『Kaikai Kiki Gallery』まで足を運んでみてほしい。

なお、『HYPEBEAST』は本展開催まで、Virgilに独占密着。後日、制作現場やその過程を記録したドキュメンタリーを公開予定なので、我々からのアップデートをお見逃しなく。

Virgil Abloh “PAY PER VIEW” @ Kaikai Kiki Gallery
住所:東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1
会期:2018年3月16日(金)〜4月1日(日)
時間:11:00 – 19:00
休館日:日、月、祝(最終日の4月1日のみ日曜営業)

Click here to view full gallery at HYPEBEAST.JP



Source: HYPE BEAST

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