とどまることを知らない未曾有の古着ブーム。歴史的背景を持つヴィンテージの価値も高騰を続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式で紹介。第36回は「リーバイス(Levi’s®)」 アクションスラックス編。
![](https://cld.fashionsnap.com/image/upload/ar_1:1,bo_5px_solid_rgb:ffffff,c_fill,f_png,g_auto,q_auto,w_65,dpr_1.0/asset/profile/images/2025/01/S__9666601-82174533-1b11-4d3c-a223-59e8c2872742.jpg)
2008年にセレクトヴィンテージショップ「グリモワール(Grimoire)」をオープンしたのち、2021年にはヴィンテージ総合プラットフォーム VCM(@vcm_vintagecollectionmall)を立ち上げ、日本最大級のヴィンテージの祭典「VCM VINTAGE MARKET」を主催している。また、渋谷パルコにて、マーケット型ショップの「VCM MARKET BOOTH」やエルメスジュエリーを専門に取り扱う予約制ショップ「VCM COLLECTION STORE」、イベントスペース「VCM GALLEY」を運営。2023年10月には初の書籍「Vintage Collectables by VCM」を刊行するなど、ヴ…
「デニムのリーバイス」が打ち出した高機能スラックス
リーバイスはデニムジーンズの代名詞と言えるブランドですが、今回ピックアップしたのはデニムでなくアクションスラックス(ACTION SLACKS)というパンツです。「リーバイスがスラックス?」と意外に思う人もいるかもしれませんが、このアイテムが登場したのは1971年。50年以上の歴史を持つアイテムなんです。
![リーバイス アクションスラックス](https://fashionsnap-assets.com/asset/format=auto,width=1088/article/images/2025/01/1220_vcm_00107-bc1f171d-3f0b-4351-bd0d-8e4ac239196d.jpg)
![](https://fashionsnap-assets.com/asset/format=auto,width=1088/article/images/2025/01/1220_vcm_00108-9820d102-f0d8-4ee3-b7be-783b17084f03.jpg)
ドミニカ製の2000年代のアイテム
Image by: FASHIONSNAP
実はリーバイス、それよりも前の1963年からスタプレ(STA-PREST)というスラックスタイプのパンツを展開していました。スタプレは、クリース(中央の折り目)が洗濯しても取れないという、当時革新的だった技術を取り入れたアイテムでした。つまり、それまでのスラックスには必要不可欠だったアイロンがけが不要になったということ。当時のスタプレの広告では「Never Needs Iron