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去る12月14日、東京・原宿の地に『Babylon Tokyo(バビロン・トーキョー)』がオープンした。ハードコア・パンク・バンド トラッシュ・トーク(TRASH TALK)のメンバーであるリー・スピールマン(Lee Spielman)とギャレット・スティーブンソン(Garrett Stevenson)手掛ける〈Babylon(バビロン)〉は、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするストリートブランド/ストア/コミュニティ。『Babylon Tokyo』は、彼らにとって通算3店舗目となり、アメリカ国外では初のスペースとなる。

『Hypebeast』読者の中には、もはや彼らのバンド活動を知らない方もいるかと思うが、2005年にサクラメントにて結成されたトラッシュ・トークは、2010年代初頭に旋風を巻き起こしたヒップホップレーベル「Odd Future Records(オッド・フューチャー・レコード)」からリリース経験もあり、カルチャーシーンと密接にリンクしながら、ファンベースを強固なものとしてきた。日本との関わりも比較的長く、2009年の初来日以降、精力的にツアーやライブを実施。ブランドとしては、2016年に東京・青山にある〈Off-White™️(オフホワイト)〉の旗艦店『“SOMETHING & ASSOCIATES” ℅ OFF-WHITE™ TOKYO』内にてポップアップを開催し、以来〈NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)〉〈Bounty Hunter(バウンティハンター)〉、盟友 VERDY(ヴェルディ)や河村康輔とのコラボレーションを通じて、日本のオーディエンスにも着実に認知されてきた。

下記でも本人たちが語っているが、直近は『Babylon Tokyo』の準備もあってか、頻繁に東京に滞在しているリーとギャレット(実際、筆者も週1以上のペースで彼らに遭遇する)。本稿では、『Babylon Tokyo』オープニング前に実施した特別インタビューをお届け。〈Babylon〉の理念から両者から見た東京の現状、気になる限定アイテムの話題、ブランド10周年を迎える2025年に向けた動きまでを訊いた。

Hypebeast:最近はどれくらいの頻度で来日していますか?

リー:ここ数年は、日本に活動拠点があるので、ロサンゼルスと行き来しながら、毎月どちらかが日本にいる状態。とても短い期間に往復することもあるから、僕らがいなくなって戻ってきたことに気づいていない友人もいるね(笑)。

日本でお店を開こうと思ったきっかけは?

ギャレット:日本は僕らにとって常に特別な場所だった。日本のパンク・シーンに関わり始めた初期の頃から、ファッションやそれを取り巻くカルチャーに夢中になっていたこともあって、日本で店を開くのは自然な流れだと感じていた。もう15年ほど定期的に来日してるけど、最初はただの旅行だったのが、いつしか生涯にわたる友情になったんだ。日本は家族のようなもので、Babylon Tokyoはその家庭の延長線上にある。自分たちのエネルギーを少しでも日本に届けられることに、ただただエキサイトしているよ。

店舗のコンセプトやテーマは何ですか?

リー:ストアのコンセプトは、ブランドの重要なキャッチフレーズにもなっている「Forever Under Construction(永遠に建設中)」というアイデアを中心に据えているよ。常に成長し続けること、常に構築し進化し続けることを意味しているんだ。Babylon Tokyoの側面全体にある破壊された巨大な穴は、LA店のデザインと共通するもので、壁を打ち破り、常に前進することの象徴であり、未来への窓でもある。この店舗にも同じ動きと進歩の感覚を反映させたかった。「Forever Under Construction」は、未完成であることだけを意味するのではなく、成長するためのスペースを生み出すことを意味しているんだ。

内装デザインなどは誰が手掛けたのですか?

ギャレット:店舗デザインはイタリアの建築設計事務所ASAと一緒に手掛けたんだ。プロジェクトを率いたパロ(Palo)とアルベルト(Alberto)との仕事は、最初から良いバイブスだったね。スケッチからレンダリング、そして実物に至るまで、単なるデザインではなく、真の体験となるものを作り上げているように感じたよ。自分たちのアイデアがコンセプトから現実になるのを見るのは素晴らしいの一言に尽きる。この上ない喜びだね。

LA店との違いは?

リー:東京とロサンゼルスは文化的に大きく異なるので、最大の違いは、それぞれの都市でできることとできないことだ。例えば、LAでは境界線を破る自由があるのに対して、東京では尊重しなければならない基準や文化的な常識が違う。東京での小売体験は、より素晴らしいものになるはずだ。日本で本当に際立っていることの1つは、職人技と細部へのこだわりのレベルの高さだよ。完全にネクストレベル。Babylon Tokyoは、これまでのどのスペースよりも、より緻密で、細かいところまで配慮が行き届いている。個人的にとても気に入っているのは、ハリウッドのハイランド・アベニューにある最初の店舗と同じように、まるで一軒家のように感じられることかな。

Babylon ファウンダーに訊く東京店オープンの背景やブランド10周年に向けた動きについて

東京店限定のリリースはありますか?

ギャレット:東京店では、他では手に入らない限定商品を常に用意しているよ。僕らにとっては、コラボレーションや特別なプロジェクトが実現する空間でエネルギーを生み出すことが全てなんだ。それに加えて、日本限定のウィメンズウェアもラインアップする。境界線を押し広げ、その時その場所でユニークなものを提供していきたいと思っている。

リー:来年にかけて、日本や海外の友人たちやコラボレーターと、素晴らしいプロジェクトに取り組んでいくよ。予定を見るだけでも気が狂いそうだ(笑)。Babylon Tokyoを媒介にして、普段は起こり得ないような新しいエネルギーを世界中から集めたいと考えている。オープニングでは、東京で最も長い間コラボレートしてきた友人と一緒に、本当に特別なカプセルコレクションを作ったんだ。たくさんのサプライズがあるので、期待して欲しい。まだ公にできないこともたくさんあるから!

東京に店舗を構える意義は何ですか?

リー:東京に店舗を構えることは、ずっと夢だったんだ。2008年にバンドとして初めて東京を訪れて以来、常にこの街に惹かれてきたからね。東京には独特のエネルギーがあり、人々の文化への関わり方が他の地域と比べて際立っている。東京は、ブランドが創り出すものの背後にあるストーリーを深く尊重している。小売業は時に、業務的だったりトレンドに左右されるように感じるけど、ここでは歴史への真の理解がある。東京はストーリーを伝えるプロジェクトを行うのに最適な場所だと思う。有意義な体験を大切にする環境があり、人々はそれを純粋に評価しているから。僕らブランドにとっては、製品を売ること以上に、長年にわたって愛し、学んできたことを分かち合い、その知識を伝えていくことが常に重要なんだ。東京は新しいアイデアに対してオープンであると同時に、過去を大切にしているよね。

東京でBabylonをどのように成長させたいですか?

ギャレット:新たな人々、クリエイターたち、ブランドと常に繋がり、このグローバルなネットワーク全体を成長させ続けることが僕らの目的さ。常にアンテナを張り、ストリートで何が起きているのか、コミュニティで何が話されているのかに耳を傾けている。それこそが、ブランドに持ち込みたいエネルギーなんだ。自分たちだけでできることよりも大きなことであり、対話やコラボレーション、共に成長することにフォーカスしているよ。そうやって東京からその先まで、ブランドが進化していくんだ。

東京には今も昔もたくさんの友人がいますが、初めて東京に来たときと比べて、東京のシーンはどう変わったと思いますか?

リー:東京が変わったというよりも、よりグローバルにつながったという感じかな。東京の次世代のクリエーターたちが、世界中の人々とつながっているのを見るのは素晴らしいこと。パリ、LA、香港などで東京の友人たちに会うのは最高だよ。今の東京の若者には本物のエネルギーがあり、そのエネルギーは国境を越えている。日本に来始めたころは、地元に戻ると自分たちが発見して好きになった音楽やブランド、アーティストの話ばかりしていたけど、いつも手が届かない感じがしていた。何年か経つにつれて、そのギャップは確実に小さくなってきている。東京とLAは、いつも繋がりがあるように感じるけど、それは両都市に同じクリエイティブ環境で働く良き友がいるからだ。唯一の本当の障壁は、常に言葉だった。Babylonでは、そのような世界をもっと繋げ、新しいプロジェクトに命を吹き込むためのスペースとしてストアを使いたいと考えているよ。

日本以外にAPAC地域に2店舗目をオープンすることに関心があるかどうか、あるとすればどの都市か。

ギャレット:数ヶ月前に、韓国・ソウルに滞在したんだ。そこでのエネルギーはネクストレベルだったね。シーンが生きている。音楽、ファッション、その全てにおいて、クリエイティビティと先進性が感じられる。そのバイブスからもっと多くのものを生み出し、シーンに入り込みたいと思っている。フレッシュでエキサイティングなものがたくさん発信されているソウルは、間違いなく私たちがもっと関わっていきたい場所だね。

トラッシュ・トークの活動とBabylonは、お互いにどのような影響を与え合っているのでしょうか?

ギャレット:僕らがバンドでやっていることの理念は、Babylonに如実に表れているね。勝敗に関係なく、常に自分たちの価値観で物事を進めてきたし、それは初日からDNAとして受け継がれている。Babylonの意思と方向性は、若き日のパンクロックな自分たちからそのまま来てるし、音楽とブランドの両方を通して、年を取る必要がないように感じる。どこにいても、どれだけ時間が経っても、自分たちが始めたことに忠実であり続け、前進し続けるだけだ。

ブランドが大きくなると、通常コントロールが難しくなる部分もあると思いますが、ビジネスとクリエイティブのバランスをどのように保っていますか?

ギャレット:自分でビジネスを行うことの素晴らしさは、好きなだけ手を動かせること。僕らには、それが常に大きな部分を占めている。自分たちのやっていることが本物である、それが全ての決断の中心なんだ。僕らは常に小さなチームでやってきた。それが一番やりやすいからね。正直なところ、もう少し寝たい時もあるけど(笑)。僕らのアウトプットは、単なるブランドではなく、自分自身を反映したものであるように常に心がけている。それがリアルであり、自分自身であり、常にそこに忠実であり続けているよ。

多くのアーティストやブランドとコラボしていますが、コラボ相手はどのように選んでいるのですか?

ギャレット:とても才能ある友人やアーティスト、ブランドに囲まれていて、とてもラッキーだった。これまで一緒に仕事をしてきたブランドやコラボレーターの中で、友情がなかった人は誰1人としていないよ。繋がりがすべてだね。信頼と尊敬があれば、自然にうまく着地すると思っている。

今後コラボレーションしてみたい人はいますか?

リー:コラボしたい人たちを挙げれば、長くなるよ(笑)。一緒に仕事をしたいバンドやアーティストについては、一生語れるな。共演したいミュージシャンはいるけど、ライセンスでのコラボはあまり好きじゃないから難しいね。ちょっと強引な感じがするんだろう。僕らが好きなプロジェクトは、アーティストやブランドと直接繋がって、何か特別なものを一緒に作ることができるものだね。でも実際、バッド・ブレインズ(Bad Brains)とは既に仕事をしているから、あとは何が残っているかなって感じもする(笑)。直接一緒にできるなら、レイモン・ペティボン(Raymond Pettibon)とはプロジェクトをやってみたいね。それは僕にとってバケットリストの1つになるよ。

今後の予定は?

リー:2025年は私たちにとって大きな年なんだ。Babylonにとっては10周年、トラッシュ・トークにとっては20周年だからね。この2つの節目を祝うために、たくさんの計画を立てているよ。Babylonについては、過去10年間に私たちがこのブランドと共に築き上げてきたもの全てにスポットライトを当てた、特別なプロジェクトやハイレベルなコラボレーションが目白押しの1年になる。Babylon Tokyoは、その全ての瞬間の震源地になる予定だよ。トラッシュ・トークでは、世界各地でアクティベーションやライブを実施するね。長年にわたって行けなかった都市がたくさんあるんだ。この1年は、どのライブも本当にクレイジーで、エネルギーはますます高まっているように感じる。20年という節目を迎えて、そこに傾倒していくのが本当に楽しみだ。これだけの時間が経っても、バンドがかつてないほどハードに活動していると思うと、現実離れしているね(笑)。

Babylon ファウンダーに訊く東京店オープンの背景やブランド10周年に向けた動きについて

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去る12月14日、東京・原宿の地に『Babylon Tokyo(バビロン・トーキョー)』がオープンした。ハードコア・パンク・バンド トラッシュ・トーク(TRASH TALK)のメンバーであるリー・スピールマン(Lee Spielman)とギャレット・スティーブンソン(Garrett Stevenson)手掛ける〈Babylon(バビロン)〉は、アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするストリートブランド/ストア/コミュニティ。『Babylon Tokyo』は、彼らにとって通算3店舗目となり、アメリカ国外では初のスペースとなる。

『Hypebeast』読者の中には、もはや彼らのバンド活動を知らない方もいるかと思うが、2005年にサクラメントにて結成されたトラッシュ・トークは、2010年代初頭に旋風を巻き起こしたヒップホップレーベル「Odd Future Records(オッド・フューチャー・レコード)」からリリース経験もあり、カルチャーシーンと密接にリンクしながら、ファンベースを強固なものとしてきた。日本との関わりも比較的長く、2009年の初来日以降、精力的にツアーやライブを実施。ブランドとしては、2016年に東京・青山にある〈Off-White™️(オフホワイト)〉の旗艦店『“SOMETHING & ASSOCIATES” ℅ OFF-WHITE™ TOKYO』内にてポップアップを開催し、以来〈NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)〉〈Bounty Hunter(バウンティハンター)〉、盟友 VERDY(ヴェルディ)や河村康輔とのコラボレーションを通じて、日本のオーディエンスにも着実に認知されてきた。

下記でも本人たちが語っているが、直近は『Babylon Tokyo』の準備もあってか、頻繁に東京に滞在しているリーとギャレット(実際、筆者も週1以上のペースで彼らに遭遇する)。本稿では、『Babylon Tokyo』オープニング前に実施した特別インタビューをお届け。〈Babylon〉の理念から両者から見た東京の現状、気になる限定アイテムの話題、ブランド10周年を迎える2025年に向けた動きまでを訊いた。

Hypebeast:最近はどれくらいの頻度で来日していますか?

リー:ここ数年は、日本に活動拠点があるので、ロサンゼルスと行き来しながら、毎月どちらかが日本にいる状態。とても短い期間に往復することもあるから、僕らがいなくなって戻ってきたことに気づいていない友人もいるね(笑)。

日本でお店を開こうと思ったきっかけは?

ギャレット:日本は僕らにとって常に特別な場所だった。日本のパンク・シーンに関わり始めた初期の頃から、ファッションやそれを取り巻くカルチャーに夢中になっていたこともあって、日本で店を開くのは自然な流れだと感じていた。もう15年ほど定期的に来日してるけど、最初はただの旅行だったのが、いつしか生涯にわたる友情になったんだ。日本は家族のようなもので、Babylon Tokyoはその家庭の延長線上にある。自分たちのエネルギーを少しでも日本に届けられることに、ただただエキサイトしているよ。

店舗のコンセプトやテーマは何ですか?

リー:ストアのコンセプトは、ブランドの重要なキャッチフレーズにもなっている「Forever Under Construction(永遠に建設中)」というアイデアを中心に据えているよ。常に成長し続けること、常に構築し進化し続けることを意味しているんだ。Babylon Tokyoの側面全体にある破壊された巨大な穴は、LA店のデザインと共通するもので、壁を打ち破り、常に前進することの象徴であり、未来への窓でもある。この店舗にも同じ動きと進歩の感覚を反映させたかった。「Forever Under Construction」は、未完成であることだけを意味するのではなく、成長するためのスペースを生み出すことを意味しているんだ。

内装デザインなどは誰が手掛けたのですか?

ギャレット:店舗デザインはイタリアの建築設計事務所ASAと一緒に手掛けたんだ。プロジェクトを率いたパロ(Palo)とアルベルト(Alberto)との仕事は、最初から良いバイブスだったね。スケッチからレンダリング、そして実物に至るまで、単なるデザインではなく、真の体験となるものを作り上げているように感じたよ。自分たちのアイデアがコンセプトから現実になるのを見るのは素晴らしいの一言に尽きる。この上ない喜びだね。

LA店との違いは?

リー:東京とロサンゼルスは文化的に大きく異なるので、最大の違いは、それぞれの都市でできることとできないことだ。例えば、LAでは境界線を破る自由があるのに対して、東京では尊重しなければならない基準や文化的な常識が違う。東京での小売体験は、より素晴らしいものになるはずだ。日本で本当に際立っていることの1つは、職人技と細部へのこだわりのレベルの高さだよ。完全にネクストレベル。Babylon Tokyoは、これまでのどのスペースよりも、より緻密で、細かいところまで配慮が行き届いている。個人的にとても気に入っているのは、ハリウッドのハイランド・アベニューにある最初の店舗と同じように、まるで一軒家のように感じられることかな。

Babylon ファウンダーに訊く東京店オープンの背景やブランド10周年に向けた動きについて

東京店限定のリリースはありますか?

ギャレット:東京店では、他では手に入らない限定商品を常に用意しているよ。僕らにとっては、コラボレーションや特別なプロジェクトが実現する空間でエネルギーを生み出すことが全てなんだ。それに加えて、日本限定のウィメンズウェアもラインアップする。境界線を押し広げ、その時その場所でユニークなものを提供していきたいと思っている。

リー:来年にかけて、日本や海外の友人たちやコラボレーターと、素晴らしいプロジェクトに取り組んでいくよ。予定を見るだけでも気が狂いそうだ(笑)。Babylon Tokyoを媒介にして、普段は起こり得ないような新しいエネルギーを世界中から集めたいと考えている。オープニングでは、東京で最も長い間コラボレートしてきた友人と一緒に、本当に特別なカプセルコレクションを作ったんだ。たくさんのサプライズがあるので、期待して欲しい。まだ公にできないこともたくさんあるから!

東京に店舗を構える意義は何ですか?

リー:東京に店舗を構えることは、ずっと夢だったんだ。2008年にバンドとして初めて東京を訪れて以来、常にこの街に惹かれてきたからね。東京には独特のエネルギーがあり、人々の文化への関わり方が他の地域と比べて際立っている。東京は、ブランドが創り出すものの背後にあるストーリーを深く尊重している。小売業は時に、業務的だったりトレンドに左右されるように感じるけど、ここでは歴史への真の理解がある。東京はストーリーを伝えるプロジェクトを行うのに最適な場所だと思う。有意義な体験を大切にする環境があり、人々はそれを純粋に評価しているから。僕らブランドにとっては、製品を売ること以上に、長年にわたって愛し、学んできたことを分かち合い、その知識を伝えていくことが常に重要なんだ。東京は新しいアイデアに対してオープンであると同時に、過去を大切にしているよね。

東京でBabylonをどのように成長させたいですか?

ギャレット:新たな人々、クリエイターたち、ブランドと常に繋がり、このグローバルなネットワーク全体を成長させ続けることが僕らの目的さ。常にアンテナを張り、ストリートで何が起きているのか、コミュニティで何が話されているのかに耳を傾けている。それこそが、ブランドに持ち込みたいエネルギーなんだ。自分たちだけでできることよりも大きなことであり、対話やコラボレーション、共に成長することにフォーカスしているよ。そうやって東京からその先まで、ブランドが進化していくんだ。

東京には今も昔もたくさんの友人がいますが、初めて東京に来たときと比べて、東京のシーンはどう変わったと思いますか?

リー:東京が変わったというよりも、よりグローバルにつながったという感じかな。東京の次世代のクリエーターたちが、世界中の人々とつながっているのを見るのは素晴らしいこと。パリ、LA、香港などで東京の友人たちに会うのは最高だよ。今の東京の若者には本物のエネルギーがあり、そのエネルギーは国境を越えている。日本に来始めたころは、地元に戻ると自分たちが発見して好きになった音楽やブランド、アーティストの話ばかりしていたけど、いつも手が届かない感じがしていた。何年か経つにつれて、そのギャップは確実に小さくなってきている。東京とLAは、いつも繋がりがあるように感じるけど、それは両都市に同じクリエイティブ環境で働く良き友がいるからだ。唯一の本当の障壁は、常に言葉だった。Babylonでは、そのような世界をもっと繋げ、新しいプロジェクトに命を吹き込むためのスペースとしてストアを使いたいと考えているよ。

日本以外にAPAC地域に2店舗目をオープンすることに関心があるかどうか、あるとすればどの都市か。

ギャレット:数ヶ月前に、韓国・ソウルに滞在したんだ。そこでのエネルギーはネクストレベルだったね。シーンが生きている。音楽、ファッション、その全てにおいて、クリエイティビティと先進性が感じられる。そのバイブスからもっと多くのものを生み出し、シーンに入り込みたいと思っている。フレッシュでエキサイティングなものがたくさん発信されているソウルは、間違いなく私たちがもっと関わっていきたい場所だね。

トラッシュ・トークの活動とBabylonは、お互いにどのような影響を与え合っているのでしょうか?

ギャレット:僕らがバンドでやっていることの理念は、Babylonに如実に表れているね。勝敗に関係なく、常に自分たちの価値観で物事を進めてきたし、それは初日からDNAとして受け継がれている。Babylonの意思と方向性は、若き日のパンクロックな自分たちからそのまま来てるし、音楽とブランドの両方を通して、年を取る必要がないように感じる。どこにいても、どれだけ時間が経っても、自分たちが始めたことに忠実であり続け、前進し続けるだけだ。

ブランドが大きくなると、通常コントロールが難しくなる部分もあると思いますが、ビジネスとクリエイティブのバランスをどのように保っていますか?

ギャレット:自分でビジネスを行うことの素晴らしさは、好きなだけ手を動かせること。僕らには、それが常に大きな部分を占めている。自分たちのやっていることが本物である、それが全ての決断の中心なんだ。僕らは常に小さなチームでやってきた。それが一番やりやすいからね。正直なところ、もう少し寝たい時もあるけど(笑)。僕らのアウトプットは、単なるブランドではなく、自分自身を反映したものであるように常に心がけている。それがリアルであり、自分自身であり、常にそこに忠実であり続けているよ。

多くのアーティストやブランドとコラボしていますが、コラボ相手はどのように選んでいるのですか?

ギャレット:とても才能ある友人やアーティスト、ブランドに囲まれていて、とてもラッキーだった。これまで一緒に仕事をしてきたブランドやコラボレーターの中で、友情がなかった人は誰1人としていないよ。繋がりがすべてだね。信頼と尊敬があれば、自然にうまく着地すると思っている。

今後コラボレーションしてみたい人はいますか?

リー:コラボしたい人たちを挙げれば、長くなるよ(笑)。一緒に仕事をしたいバンドやアーティストについては、一生語れるな。共演したいミュージシャンはいるけど、ライセンスでのコラボはあまり好きじゃないから難しいね。ちょっと強引な感じがするんだろう。僕らが好きなプロジェクトは、アーティストやブランドと直接繋がって、何か特別なものを一緒に作ることができるものだね。でも実際、バッド・ブレインズ(Bad Brains)とは既に仕事をしているから、あとは何が残っているかなって感じもする(笑)。直接一緒にできるなら、レイモン・ペティボン(Raymond Pettibon)とはプロジェクトをやってみたいね。それは僕にとってバケットリストの1つになるよ。

今後の予定は?

リー:2025年は私たちにとって大きな年なんだ。Babylonにとっては10周年、トラッシュ・トークにとっては20周年だからね。この2つの節目を祝うために、たくさんの計画を立てているよ。Babylonについては、過去10年間に私たちがこのブランドと共に築き上げてきたもの全てにスポットライトを当てた、特別なプロジェクトやハイレベルなコラボレーションが目白押しの1年になる。Babylon Tokyoは、その全ての瞬間の震源地になる予定だよ。トラッシュ・トークでは、世界各地でアクティベーションやライブを実施するね。長年にわたって行けなかった都市がたくさんあるんだ。この1年は、どのライブも本当にクレイジーで、エネルギーはますます高まっているように感じる。20年という節目を迎えて、そこに傾倒していくのが本当に楽しみだ。これだけの時間が経っても、バンドがかつてないほどハードに活動していると思うと、現実離れしているね(笑)。

Babylon ファウンダーに訊く東京店オープンの背景やブランド10周年に向けた動きについて

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