未曾有の古着ブームが続く
とどまることを知らない未曾有の古着ブーム。歴史的背景を持つヴィンテージの価値も高騰を続け、一着に数千万円なんて価格が付くこともしばしば。「こうなってしまってはもう、ヴィンテージは一部のマニアやお金持ちしか楽しめないのか・・・」と諦める声も聞こえてきそうです。
でも、そんなことはありません。実は、現時点で価格が高騰しきっておらず、ヴィンテージとしての楽しみも味わえる隠れた名品もまだまだ存在します。この企画では、そんなアイテムを十倍直昭自身が「令和のマストバイヴィンテージ」として毎週金曜日に連載形式でご紹介。第20回は「エルメス(HERMÈS)」グレデシャン編。
ジュエリーを超えた芸術品、ヴィンテージエルメスの頂点
これまで「令和のマストバイヴィンテージ」ではヘラクレス、アクロバット、クレッシェンド、アレアと、数多くのエルメスの名作ジュエリーを紹介してきましたが、今回のグレンデシャンはそんなヴィンテージエルメスジュエリーの頂点とも言えるほど稀有な存在です。ではなぜ、グレンデシャンが頂点なのか。一番の要因は希少性の高さです。これまで長年ヴィンテージエルメスジュエリーを扱ってきた僕ですら、目にするのは年間で数本程度。1988年に発表されましたが、おそらくかなり限られた期間しか製造されていません。他のヴィンテージエルメスジュエリーに比べ、市場に出回っている数が極端に少ないのが特徴です。
少量しか製造されなかった理由は、その製造過程にあるのではないかと僕は推察しています。グレンデシャンは「穀物の種子」という意味。その名の通り、種が重なったようなデザインですが、このフォルムを生み出すため、機械を使わずに人間の手で曲げる、「アヴワン」と呼ばれる非常に手間のかかる職人技が用いられています。細かい部分をじっくりと見ると、グレンデシャンの凄さが更によくわかります。それぞれのパーツはもちろん全部繋がっているんですが、まるで一つ一つのパーツがバラバラになっているように見えますよね。こうした見え方になるよう作ることは非常に難易度が高いので、これはもう、ジュエリーを超えた芸術品の域だと僕は考えています。
「幻」レベルの希少性、ゴールドグレンデシャン
今回はスペシャル中のスペシャルなアイテムも紹介しましょう。グレンデシャンのゴールドです。元々数が少ないグレンデシャンですが、このゴールドは上顧客のみが手にすることを許されたオーダーメイド。最早「幻」と言っても過言ではありません。
高い希少性故に、グレンデシャンのシルバーの相場はPM、GMともに700万円オーバー。それでも僕のお店では、入荷したらすぐに旅立ってしまうほどの人気です。ゴールドに至ってはもう、お金では解決できないくらいの存在です。今回、こうしてシルバーとゴールドのグレンデシャンを並べて写真に収めることができたのは奇跡だと思います。
結論
グレンデシャンは、ヴィンテージエルメスの顶点であり、その希少性と芸術的デザインが際立っています。ゴールドグレンデシャンはさらに幻の存在であり、価値が高騰しています。
よくある質問
Q: グレンデシャンの価格はどのくらいですか?
A: グレンデシャンのシルバーモデルは700万円以上で取引されており、ゴールドモデルはさらに高額です。
Q: ゴールドグレンデシャンは一般の人でも手に入れることができますか?
A: ゴールドグレンデシャンは上顧客向けのオーダーメイド製品であり、一般の市場では非常に希少な逸品となっています。