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レックス&ラナ – 兄妹のシナジー

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Rewrite

言わずと知れたヒップホップ・アーティストのLEXとLANA。兄と妹であり、同じステージの上で切磋琢磨するアーティスト同士でもある2人。今回、“明るい部屋”に続く両名のコラボレーション楽曲 “ティファニーで朝食を”が新たにリリースされた。お互いにリスペクトを送り合う2人に、楽曲制作について、新曲のコンセプトにもなっている恋愛観について、そして、今年LEXがヘッドライナーを務め、2人の初共演が実現したヒップホップフェス『POP YOURS 2024』でのステージについてなど、自然体のまま語ってもらった。

家族だし兄妹だけど、同じプレイヤーだし。面白い関係

Hypebeast : “ティファニーで朝食を”は、いつ頃制作した楽曲なのでしょうか?

LANA:今の家に引っ越す前だから……。

LEX :2年前には既にあったよね?

LANA:しかも作った時、LEXと喧嘩になったんですよ。私が持っていたトラックにLEXが先に歌を乗せてくれたんですけど、その後、1人で作業していても何だか上手くいかなかったんです。LEXにやり方を聞いても、適当なことばっかり答えてくるから。

LEX:そうだ、思い出した。LANAに対して「感覚でやりなよ」とか言っていたんだよね。

LANA:「ちゃんと教えてくれないから出来ないよ」って悔しくて1人で泣いていたら、LEXがドアを開けて私の写真を撮ってきて。あの時、めちゃくちゃムカついたんだけど(笑)。

LEX:ごめん、あれはまじ反省してる。今はもう、そんなことしないです。

楽曲のコンセプトはどのように決めていったのでしょうか。フックで歌われている楽曲のタイトルも、とても印象的なフレーズですよね。

LANA:最初に私のヴァースが入っていたんですけど、サビを作れなくて。それでLEXに「何かいいフレーズある?」って聞いてみたら「ティファニーで朝食を」って入れてくれて。「いいね、いいね!」ってお互いしっくり来ましたね。

リリックでは、パートナーに対して「自分の気持ちを分かってくれない」というシンプルでリアルな気持ちが歌われています。

LEX:お互いの気持ちを対比している感じで、僕がメンズとしての意見を歌っていて、LANAのパートでレディースとしての意見を歌っているんです。僕としては「ありがとう、でも今は放っておいて欲しいのに」って。

LANA:こっちは「(メンズは)なんで人の話を聞いてねえんだ?」って感じで歌っていて。特に若い子たちに向けて、恋愛の迷路に落ちちゃった時に聞いて欲しい曲ですね。

LEX:ほんと、それだよね。(歌詞の内容を)自分に置き換えて聞いて欲しい。

LANA:男女それぞれの視点をめちゃくちゃ分かりやすく歌ってるから、相手の気持ちが分からなくなった時に聴くと「そうか!」って気持ちになれるかもしれない。

LANAさん自身も、付き合っている相手に対して「何で分かってくれないの?」という気分になる時はありますか?

LANA:(この曲を書いた)2年前はそういう状況もありましたけど、今はないです。相手の気持ちが分かるようになったし、結局、付き合っていても他人だから前みたいには気にしてないかも。「自分のことは自分でやればいい」って思うし。

LEX:そういうところ、まじでリスペクトです(笑)。

LANA:でも逆に、私を沼らせてくれるような男の子の刺激が欲しいなって思うこともある。どちらにせよ、今はないかな。

(Instagramなどで)ファンからの恋愛相談DMも、受け取る機会が多いのでは?

LEX:そういうの、返したりするの?

LANA:最近は返してないけど、インスタライブとかで見たら、たまに答える時もありますね。

LANAさんがアーティストとして活動していく上で、恋愛は重要なエレメントですか?

LANA:大事です。

恋している時の方がモチベーションが上がるというか、曲作りも乗ってきたり?

LANA:いや、それよりも別れた時とか傷つけられた時の方が、色んな意欲が湧いてくるんです。とりあえず「こいつ、見返してやろう」みたいな。(相手に)かまされないと、這いあがろうってならないタイプ。(私たち)家族みんな、そうじゃないかな?

LEX:いや、俺はかまされると逆に「うわー」って落ちちゃうタイプ。全然違いますね。この間も、LANAに散々恋愛相談を聞いてもらったんですよ。

LANA:そうだった! 私が泥酔いで家に帰ってきたら……。

LEX:俺が寝るためのヒーリング的なBGMを掛けながら、天井を見て涙を流していたんです。

LANA:「どうした!?」って(笑)。そこから3時間くらい、LEXの話を聞いて。

LEX:超学びが多くて、そこで全部吹っ切れましたね。妹は自分の守護天使です。

LANA:“守護天使”っていつも言うんですよ(笑)。どうなんですかね?

LEX:妹の言うことは絶対なので、普段から妹にめちゃくちゃ救われてます。

逆に、LANAさんからお兄さんであるLEXさんに仕事や恋愛の相談をすることは?

LANA:あまりないんですけど、LEXは逆に、何も言わなくてもそーっと励ましてくれるタイプなんです。ギリギリまで「何があった?」とか、「何でそうなってるの?」とか聞いて来ない。

LEX:何となく、分かるんだよね。

LANA:そう。さっと察して汲み取って、優しくしてくれる。そういうところが1番好きなところです。

2人の実姉であるLiLiさんも、ダンサーやデザイナーとして活動をともにしていらっしゃいますよね。3人がそれぞれ年齢を重ねながら、クリエイターとして同じ方向を向いている。なかなかレアな関係性だなと感じます。

LANA:普通に、揉める時は揉めるんですよ。でも前と比べたら、ちゃんと話さなきゃいけない時に話し合えるようになっていると思います。

LEX:揉めるとしたら姉貴とLANAだよね。その間で僕は「まあまあ」って。

揉めたり意見が食い違ったりする時は、どうやって修復していますか?

LANA:時間ですかね。怒鳴りあっても、次の日には普通に接しているので。

LEX:僕は全然、最近は兄妹で喧嘩しないですね。勝てないっていうか、基本的に僕が間違っているので、喧嘩になる一歩手前に「すみません」みたいに引く。

兄妹のコラボレーションといえば、今年の4月には“明るい部屋”がリリースされました。前作と比べると“ティファニーで朝食を”はサウンドも歌詞の内容も異なっていますよね。

LEX:“明るい部屋”では、僕らの今までの葛藤やちょっとシリアスな面を出してたけど、今回は自分たちが普段通りやっているようなサウンドが出来たと思います。“ティファニーで朝食を”をリリースしたいと思ったのも、それが理由でしたね。(LANAの方を見ながら)もう1曲、候補があったんだよね?

LANA:2曲候補があって、「どうしよう?」って迷ったけど、その時の気持ち的に“ティファニーで朝食を”の方が勝ったんだよね。

LEX:もともと、2人で作り溜めていた曲が、全部で6、7曲くらいあるんですよ。

今も、一緒にいる時にその場の流れで「一緒に制作しよっか?」という雰囲気になりますか?

LANA:最近は、ないかもしれないですね。前は1つのお家に家族みんなで住んでいたし、そもそも私が機材を持っていなかったんですよ。だから、曲を作る時はLEXの部屋にいって、彼の機材で制作していたんです。

5月には、ヒップホップフェスのPOP YOURSにて“明るい部屋”を初めて2人で披露しました。あの時の光景や感情はいかがでしたか? ファンも待ち望んでいた瞬間だったと思います。

LEX:みんな、あんなに湧いてくれるんだってびっくりしました。

LANA:そうそう。結構、「おお〜!」って気分になりましたね。私はもちろん、エモさもあったし。

LEX:あったの?

LANA:あったよ! でも、とにかくすごく楽しくて。めちゃくちゃ楽しい気分で、ステージの花道を歩きながら歌っていましたね。自分のステージとは全く違うものがあった。

LEX:そうなんだ。

LANA:自分のステージはどちらかというと、「うわー!」って集中する感じで、記憶もないくらいだから。

LEX:LANAのステージも、すごかったもんね。企画の量とかダンサーさんとのコラボレーション感とか。LANAが上に持ち上げられたりして。

LANA:そう。そういうプレッシャーがないから、LEXのステージではとにかく楽しく歌ってました。

LEX:妹とステージに立つ、ということは以前からずっとやりたかったんですよ。でも、毎回「今じゃない」って思っていて。

LANA:そうなりそうなタイミングは、これまでに何回かあったよね。

LEX:これまでの僕のワンマンライブでもやりたかったんですけど、その機会を寝かせて寝かせて。で、今年のPOP YOURSで「ついに」っていう感じでした。

先ほども、2人で制作した曲は他にもあると仰っていましたけど、今後、2人のコラボを望んでいるファンは多いのでは?

LANA:今のところ、今後2人での曲をリリースする予定はないですけど、どうなんですかね? うちらもそこまで考えてないわけじゃないけど、考えすぎているわけでもない。

LEX:またゆっくりラフに、LANAと一緒に曲を作れたらいいな、とは思っています。

LANA:そこはのんびり、ね。

今年、LANAさんは全国4都市を回ったツアーがあったり、20歳になったり、と充実したイベントが続いたのではと思います。2024年のご自身の活動を、どのように振り返っていらっしゃいますか。

LANA:いろいろありましたね。その時の辛い気持ちや体力的にキツかったことは、びっくりするくらいもう忘れているんですけど、頑張って、色んなところにLANAを届けることができたなっていうことはすごく覚えているし、実感があります。

LEX:間違いないでしょ。2年前は、街中で「LEXさんですか?」って声を掛けられていたのが、今は「LANAちゃんのお兄さんですか?」って言われるようになったんです。それは俺も嬉しい。

LANA:ほんとに? それは嬉しいね。私とLEXって、意外とファン層が違うんだよね。私はずーっと「LEX の妹でしょ?」って言われてきて、一時期、妹だってことを隠してた時もあるくらいなんです。友達に「言わないで」ってお願いしたこともあるくらいで。ここに関しては、お互いにいろいろとありますよね。家族だし兄妹だけど、同じプレイヤーだし。面白い関係だよね。

アーティストであり兄妹であるというお2人の関係性については、今はどのように変化していますか?

LANA:私は、ずっと「すごいな」ってかまされ続けている気持ちですね。やっぱり、LEXにしかできないお客さんへの曲の聴かせ方とか、オリジナルな部分があるんです。ファンを巻き込んで自分の色に染める、ってことがすごく上手。SNSの使い方も上手い。LEXはそういうことを計算せずに自然にやっているし、彼からは結構たくさんのことをもらっていますね。私のチームも「LEXは1番のライバルだね」って言ってるくらい。

LEXさんも新アルバム『Logic 2』のリリースが控えています。前作『King of Everything』も、その時のLEXさんの気持ちが思いっきり詰まったアルバムだなと感じたのですが、『Logic 2』はどんなアルバムに仕上がっていますか?

LEX:前作のリリースからいろいろあったので、「全部見返してやろうかな」っていう思いです。あと、すごくのびのび作らせてもらったので、やりたいことをやれているアルバムだと思います。『King of Everything』がリリースされた頃には、既に『Logic 2』の構想があったので、割と昔に作った曲もあるんです。みんなの反応もめちゃめちゃ楽しみっすね。

今後のLEXさんの展望としては? 何か計画していることなどもありますか?

LEX:とりあえず、等身大の自分になりたいなと思っていて。俺ってラップをやりたいのか、何をやりたいのか、何なんだろうって考えた時に、シンプルに「曲が作りたいんだ」と思って。なので、これからも自分がやりたいことにフォーカスした作品を作れたらいいなって。今年のこれからや来年のことも、一応いろいろ考えています。

LANAさんも、これから年末にかけて走り続ける感じでしょうか。

LANA:まず、この夏から秋にかけてはフェスの出演が続いているのと同時に、そろそろ制作期間に入る時期なんです。楽曲の制作に対しては、普通に焦ってますね(笑)。家で「どうなんだろ?これ、ちゃんと出来んのかな?」って考えながらやっています。

LEX:できるっしょ。僕とLANAは制作環境が違うと思うけど、俺は普段、1人でPCで作業するんですよ。僕も、制作期間中は焦るから「一旦遮断しよう」ってなるんだよね。携帯は置いておいて、マイクと俺で向き合う。それで、誰とも連絡を取らないで石垣島あたりに行って、昼間は近所のおじいちゃんの畑を手伝って、夜になったら曲を作って、みたいな生活を送るんです。途中、心配した友達が「生きてんの?」って連絡くれて、会いにきてくれる。

LANA:そうか。私はそろそろ「アーティストとしての自覚を持たないと」と焦っています。

LEX:何を言ってるんですか。だってこの前、YOKOHAMA Bay Hall(Almost 20 Tour)でやったLANAのライブ、俺は「やべえ」って一緒に観てたイトコと2人でボロボロ泣いたからね。

LANA:そうだったの? 何の曲の時だったんだろう。

LEX:「I can’t go back, I can’t go back……」。

LANA:“L7 Blues”だね。

LEX:最後にLANAがめっちゃ叫んでいて、それが妹の姿に見えなかった。「やべえ、アーティストだな」って複雑な気持ちでしたね。

今のLEXさんが思う、LANAさんにしかない魅力とは?

LEX:LANAと同じ世代の人やフィメールアーティストの中でも、特に強く存在感を放ってますよね。街を歩いていたら「LANAじゃん」ってファッションの人もいるし、そういう風に影響を与えているんだなって。

LANA:そんな風に思っていたんだね。嬉しいです。


アーティスト:LEX & LANA
タイトル:“ティファニーで朝食を”
配信日:7月24日(水)
フォーマット:配信(購入・再生リンクはこちら

新世代を牽引するアーティスト同士である兄妹 LEXとLANAが、“明るい部屋”に続くコラボ楽曲としてリリースした“ティファニーで朝食を”。コラボ第2弾となる本楽曲は、前作とは打って変わって、すれ違いや仲直りをテーマとしたリリックが特徴。両者らしくも普遍的なコミュニケーションを“ティファニーで朝食を”という単語に載せて表した楽曲となっている。

アーティスト:LEX
タイトル:『Logic 2』
配信日:7月31日(水)
フォーマット:配信(購入・再生リンクはこちら

6枚目となるスタジオアルバム『Logic 2』は、2021年リリースのアルバム『Logic』同様に、さまざまなジャンルの音楽を取り入れ、LEXというジャンルに昇華。デビュー以来、シーンの第一線を走り続けるなか、不安やプレッシャーでメンタルに不調を抱えていたLEXが、その葛藤と戦った先に見た一縷の光のようなアルバムに仕上がった。


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言わずと知れたヒップホップ・アーティストのLEXとLANA。兄と妹であり、同じステージの上で切磋琢磨するアーティスト同士でもある2人。今回、“明るい部屋”に続く両名のコラボレーション楽曲 “ティファニーで朝食を”が新たにリリースされた。お互いにリスペクトを送り合う2人に、楽曲制作について、新曲のコンセプトにもなっている恋愛観について、そして、今年LEXがヘッドライナーを務め、2人の初共演が実現したヒップホップフェス『POP YOURS 2024』でのステージについてなど、自然体のまま語ってもらった。

家族だし兄妹だけど、同じプレイヤーだし。面白い関係

Hypebeast : “ティファニーで朝食を”は、いつ頃制作した楽曲なのでしょうか?

LANA:今の家に引っ越す前だから……。

LEX :2年前には既にあったよね?

LANA:しかも作った時、LEXと喧嘩になったんですよ。私が持っていたトラックにLEXが先に歌を乗せてくれたんですけど、その後、1人で作業していても何だか上手くいかなかったんです。LEXにやり方を聞いても、適当なことばっかり答えてくるから。

LEX:そうだ、思い出した。LANAに対して「感覚でやりなよ」とか言っていたんだよね。

LANA:「ちゃんと教えてくれないから出来ないよ」って悔しくて1人で泣いていたら、LEXがドアを開けて私の写真を撮ってきて。あの時、めちゃくちゃムカついたんだけど(笑)。

LEX:ごめん、あれはまじ反省してる。今はもう、そんなことしないです。

楽曲のコンセプトはどのように決めていったのでしょうか。フックで歌われている楽曲のタイトルも、とても印象的なフレーズですよね。

LANA:最初に私のヴァースが入っていたんですけど、サビを作れなくて。それでLEXに「何かいいフレーズある?」って聞いてみたら「ティファニーで朝食を」って入れてくれて。「いいね、いいね!」ってお互いしっくり来ましたね。

リリックでは、パートナーに対して「自分の気持ちを分かってくれない」というシンプルでリアルな気持ちが歌われています。

LEX:お互いの気持ちを対比している感じで、僕がメンズとしての意見を歌っていて、LANAのパートでレディースとしての意見を歌っているんです。僕としては「ありがとう、でも今は放っておいて欲しいのに」って。

LANA:こっちは「(メンズは)なんで人の話を聞いてねえんだ?」って感じで歌っていて。特に若い子たちに向けて、恋愛の迷路に落ちちゃった時に聞いて欲しい曲ですね。

LEX:ほんと、それだよね。(歌詞の内容を)自分に置き換えて聞いて欲しい。

LANA:男女それぞれの視点をめちゃくちゃ分かりやすく歌ってるから、相手の気持ちが分からなくなった時に聴くと「そうか!」って気持ちになれるかもしれない。

LANAさん自身も、付き合っている相手に対して「何で分かってくれないの?」という気分になる時はありますか?

LANA:(この曲を書いた)2年前はそういう状況もありましたけど、今はないです。相手の気持ちが分かるようになったし、結局、付き合っていても他人だから前みたいには気にしてないかも。「自分のことは自分でやればいい」って思うし。

LEX:そういうところ、まじでリスペクトです(笑)。

LANA:でも逆に、私を沼らせてくれるような男の子の刺激が欲しいなって思うこともある。どちらにせよ、今はないかな。

(Instagramなどで)ファンからの恋愛相談DMも、受け取る機会が多いのでは?

LEX:そういうの、返したりするの?

LANA:最近は返してないけど、インスタライブとかで見たら、たまに答える時もありますね。

LANAさんがアーティストとして活動していく上で、恋愛は重要なエレメントですか?

LANA:大事です。

恋している時の方がモチベーションが上がるというか、曲作りも乗ってきたり?

LANA:いや、それよりも別れた時とか傷つけられた時の方が、色んな意欲が湧いてくるんです。とりあえず「こいつ、見返してやろう」みたいな。(相手に)かまされないと、這いあがろうってならないタイプ。(私たち)家族みんな、そうじゃないかな?

LEX:いや、俺はかまされると逆に「うわー」って落ちちゃうタイプ。全然違いますね。この間も、LANAに散々恋愛相談を聞いてもらったんですよ。

LANA:そうだった! 私が泥酔いで家に帰ってきたら……。

LEX:俺が寝るためのヒーリング的なBGMを掛けながら、天井を見て涙を流していたんです。

LANA:「どうした!?」って(笑)。そこから3時間くらい、LEXの話を聞いて。

LEX:超学びが多くて、そこで全部吹っ切れましたね。妹は自分の守護天使です。

LANA:“守護天使”っていつも言うんですよ(笑)。どうなんですかね?

LEX:妹の言うことは絶対なので、普段から妹にめちゃくちゃ救われてます。

逆に、LANAさんからお兄さんであるLEXさんに仕事や恋愛の相談をすることは?

LANA:あまりないんですけど、LEXは逆に、何も言わなくてもそーっと励ましてくれるタイプなんです。ギリギリまで「何があった?」とか、「何でそうなってるの?」とか聞いて来ない。

LEX:何となく、分かるんだよね。

LANA:そう。さっと察して汲み取って、優しくしてくれる。そういうところが1番好きなところです。

2人の実姉であるLiLiさんも、ダンサーやデザイナーとして活動をともにしていらっしゃいますよね。3人がそれぞれ年齢を重ねながら、クリエイターとして同じ方向を向いている。なかなかレアな関係性だなと感じます。

LANA:普通に、揉める時は揉めるんですよ。でも前と比べたら、ちゃんと話さなきゃいけない時に話し合えるようになっていると思います。

LEX:揉めるとしたら姉貴とLANAだよね。その間で僕は「まあまあ」って。

揉めたり意見が食い違ったりする時は、どうやって修復していますか?

LANA:時間ですかね。怒鳴りあっても、次の日には普通に接しているので。

LEX:僕は全然、最近は兄妹で喧嘩しないですね。勝てないっていうか、基本的に僕が間違っているので、喧嘩になる一歩手前に「すみません」みたいに引く。

兄妹のコラボレーションといえば、今年の4月には“明るい部屋”がリリースされました。前作と比べると“ティファニーで朝食を”はサウンドも歌詞の内容も異なっていますよね。

LEX:“明るい部屋”では、僕らの今までの葛藤やちょっとシリアスな面を出してたけど、今回は自分たちが普段通りやっているようなサウンドが出来たと思います。“ティファニーで朝食を”をリリースしたいと思ったのも、それが理由でしたね。(LANAの方を見ながら)もう1曲、候補があったんだよね?

LANA:2曲候補があって、「どうしよう?」って迷ったけど、その時の気持ち的に“ティファニーで朝食を”の方が勝ったんだよね。

LEX:もともと、2人で作り溜めていた曲が、全部で6、7曲くらいあるんですよ。

今も、一緒にいる時にその場の流れで「一緒に制作しよっか?」という雰囲気になりますか?

LANA:最近は、ないかもしれないですね。前は1つのお家に家族みんなで住んでいたし、そもそも私が機材を持っていなかったんですよ。だから、曲を作る時はLEXの部屋にいって、彼の機材で制作していたんです。

5月には、ヒップホップフェスのPOP YOURSにて“明るい部屋”を初めて2人で披露しました。あの時の光景や感情はいかがでしたか? ファンも待ち望んでいた瞬間だったと思います。

LEX:みんな、あんなに湧いてくれるんだってびっくりしました。

LANA:そうそう。結構、「おお〜!」って気分になりましたね。私はもちろん、エモさもあったし。

LEX:あったの?

LANA:あったよ! でも、とにかくすごく楽しくて。めちゃくちゃ楽しい気分で、ステージの花道を歩きながら歌っていましたね。自分のステージとは全く違うものがあった。

LEX:そうなんだ。

LANA:自分のステージはどちらかというと、「うわー!」って集中する感じで、記憶もないくらいだから。

LEX:LANAのステージも、すごかったもんね。企画の量とかダンサーさんとのコラボレーション感とか。LANAが上に持ち上げられたりして。

LANA:そう。そういうプレッシャーがないから、LEXのステージではとにかく楽しく歌ってました。

LEX:妹とステージに立つ、ということは以前からずっとやりたかったんですよ。でも、毎回「今じゃない」って思っていて。

LANA:そうなりそうなタイミングは、これまでに何回かあったよね。

LEX:これまでの僕のワンマンライブでもやりたかったんですけど、その機会を寝かせて寝かせて。で、今年のPOP YOURSで「ついに」っていう感じでした。

先ほども、2人で制作した曲は他にもあると仰っていましたけど、今後、2人のコラボを望んでいるファンは多いのでは?

LANA:今のところ、今後2人での曲をリリースする予定はないですけど、どうなんですかね? うちらもそこまで考えてないわけじゃないけど、考えすぎているわけでもない。

LEX:またゆっくりラフに、LANAと一緒に曲を作れたらいいな、とは思っています。

LANA:そこはのんびり、ね。

今年、LANAさんは全国4都市を回ったツアーがあったり、20歳になったり、と充実したイベントが続いたのではと思います。2024年のご自身の活動を、どのように振り返っていらっしゃいますか。

LANA:いろいろありましたね。その時の辛い気持ちや体力的にキツかったことは、びっくりするくらいもう忘れているんですけど、頑張って、色んなところにLANAを届けることができたなっていうことはすごく覚えているし、実感があります。

LEX:間違いないでしょ。2年前は、街中で「LEXさんですか?」って声を掛けられていたのが、今は「LANAちゃんのお兄さんですか?」って言われるようになったんです。それは俺も嬉しい。

LANA:ほんとに? それは嬉しいね。私とLEXって、意外とファン層が違うんだよね。私はずーっと「LEX の妹でしょ?」って言われてきて、一時期、妹だってことを隠してた時もあるくらいなんです。友達に「言わないで」ってお願いしたこともあるくらいで。ここに関しては、お互いにいろいろとありますよね。家族だし兄妹だけど、同じプレイヤーだし。面白い関係だよね。

アーティストであり兄妹であるというお2人の関係性については、今はどのように変化していますか?

LANA:私は、ずっと「すごいな」ってかまされ続けている気持ちですね。やっぱり、LEXにしかできないお客さんへの曲の聴かせ方とか、オリジナルな部分があるんです。ファンを巻き込んで自分の色に染める、ってことがすごく上手。SNSの使い方も上手い。LEXはそういうことを計算せずに自然にやっているし、彼からは結構たくさんのことをもらっていますね。私のチームも「LEXは1番のライバルだね」って言ってるくらい。

LEXさんも新アルバム『Logic 2』のリリースが控えています。前作『King of Everything』も、その時のLEXさんの気持ちが思いっきり詰まったアルバムだなと感じたのですが、『Logic 2』はどんなアルバムに仕上がっていますか?

LEX:前作のリリースからいろいろあったので、「全部見返してやろうかな」っていう思いです。あと、すごくのびのび作らせてもらったので、やりたいことをやれているアルバムだと思います。『King of Everything』がリリースされた頃には、既に『Logic 2』の構想があったので、割と昔に作った曲もあるんです。みんなの反応もめちゃめちゃ楽しみっすね。

今後のLEXさんの展望としては? 何か計画していることなどもありますか?

LEX:とりあえず、等身大の自分になりたいなと思っていて。俺ってラップをやりたいのか、何をやりたいのか、何なんだろうって考えた時に、シンプルに「曲が作りたいんだ」と思って。なので、これからも自分がやりたいことにフォーカスした作品を作れたらいいなって。今年のこれからや来年のことも、一応いろいろ考えています。

LANAさんも、これから年末にかけて走り続ける感じでしょうか。

LANA:まず、この夏から秋にかけてはフェスの出演が続いているのと同時に、そろそろ制作期間に入る時期なんです。楽曲の制作に対しては、普通に焦ってますね(笑)。家で「どうなんだろ?これ、ちゃんと出来んのかな?」って考えながらやっています。

LEX:できるっしょ。僕とLANAは制作環境が違うと思うけど、俺は普段、1人でPCで作業するんですよ。僕も、制作期間中は焦るから「一旦遮断しよう」ってなるんだよね。携帯は置いておいて、マイクと俺で向き合う。それで、誰とも連絡を取らないで石垣島あたりに行って、昼間は近所のおじいちゃんの畑を手伝って、夜になったら曲を作って、みたいな生活を送るんです。途中、心配した友達が「生きてんの?」って連絡くれて、会いにきてくれる。

LANA:そうか。私はそろそろ「アーティストとしての自覚を持たないと」と焦っています。

LEX:何を言ってるんですか。だってこの前、YOKOHAMA Bay Hall(Almost 20 Tour)でやったLANAのライブ、俺は「やべえ」って一緒に観てたイトコと2人でボロボロ泣いたからね。

LANA:そうだったの? 何の曲の時だったんだろう。

LEX:「I can’t go back, I can’t go back……」。

LANA:“L7 Blues”だね。

LEX:最後にLANAがめっちゃ叫んでいて、それが妹の姿に見えなかった。「やべえ、アーティストだな」って複雑な気持ちでしたね。

今のLEXさんが思う、LANAさんにしかない魅力とは?

LEX:LANAと同じ世代の人やフィメールアーティストの中でも、特に強く存在感を放ってますよね。街を歩いていたら「LANAじゃん」ってファッションの人もいるし、そういう風に影響を与えているんだなって。

LANA:そんな風に思っていたんだね。嬉しいです。


アーティスト:LEX & LANA
タイトル:“ティファニーで朝食を”
配信日:7月24日(水)
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新世代を牽引するアーティスト同士である兄妹 LEXとLANAが、“明るい部屋”に続くコラボ楽曲としてリリースした“ティファニーで朝食を”。コラボ第2弾となる本楽曲は、前作とは打って変わって、すれ違いや仲直りをテーマとしたリリックが特徴。両者らしくも普遍的なコミュニケーションを“ティファニーで朝食を”という単語に載せて表した楽曲となっている。

アーティスト:LEX
タイトル:『Logic 2』
配信日:7月31日(水)
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6枚目となるスタジオアルバム『Logic 2』は、2021年リリースのアルバム『Logic』同様に、さまざまなジャンルの音楽を取り入れ、LEXというジャンルに昇華。デビュー以来、シーンの第一線を走り続けるなか、不安やプレッシャーでメンタルに不調を抱えていたLEXが、その葛藤と戦った先に見た一縷の光のようなアルバムに仕上がった。


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