1 リーバイス®の歴史的なジーンズの発見

リーバイス®の歴史的なジーンズの発見

先日、アメリカのリーバイ・ストラウス社が所有する最古の1本が改めて明らかとなった。しかし、日本でも1873年製とされるより古い〈Levi’s®（リーバイス）〉ジーンズが販売されたことがある。この貴重なジーンズが見つかったのは、新潟県にあるヴィンテージストア『Mushroom』。

日本で発見された歴史的ジーンズ

2002年から新潟市内に店舗を構えていた『Mushroom』は、2020年に弥彦村に移転し、そのオープン記念としてこの特別なジーンズが登場した。このジーンズはアメリカ人ディーラーから仕入れられたもので、リーバイ・ストラウス社が所有する“9rivet”を1874年製と考えた際、このモデルを最初期の1873年製と判断する理由がある。

特徴的なポイント

この1873年製のジーンズは、背面の片ポケットにアーキュエイトステッチがない点やウエストバンドがミミ仕様でない点が特徴だ。9つのリベットやシンチバックの革パッチ跡などの他の特徴は“9rivet”と同様であるが、アーキュエイトステッチが1873年初期にはなかったとされ、ウエストバンドのミミ仕様が1873年後半から1874年にかけて採用された。

リーバイス®の歴史

〈Levi’s®〉は、1873年以前からサンフランシスコでオーヴァーオールズを作っていた。しかし、このリベット付きのジーンズはポイントに刻印が無いため、〈Levi’s®〉を示す唯一の要素は革パッチに刻印されたリーバイスの文字だ。この特別なジーンズは、炭鉱から発掘された際にリーバイ・ストラウス社が購入しなかったという説もある。

ヴィンテージジーンズ専門家の見解

ヴィンテージデニムの専門家たちは、他のオーヴァーオールズメーカーのモデルと比較しても、このジーンズが〈Levi’s®〉初の1873年製リベット付きジーンズであると断言している。この貴重なジーンズを購入したのは、炭鉱のデニムハンターであるブリット・イートンだった。アメリカの若者たちもヴィンテージデニムに興味を持ち始めており、このような特別なアイテムに高値をつける人々も増えている。

最古のリーバイス®ジーンズの特徴

Vintage LEVI’S 1873
●縦糸2本、横糸1本の1/2綾デニム地
●リベット数は9つ（ポケットなどに配置）
●革パッチは後ろの中央（シンチバックの間）に
●アーキュエイトステッチがない最初期のモデル
●ボタンやリベットにリーバイスの刻印がない
●ウエストバンドがミミ仕様ではない
●ポケットは右後ろのみ
●サスペンダーボタンで穿く
●バックヨークは下向きかつセンターステッチが1本
参考文献 / 『ワークウエア秘史』（ワールドフォトプレス）

この貴重なジーンズは2022年10月時点で1650万円で販売された。