Vincent Wechselberger氏のデビュー写真集がクィアセックスワークの世界を発掘

Vincent Wechselberger氏のデビュー写真集「Ready」は、肖像画、静物、映画、LGBTQ+セックスワーカーへのインタビューを含む、より広範なプロジェクトの一部です。このシリーズは、ベルリンを拠点とする写真家が、自身のクィアセックスワーカーとしての経験と、クィアセックスワークがしばしば描かれる方法との間にますます感じる「不協和音」から生まれました。「私は常に、この仕事を選ぶファム/クィアセックスワーカーについて語られるストーリーが足りないと感じていました」とWechselberger氏は、最近の電子メールでのDazedとの会話で語っています。「私は、もっと真実で純粋な内部の視点を示したかったのです。」

セックスワークに対する肯定的な貢献を目指すWechselberger氏

8年間のセックスワークを経験したことで、Wechselberger氏のプロジェクトのガイディングプリンシプルは、セックスワークに関する議論に肯定的に貢献することです。彼の取り組みは、他のクィアセックスワーカーとの関わり合いと、この世界との関係を探求することによって駆動されています。また、ベルリンやその先に広がるネットワークとのつながりをたどります。このシリーズ全体の源泉となった特定のイメージは、Wechselberger氏が2022年に友人のOskarを撮った肖像画でした。「私たちは彼の家や、典型的なベルリンの裏庭で撮影しました」と彼は述べています。「仕事のゴシップをしたり、音楽を聞いたり、撮影したり、彼にインタビューをしたりして、とても満たされた気持ちになりました。その後、私はこれを続けてさらに研究する必要があると感じました。」

国内外の続々と広がるプロジェクト

こうしてプロジェクトは勢いを増し、ベルリンの枠を超えて拡大していきました。2022年から2024年にかけて、Wechselberger氏のシリーズの範囲は、バンコク、ロンドン、メキシコシティ、ニューヨーク、ウィーンなどのセックスワーカーを含むようになりました。彼の旅行中、彼が見つけたのは、彼が会ったセックスワーカーたちの間に見いだされた共通点でした。「文化的、経済的、法的文脈での隔たりがあるにもかかわらず、私たちは共通のストーリーを共有していました。私は本当にこの多様なグループを祝いたいと思いました…世界中の人々に会い、共通のストーリーや課題を共有し、さまざまな出会いについておしゃべりすること──すべては信頼とコミュニティの構築につながることです」と彼は語っています。

セックスワーカーの強さとエンパワーメントを描くことの重要性

彼はこれらの都市を選んだのは、セックスワークが依然として違法だが「非常に需要がある」ためですと述べています。この意味では、法律は彼の被写体を異端者にした。彼が文書化している世界は不正行為であり、マージンで存在せざるを得ないのです。「多くの国では、セックスワーカーは私たちの尊厳と権利を侵害する非人道的な法律に直面しています。私はセックスワークと、この仕事を選んだ人々についての考え方を変えたいのです。私にとって重要だったのは、私たちを強くエンパワーする方法で私たちを描くこと、私たちの個人的な代理権を示すことでした。独自性と自治を強調することで、私の希望は、スティグマを減らし、私たちの経験をより安全なものにすることなのです。」

仕事の準備に焦点を当てた写真集

Wechselberger氏は、性的な出会いの「緊張した瞬間」に意味を重ねることなく、仕事の準備の儀式と関連する遺物に焦点を当てました。彼が興奮するのは、誰もが関連性を持つと感じるこの仕事の側面です。「シャワーを浴びたり、髪をセットしたり、メイクをしたり、音楽を聴いたり、祈ったりすることです。単に、準備するという行為です」と彼は述べています。「文字通りの性行為は、仕事のごくわずかな部分に過ぎません。私を興奮させるのは、クライアントやセックスを描写することではありません。私が興味を持っているのは、この仕事をする人々、彼らの日常と物語です。生々しい瞬間や、（手の）バッグや仕事場の中身を捉えることで、個人の人間性を示し、誰もが自分自身を見出すことができるものに焦点を当てています。」

撮影された写真集のシネマティックなクオリティ

彼の新しい写真集は、過去2年間の肖像画を集めたものです。これらのイメージにはシネマティックなクオリティがあり、彼らはしばしばシンプルなドキュメンタリー写真よりも演劇的な印象を与えつつ、報告の正直さを保持しています。これらの写真は親密さを感じさせ、私たちは被写体と共謀するように招かれ、彼らの個人的な効果を見ることができます。Wechselberger氏は、些細な形で仕事に準備をしている人々の家でいくつかの写真を撮影しました。他の場合では、彼はホテルを予約しました。「私たちはそこで会い、時間を過ごし、仕事やクライアントについておしゃべりし、写真を撮りました。」と彼は述べています。

もっとも感情的で印象的なストーリーの一つがここから浮かび上がるが、それはおそらく、この仕事の原体験であり、Wechselberger氏の言葉で言えば、「自己決定と自分の身体をコントロールすること」についての物語です。

というわけで、Readyのページから得られる最大の意義はこのようなものです。Wechselberger氏の言葉によれば、それは、「自己決定と自分の身体をコントロールすること」についての物語なのです。

Vincent Wechselberger氏のデビュー写真集Readyはこちらで入手可能です。本のベルリンでのローンチイベントは7月3日に