2018年春夏シーズンより、ルーシー&ルーク・メイヤー夫妻がクリエイティブ・ディレクターに就任した新生〈ジル・サンダー(JIL SANDER)〉。つい先日ご紹介したプロジェクトに続き、またもや新しい取り組みに関する報が入りました。
それは、『パリ、テキサス』や『ベルリン・天使の詩』等の代表作で知られる映画界の巨匠ヴィム・ヴェンダースがキャンペーンムービーを撮りおろすというもの。しかも、そのムービーを一時停止したシーンを、今シーズンのキャンペーンビジュアルに使っているのです。世界的な映画監督とタッグを組むというのはブランドとしては初の試みのようで、期待感は膨らむばかり。まずは予告編からご覧下さい。
今回のキャンペーンムービーは5つの異なるシナリオで展開され、この予告編はいわばダイジェスト版。「エレベーター前で佇む一人の女性は誰を待っているの?」「湖から上がってくるウェットスーツ姿の男性を女性が見つめてるシチュエーションって?」などなど、意味深かつテンポよく変わる展開はもはやファッションブランドのキャンペーンムービーということを忘れてしまいそうなほど。
ムービーの内容ばかりに目がいってしまいますが、ウェアに宿るディテールもしっかりとチェックできます。多角的に見たときのシルエットや生地の動きなど、静止画では拾えない服の魅力を補完するツールとして、ムービーってとても有効ですよね。
ちなみに、現時点で公開されているのはエピソード1とエピソード2のみ。後者の冒頭に現れるショッキングピンクのニットを纏った女性なんて、『パリ、テキサス』に出てくる主人公トラヴィスの妻ジェーンを彷彿とさせるではないですか。エピソード3以降は、今シーズン中に不定期でアップされるようなので、引き続き〈ジル・サンダー〉のオフィシャルサイトをチェックする必要がありそうです。
新生〈ジル・サンダー〉のコレクションを紐解く手掛かりは、このムービーシリーズにあるのかもしれません。
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JIL SANDER
www.jilsander.com/
Source: フィナム