HYPE BEAST
クルマ業界の課題のひとつに、「小さな高級車」がある。いいクルマに乗りたいけれどデカいのはイヤ、という人はいつの時代も一定数いて、自動車メーカー各社も「小さな高級車」に取り組んできた。たとえば1960年代には、クラシック「MINI(ミニ)」のお兄さんにあたるADO16というコンパクトカーの内装をウッドとレザーで設え、後席にピクニックテーブルまで備え付けたヴァンデン・プラ・プリンセスという「小さな高級車」が開発された。普段は「Rolls-Royce(ロールス・ロイス)」の後席に乗っているような人が、混雑したロンドン市内をすいすい移動するためのクルマだったけれど、大成功というわけではなかった。というのも、小型軽量のコンパクトカーは物理的にずっしり重厚な乗り心地にすることが難しいし、狭いエンジンルームに大きなエンジンを積むわけにもいかないから加速もそこそこ。結局、インテリアは豪華だけれど、乗り心地や加速感は普通のコンパクトカーと変わらなかったのだ。その後も、同じような理由で「小さな高級車」が大成功を収めることはなかった。やっぱり「小さな高級車」は難しいのか……、と思っていたところ、「Lexus…