連載「憧れの逸品」No.26 500足履いて出したルイ・ヴィトンの結論。

ストリート・カルチャーに対する造詣が深い〈ルイ・ヴィトン（LOUIS VUITTON）〉のメンズ・コレクションアーティスティック・ディレクター、キム・ジョーンズにとってスニーカーは欠くことのできないアイテムだ。

サイクリングを通してそのラディカルさの虜になったアスリートシューズ、ローティーンで手に入れた〈ナイキ〉のヴァンダル、ストレート・エッジ（ハードコア・パンクのサブジャンル）にはまって色違いで揃えたジョーダン 5…。幼少期に芽生えたスニーカーへの愛はとどまることを知らず、キムのワードローブはゆうに500足を超えたという。

〈ルイ・ヴィトン〉の “いま” を体感したいならハイカットの一足を。ハイキングブーツをパッチワークでアップデートしたそれは旅をテーマに据えるメゾンを象徴している。

ローカットの二足も捨てがたい。デザイン、パターン、フォルム。スニーカーを知り尽くしたからこそのさじ加減は秀逸の一言だ。ブラックで染めたのはコードバンだが、エッジの仕上がりは惚れ惚れするほどに美しい。