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【対談】スケートに救われた若き写真家 ー 相澤有紀、Cho Ongo

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2017年からメジャーを舞台に活動するnever young beachに2016年、1年間密着してライブ、ツアー、オフショットを撮影した写真家・相澤有紀と、diaspora skateboardsのカメラマンとして活動するCho Ongo(チョウ・オンゴウ) 。それぞれが個展をNo.12 Galleryで行った同年代の写真家2人が共通して持つスケートのバックグラウンドと写真について、​diaspora skateboardsの小林万里が聞いた。

聞き手: 小林万里
取材、構成、写真: Jun Yokoyama
撮影協力: アクメ ファニチャー 目黒通り店

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小林万里 – 最初の自分と相澤くんの出会いから話すと、中目黒Solfaであったイベントで、相澤くんがBronzeのコーチを着てて「スケーターいんじゃん!」ってなって、diasporaのステッカーをコーチに貼りまくったんだよね。(笑) 2人はどこで出会ったの?

Cho Ongo – 大学の友達のダイスケくんがNXNGというグループでイベント「NEW VACANT STORE」を主催していてそれつながりだよね?

相澤有紀 – 自分はそのNXNGのイベントのパーティフォトを頼まれて、誰も知らないところに行ったら、他にも写真撮ってる人がいて。それがChoくんだった。

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by 相澤有紀

小林万里 – あやしいやつだと思ったでしょ?(笑)

相澤有紀 – そしたらNXNGがグループ展を企画してくれて、それにChoくんとぼくが一緒に展示したんだよね。

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by Cho Ongo

Cho Ongo – 中目黒のJust Another Spaceだったかな。万里君も来てくれたよね。それ以来ちょいちょい会うようになったんだよね。イベントで会ったり。

小林万里 – 結構共通の友達も多いし。

相澤有紀 – ほんと2、3人いれば繋がっちゃうよね。

小林万里 – お互いの写真の印象は?

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Cho Ongo

Cho Ongo – 似てるっていうかストリート寄りだなって思った。スナップ写真も多いし。同じフィルムで写真撮ってるし。やり方っていうか基本が似てるのかな。考え方は違うかもしれないけど。

相澤有紀 – ぼくはめっちゃ女の子好きだなって思った。(笑)

Cho Ongo – それが理由で写真撮ってるからね。(笑)

小林万里 – ふたりとも独学?

Cho Ongo – 僕は独学で、相澤くんはスタジオ入ってたよね。

相澤有紀 – けどドロップアウトしました。

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by Cho Ongo

小林万里 – 被写体も結構似てる?

Cho Ongo – 相澤くんはライブ写真が多いよね。

相澤有紀 – やっぱりライブの写真が一番多いかな。

小林万里 – スケートの写真っていうのはあんまり撮らないの?

相澤有紀 – スケートも一緒にすべるやつがいなくて。ただひたすら一人で板持って駒沢公園に行ってすべってて。これからは撮ってみたいと思ってるんですけど。

小林万里 – それはどうして?

相澤有紀 – スケートに結構救われてるからかな。

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相澤有紀

Cho Ongo – そういう意味では自分もそうかも。本当に大学入った時は写真部に入部したけど、現像の方にはまっちゃって、ひたすら現像ばっかりしてて。万里君の友達の横山くんって人に「diasporaのイベントがあるから来なよ」って誘ってもらって、そこで写真を撮ったんだよね。それがきっかけで万里くんとかが学祭の展示に来てくれて、その時初めて褒めてもらったんだよね。あんまり今まで褒めてもらったことなかったから。それがうれしくて今でも続けてるかも。

小林万里 – その写真Instagramで上げたら色んな人が反応してくれたよ。

Cho Ongo – それがきっかけになってdiasporaのスケートの写真を撮るようになって。

小林万里 – 結構Choくんは屈折した青春時代を過ごしてたんだね。

Cho Ongo – ずっと帰宅部で、外との関わりがなかったから。(笑)

小林万里 – どうしてスケート始めたの?

Cho Ongo – diasporaの大会を見に行って、それと同時に別の友だちがスケートを始めて一緒にやってたんだけど、やめちゃって。大学が駒沢だったから、一人で駒沢公園に行ってたんだよね。その時diasporaも駒沢公園でよく滑ってたから仲良くなった。

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小林万里 – その大会がきっかけになってChoくんがスケボー始めたのはすごくうれしかった。相澤くんは?

相澤有紀 – 駒沢公園とか大蔵とかで滑ってました。

小林万里 – きっかけは?

相澤有紀 – 小学校から大学2年生まで体操をやってて。体操で大学も入ったんだけど怪我で体操をやめちゃって。そっからスケートと写真を始めた。

小林万里 – それは同時に?

相澤有紀 – 怪我したタイミングで大学も辞めて時間があったから地元の友だちと会う時間も出来たんだけど、その友達が一人でスケボーしてたから、一緒に滑るようになった。

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小林万里 – 写真はいつから?

相澤有紀 – 地元の子が10代からやってるイベントがあって、そこに遊びに行った時に父親のコンパクトデジカメを持っていっていて、なんとなく撮ってて。それが回数重ねるごとにコンパクトがフィルムの一眼レフになって、写真撮る係になってた。

2年前にNY行った時にそのフィルムの一眼レフはパークで盗まれちゃいました。めっちゃ泣きましたね。

小林万里 – 悪ガキがいたんだね。イベントで写真始める人多いよね。Choくんもそうだもんね。二人ともスケートの出会いがちょっとネガティブなんだね。Choくんもスケートなかったら多分やばかったよね。(笑)

Cho Ongo – ここまで社交性がなかったかもしれないですね。(笑) ほんとスケートと写真を始めてから色んな人に出会えるようになって、だから続けてるってのもあるかもしれない。

小林万里 – スケートやってるととりあえず分かんねぇけどやってみようみたいなマインド出て来るでしょ。写真もその勢いでやってるの?

Cho Ongo – 自分のやり方でやった方が自分のスタイルが出るっていうのは学んだことかな。人から学びすぎると似たり寄ったりになっちゃうし。

相澤有紀 – スケートしてると自分がラフになれる。体操とは、トリックをメイクすることは似てるけど、指導者がいたり、上下関係があったり、嫌でしたね。

小林万里 – スケートでは同じ技でも、人によっては全然違うやり方でメイクまで持っていくじゃん。体操とかとは全然違うよね。競技じゃないというか。

Cho Ongo – 基本的にスケートやっててディスられたことないですね。みんな下手な人に対しても、オープンにいい所を見つけるというか。否定的に入る人がいないというか。あとスケーターの人はおもしろいことにアンテナ張ってるから、いろんなものや人に出会えるかな。一緒に遊んでるとおもしろいというか。

小林万里 – 確かにそれはありますね。

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Photograph by 相澤有紀

相澤有紀 – ぼくにオーリーを教えてくれた友達が亡くなってしまって。その子の遺影が、ぼくがたまたま撮った写真だったんですよ。写真もスケートも続ける理由となりましたね。

相澤有紀 – あと、スケートを始めて物事の見方が広がったというか「このステアやばいな」とかってなるようになりましたね。街を再構築するっていうか。

小林万里 – どこでも遊び場になりますもんね。

相澤有紀 – ZINEのカルチャーとか、マーク・ゴンザレスとかが有名ですけど、表現も柔軟というか。

Cho Ongo – ずっとスケーターと撮影回ってる時、スポットを見つけるじゃないですか。フィルムの枚数の上限がある中で何度もスケーターがチャレンジするのを撮って撮って、ようやくメイクを撮れた時の高揚感がすごくて。もちろんビデオでもその前後が切り取れたりするんですが、写真の場合はそれがすごい。一番楽しいですね。撮るまでにイメージを持って、それが撮れるといい。

小林万里 – スケーターも自分のトリックのためのタイミングとカメラマンとのタイミングに合わせるもんね。

Cho Ongo – やっぱりスケートしたことないと撮影のタイミングも、気持ちも共有できないんじゃないかな。

小林万里 – スケートの撮影をしてると、カメラ持ったおっさんが「撮らせて」って言って来るんですよ。けど半端ない位置取りをして、スケーターがカーブとかにアプローチするところで待ち構えちゃったりして。(笑)

で、後で写真送ってくれることもあるんで見るんですが、オーリーの板が上がりきってない所だったりとか。スケーターじゃない人が見ればそれっぽい写真だと思うんだけど、スケーターが見ても「おおっ」ってならないというか。

Cho Ongo – だから相手のことを知ることは大事ですね。メイクの特徴というか。

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by 相澤有紀

小林万里 – 相澤くんは自分のスタイルのことをどう考えてる?

相澤有紀 – 周りに音楽をやってる人が多かったので、友達のスナップの延長でライブを撮るようになりましたね。あとは人物を撮るのが好きですね。自分としては、作品撮りというよりも、記録としての写真が大事と思ってやってきましたね。けど、最近は作り込んで撮るのもおもしろいと思って取り組んでます。

相澤有紀 – フィルムって生なもので、フィルムに光を焼き付けるっていう時間をフィルムに封じ込めるっていうのはデータとはまた違うし。特別かなって思う。

Cho Ongo – フィルムってその時の感情でしか撮らないから、変な写真は一枚もないというか。

相澤有紀 – フィルムが偉いとかそういうことじゃなくて、変なこだわりがあるだけで、写真を撮ることが大事というか。iPhoneでもデジカメでも撮るし。

Cho Ongo – 自分は仕事があればデジタルで撮ることもありますけど、安心しちゃうというか。むしろフィルムで撮らないと正直になれないんですよね。

小林万里 – 今日は、結構2人の知らない話を聞けてよかったです。ありがとうございました。

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EXHIBITION INFO

相澤有紀参加
NXNG & McGuffin presents
『FUTURE IN THE PAST』
2017年8月30日(水)-9月10日(日)※月火定休
13時〜20時 at PARK GALLERY
東京都千代田区外神田3-5-20
http://park-tokyo.com

相澤有紀 Aizawa Yuki
90年東京都出身。主にスナップ、バンドのアーティスト写真やライブを撮影。記憶をフィルムに焼き付けるように、日々シャッターを切っている。
https://www.izwyuki.com/

Cho Ongo個展
Cho Ongo(チョウ・オンゴウ) – “usual”
期間:2017年8月18日(金)~2017年8月27日(日)
場所:ACME Furniture 目黒通り店   電話番号:03-5720-1071
※19日と20日はCho氏が在廊します。

レセプションパーティー
初日にはささやかながらレセプションパーティーを開催いたします。 皆様お誘いわせの上ご来場くださいませ。
日時:2017年8月18日(金) 18:00~21:00

Cho Ongo
1989年生まれ。 大学の時に写真の現像にハマり、写真に興味を持つ。 そしてDiaspora skateboardsに出会い、本格的に写真を始める。 写真をひとつのコミュニケーションツールとして捉え、 写真の基本機能「記録・写実」を意識しながらシャッターを切る。
http://ongocho.com/

Source: FNMNL フェノメナル

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