各国に参加者を持つSound Mind, Sound Body(SMSB)コミュニティがシンガポールに集結。クリエイティブなスポーツイベントを開催した。creativity、movement、community、mindfulnessの4つの柱を掲げ行われたイベントでは、様々な分野で活躍する人々をリーダーに迎え、ワークショップなどを通じて各地から集まった参加者たちが交流。フィットネスやライフスタイルへのより深い理解と楽しみ方を提案する〈ASICS(アシックス)〉らしい取り組みが3日間に渡り行われた。4つの軸として構成されたワークショップは、Mister Sabotage(ミスター・サボタージュ)によるスニーカーカスタムワークショップ、パルクールのエリート集団Storror(ストーロー)によるパルクールワークショップ、フォトグラファーJeryl(ジェリル)と巡るアーバンフォトシューティングウォーク、そしてHoliday Phillips(ホリデー・フィリップス)によるウェルネスチュートリアルだ。
さらにこのイベントの大きなハイライトは〈ASICS〉によるリレー競技。旧カラン飛行場をスタートし、カラン川に沿ってシンガポールの数々のランドマークを横目に走るハーフマラソンコースを、4つのチームで競うリレーが行われた。各所に設けられたSMSBによる応援ゾーンからの声援を受け走った4チーム。SMSB ロンドン、SMSB パリ、Storrorパルクールチームをおさえ見事勝利を手にしたのは、SMSB SEL+TYO(ソウル+東京)だった。リレーの後にはシンガポールを一望できる地上71階の『Bar Rouge』にてイベントの開催を祝した参加者たち。SMSBプログラムのメンバーであるDrew Taylor(ドリュー・テイラー)、Mark Ong(マーク・オン)、Jeremy Esteve(ジェレミー・エスティーヴ)、Naomi Clement(ナオミ・クレメント)、そして西川隼矢の5人から、このSound Mind, Sound Bodyの取り組みついてのコメントと魅力を語ってもらった。
目次
創造性とスポーツというのは、あなたの中でどのようにリンクしてますか?
Drew Taylor, Storror パルクール メンバー
パルクールというスポーツ自体が、クリエイティビティと自己表現そのものなんだ。個人個人がそれぞれの動きやスタイルを持っていて、目の前の障害物にどんな面白いプローチをするかは全て自分次第。そこがパルクールの面白さだよ。フィジカルとクリエイティブ表現の絶妙なバランスを持ち合わせているのがこのスポーツなんだ。障害物を超えて行くにはそのどちらも重要な要素だからね。
Mark Ong SBTG, スニーカー カスタマイザー
クリエイティブなマインドであるためには、体のコンディションも良くなくてはいけないと思っているんだ。だから体を動かすこととクリエイティブでいることは、自分にとって常に並列な価値があるものだよ。
Jeremy Esteve, フォトグラファー & SMSB PAR Captain
ここ4年間、スポーツは僕の人生においてどんどん重要な位置を占めてきている。今は少なくとも週3回はトレーニングをしているよ。僕はフリーのフォトグラファーもしているし、自分のプロダクションカンパニーも持ってる。だから常に忙しい身ではあるんだけど、スポーツは自然に自分をリラックスさせてくれるし、アーティスティックなものの見方を整理させてくれるんだ。
Naomi Clement, 音楽ジャーナリスト & SMSB PAR Member
音楽は私の毎日の大部分を占めているわ。それが仕事でも、人間関係でも、そしてスポーツに向かう姿勢だとしても、音楽は常にそこにあるの。私の感性を刺激したり、新しい人間関係を生んでくれたり、自分の体の限界に挑戦させてくれるのも音楽よ。だからそうね、音楽が私の創造性とスポーツをつなげてくれる存在だと思うわ。
西川 隼矢, 水中フォトグラファー & SMSB TYO Member
僕はプールで泳ぐスイマーたちの写真を専門とする水中フォトグラファーです。特殊なライティング技術を使って、クリーンな写真や、水中、水面の反射を利用した鏡に映ったようなアーティスティックな写真を撮影します。海ではなく、プールでしか表現できないものがたくさんあるんです。この仕事はダイレクトに体力とクリエイティビティを結びつけていますね。
creativity、movement、community、mindfulnessと自分の人生との関わりについて教えてください。
Drew Taylor, Storror パルクール メンバー
クリエイティブな動きというのはパルクールの基本だから、最初の2つはパルクールというスポーツそのものだね。そしてこのスポーツの良いところは、自然に育っていったスポーツだからコミュニティーが狭いということ。みんながみんなを知っているし、どんなジャムやイベントに参加してもオープンでフレンドリーなんだ。そしてマインドフルネスというのも僕らには欠かせない心理状況。全神経を目の前の軌道に集中しないと、危険なパフォーマンをやり遂げることはできないからね。
Mark Ong SBTG, スニーカー カスタマイザー
言葉にならない暗号やコードや視線を見て育ってきたんだ。だから僕は常に、自分の仕事が次の世代にどんな影響やインパクトをもたらすかっていうことを常に意識してるんだ。
Jeremy Esteve, フォトグラファー
クリエイティビティーは常に僕を取り巻いているよ。僕は自分のプロジェクトのためのムードやインスピレーションやアイディアを常に探している。フィットネス好き、ランナー、トライアスリートとしてだけじゃなく、いつも何か新しいものを見つけたいし、今回の取り組みもその一環。体を鍛えてその先を体験したいっていう思いもあるし、単純に人生のなかでより遠くへ行って、より多くの経験をしたいと思っているんだ。コミュニティーっていうのも僕にとっては大切。一人ぼっちでいることは少ないし、自分が前進するためには僕のプロダクションチーム、友達、家族が必要なんだ。そして僕も、何らかの形で周りの人たちの助けになったり、良い影響を与えたりできたらと思うんだ。そしてマインドフルネスは、自分自身に耳を傾けるという僕の生き方自体を表している。自分の信じるものを感じるままにやっていくこと、自分が薄っぺらいイメージじゃなく、リアルな人間だと実感することなが大切だと思うんだ。
Naomi Clement, 音楽ジャーナリスト
4つのエレメントは私の中に深く根ざしているわ。フリーランスの音楽ジャーナリストにとって、常に動き回り、クリエイティブでいることはとても大切。そしてコミュニティーはそんな私を突き動かしてくれるものだわ。友達や、見ず知らずの人がInstagramなんかで私の記事が面白かったと言ってくれる度に私を勇気付けてくれるし、やる気を起こさせてくれるの。だって、誰も聞いたことのなかったストーリーを読んで楽しんでもらうのが私のゴールだもの。私は多分、マインドフルネスっていう境地を目指しているんだと思うの。だってまだその心境が得られたとは思っていないから。でもわたしのクリエイティビティー、ムーヴメント、そしてコミュニティーが、わたしをいつかそこへ連れて行ってくれると信じているわ。
西川 隼矢, 水中フォトグラファー
SMSBでは、クリエイティブの分野での貢献を目指しています。水中フォトグラファーとして、アスリートたちの体、声、ダイナミズム、そして美しさを捉えることでPRやブランディングの分野を支えられたら嬉しいです。
ムーヴメントというキーワードはあなたの仕事にとって重要ですか?
Drew Taylor, Storror パルクール メンバー
ムーヴメントは僕らの仕事。面白く、楽しく、そして効率よく体を動かしてそれを動画や写真におさめてたくさんの人とシェアするんだ。そういう部分ではパルクールはダンスと似たところがあるかもしれないね。ただ自分が立っている場所にある、あらゆるものを使って行う動きは、ダンスとは全く違ったダイナミックさがあるんだ。
Mark Ong SBTG, スニーカー カスタマイザー
大事だよ。僕はいつもシルクスクリーンを洗う所まで、スケートで移動するんだ。
Jeremy Esteve, フォトグラファー
フォトグラファーは常にベストな角度やビューポイントを探しているんだ。それは僕の仕事にとって最も重要なことの一つだよ。僕はみんながいるスポットにずっと留まったりはしない。常に新しいテクニックにチャレンジするよ。それと、写真に躍動感を与えるために、シャッタースピードを落とした写真を撮ることがよくある。ライティングでモデルの動きは止まらせて、スローシャッターで周囲に動きをつけたりね。
Naomi Clement, 音楽ジャーナリスト
もちろんムーヴメントは大切よ。ストーリーを物語るための話題やトピック、アイディアを手に入れるために常に動いているわ。過去10年を振り返ってみても、いいストーリーっていうのは私がより動き回って没頭したものばかりだもの。
西川 隼矢, 水中フォトグラファー
エクササイズは頭の中をクリアにして、前向きになる手助けをしてくれます。実際、エクササイズ中に新しいアイディアを思いつくことが多いですね。エクササイズ自分をクリエイティブにしてくれているんだと感じます。
健康なマインドと体を維持するのに日々欠かせないことは何ですか?
Drew Taylor, Storror パルクール メンバー
フィジカルなチャレンジかな。じぶんのコンフォートゾーンを超えて、自分の体にチャレンジすることで、体にだけじゃなく心にもいい影響が出るんだ。不可能に感じていたことも、毎日挑戦し続ければ乗り越えられるのもなんだ。
Mark Ong SBTG, スニーカー カスタマイザー
仕事前に、野菜とフルーツのジュースを作ってるよ。水も1日の初めになるべくたくさん飲む。それでデトックスして、1日をクリーンな体で過ごせるようにしているんだ。
Jeremy Esteve, フォトグラファー
ます僕が朝起きて最初にするのはコーヒーを飲むこと。そして、大体週に3回は朝運動するんだ。ランニング、自転車、スイミングとかね。そうじゃない日は、家でワークアウトやヨガ、ストレッチなんかをするよ。自分の仕事も自分の会社もあるから、時間が取れるのは大体午前中なんだ。撮影がないときは朝は自宅で過ごして、午後から出勤する。でも、朝全く運動できないときは、夕方から思いっきり体を動かすことにしてる。そのあと友達と一緒に飲みに行ったり食事をしたりね。運動が生活のカギだと思うな。
Naomi Clement, 音楽ジャーナリスト
私の1日は大体、SMSBのパートナーと『Dynamo Cycling』に行くことからスタートするわ。音楽をベースにしたクラスに参加するのは、もちろん体にもいいけど、頭をスッキリさせてその日1日のことを考えるのに最適なの。その後は、ヒップホップやR&Bの記事を書いたり、ラッパーやシンガーにインタビューをしたりして過ごすんだけど、友達のダンスパーティーにもなるべく参加するようにしてるの。何度も繰り返しちゃってるけど、音楽は私の心と体にとって素晴らしいごちそうみたいなものなの!
西川 隼矢, 水中フォトグラファー
好きな仕事をする、やりたくない仕事は受けないっていう自分の中の哲学があるんです。体力を使う仕事でも、やりたい仕事には疲れを感じません。そして反対に、やりたくないのにうけてしまった仕事は、心も体もすごく疲れてしまうんです。
あなたが住む街はあなたのクリエイティブプロセスにどう影響していますか?
Drew Taylor, Storror パルクール メンバー
ロンドンは世界で最も人種も文化も混ざっている都市の一つだから、常に違う考えや新しいアイディア、より良い物事の進め方に触れられる場所だと思うんだ。そういったオープンでフレッシュなアイディアの中に身を置くことは、クリエイティブなことをする上ですごく大切だと思うよ。
Mark Ong SBTG, スニーカー カスタマイザー
シンガポールのアーティストでいることは、僕にとてもユニークな体験をさせてくれていると思う。都市としては歴史の浅い場所だから、僕たちが行うことの多くは、街の歴史を物語る本に載ることもあるくらいだ。だからより、自分のしていることに大きな意義を感じているよ。
Jeremy Esteve, フォトグラファー
パリは僕にたくさんのインスピレーションを与えてくれる街だよ。曇っている日だって美しい光を湛えている。僕はパリの街を歩いて、グラフィックと建築の関係性を見つけるのが好きなんだ。新しいものを発見すると同時に、自分の次のプロジェクトのネタ探しもできる。それと、僕はファッションも撮っているんだけど、パリのエレガンスっていうのは実在するんだと改めて思わされるね。人々の振る舞いには感銘を受けることがたくさんあるよ。
Naomi Clement, 音楽ジャーナリスト
私はパリで生まれ育ったんだけど、それでもこの街に飽きることはないわ。この街を形作る人たちはすごく刺激的なの。最近は、たくさんの若いパリジャンたちがすごく力強いプロジェクトをしているのを見るわ。音楽でもファッションでもスポーツでもアートでも。パリで私取り巻く環境にいる人たち自体が、私のインスピレーション源なの。
西川 隼矢, 水中フォトグラファー
2020年のオリンピックを前に、東京では色々な変化が起こっています。多くの人たちが協力しあい、新しいビジネスやテクノロジー、アート、エンターテインメント、そしてもちろんスポーツの発展に尽力しているんです。向こう3年間で沢山のビジネスが生まれると思うし、そのために頑張っている人たちは僕をサポートしてくれている人たちでもあります。期待されること、求められていることは高度ですが、今まで誰もやらなかったことをなしとげられるだろうと僕は信じています。
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Source: HYPE BEAST