あの人がおすすめする今季買うべきアウター16選。
11月に入り、肌寒い日が続くようになってきた。長い冬の到来だ。冬のファッションといえば、やっぱりアウターがスタイリングの “顔”。みなさんはもうジャケットやコートは購入しましたか? 「まだ買ってない!」と心のなかでつぶやいたかたは、ぜひこの特集を参考にしてほしい。今回はファッションの最前線で活躍する8名のクリエイターに今季おすすめのアウターをそれぞれ二着挙げてもらった。ファッション好きたちがレコメンドするだけあって、ここに並んだものは一筋縄ではいかないものばかり。記事を見終わったあと、物欲の矛先はきっとアウターへと向かっているはずだ。
- Photo_Kazumasa Takeuchi(STUH)
- Text_Yuichiro Tsuji
- Edit_Ryo Muramatsu
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SELECTOR 01
久保光博 / GR8 バイヤー
トップバッターは、モードとストリートの垣根を越えたラインナップが魅力のショップ「GR8」のバイヤーを務める久保光博さん。「ボリューミーで素材やカラーにインパクトのあるアイテムが今季は気になります」と言う久保さんがレコメンドしてくれたアイテムは、その言葉通り、ひと目見ただけで頭のなかに “!” がたくさん浮かび上がる二着だ。
発色のいいイエロー、そして大量のダウンが詰まったボリューミーなシルエットに特徴がある一着。「北イタリアのアウトドアブランドとロンドンの天才デザイナーによるコラボレーションで、ひと目見た瞬間に今冬のマストなアウターだと感じました」と久保さんは語る。「パンチのあるルックスですが、意外と着やすいアイテム。ダウンジャケットなので軽くて暖かいところも気に入っています」
「いまのストリートスタイルのいいアクセントとなる、ラグジュリーかつレトロなムードが魅力のアイテムですね」と話す〈OFF-WHITE c/o ART DAD〉の一着は、高級感とストリートの香りを同時に堪能できる贅沢なアイテム。「〈OFF-WHITE™〉と〈No Vacancy Inn〉のTremaineとAcydeによるART DADプロジェクトは、アイコニックな彼らのスタイルが凝縮されていると思いました」
SELECTOR 02
尾崎雄飛 / SUN/kakke デザイナー
「レザーやムートンなど、変わった素材のアイテムが今季は気になります」と語るのは、〈サンカッケー〉のデザイナー、尾崎雄飛さん。ストイックにファッションを追求する尾崎さんにアウター選びの基準を尋ねると、「暖かい、軽い、パターンがいい(運動量の確保)」とリズミカルに答えてくれた。
尾崎さんがレコメンドする1つ目のアウターは、フイナムでもおなじみのブランド〈オーラリー〉のブルゾン。「素材のよさ、そして過度なデザインを削ぎ落とした意匠との絶妙なバランスが魅力的ですね」と、尾崎さんは語る。上質なアルパカの生地は暖かく、肌触りがいいのが魅力。「生地の魅力を理解した上でのシンプルな調理がいい。このアイテムをひと目見たとき、デザイナーのやりたいことが強く伝わってきました」
二着目は自身のブランド〈サンカッケー〉のコートがエントリー。「いままでにいくつもコートをデザインしてきましたが、それらを精査して、いいとこ取りなコートができあがりました」と自信気に話す。「多彩なポケットの充実、脇下にはベンチレーション用のジップも付けました。そして、なんといっても軽さが売り」とのこと。その言葉通り、柔らかくて軽量のメルトンで仕立てられていて、着心地は最高のひと言。トレンドに左右されない、仕立ての良さもこのアイテムの魅力になっている。
SELECTOR 03
金子恵治 / L’ECHOPPE バイヤー
東京・青山にある玄人好みのお店「レショップ」のバイヤー、金子恵治さんがアイテムを選ぶ際に参考にしているのは、つくり手の声なんだとか。「職業柄、つくり手のかたと直接お会いする機会が多いので、そういった方々のお話が、服選びのイメージの源になっています」。そんな金子さんに今季気になるアイテムの傾向を尋ねると「ボトムがタイトになっていくなか、ボリューミーで存在感のあるアウターに惹かれます。逆三角形なシルエットをつくりたいですね」という答えが返ってきた。
「極寒のニューヨークで、このアイテムをジャストサイズで着ている人を見かけました。ファッションとしてではなく、実用着として着ている姿が凛々しく誇らしげで、つい見とれてしまいました」と金子さん。「ブランド史上最高のスペックを持つ一着。極寒地向けにつくられているだけに、3.4kgに及ぶ尋常ではないダウンの含有量と、ファッション的要素のない100パーセント機能としてのディテールなど、他のラインナップとは完全に異なる意匠が魅力的」
続いて紹介してくれたのは仕立てが美しい〈CLASS〉のジャケット。「完全にフォーマルなスタイルのジャケットなんですが、そういった場所に着て行ってはいけないようなフォルムをしていて、これをどう着こなせばいいのか? チャレンジ精神が湧きました」という言葉通り、アームホールが極細で、後身頃のベントを除いた仕立てに特徴がある。「一見するとトラディショナルなタキシードジャケットなのに、それを普段着として見事に着地させている。つくりも丁寧で、長く付き合える一着ですね」
SELECTOR 04
西又潤一さん / スタイリスト
さまざまなファッション誌を中心にスタイリストとして活躍する西又潤一さん。「素材感がクラシックで大人っぽく見えるものを選んでいます」と、今年のアウター選びの傾向を教えてくれた。「気分の移り変わりが激しく、明確な基準はありませんが、基本的に色は黒をセレクトするようにしています」とのこと。
今季のトレンドとも言えるコーデュロイで仕立てられたベンチコート。「ベンチコートという名称がユニークなんですが、言葉のイメージよりも上品な一着」と西股さん。「ざっくりと羽織れる仕立てで、スタイリングの幅を広げてくれます。フードのなかにもボアが付いているので、寒い季節でも機能的に着れるのがうれしい」
「展示会で実際に購入したアイテムです。素材やサイズ感が気に入りました」と語るジャケットは、荒々しさを活かした生機のウールを採用。身幅がたっぷりでいまっぽいシルエットになっている。「カテゴリーはジャケットですが、ビッグサイズなのでショート丈のコートのような感覚で着ようと思っています」
SELECTOR 05
佐藤雅美さん / ANATOMICA
今回の参加者のなかでも紅一点の〈アナトミカ〉の佐藤雅美さんは、「普遍的かつ長く着れるかどうかがアウター選びの基準になります」と教えてくれた。そんな佐藤さんがおすすめするアウターも、やはりスタンダードでつくりのいいものがラインナップ。
「このコートをひと目見て、冬が待ち遠しくなりました」と佐藤さんが語る〈アナトミカ〉のステンカラーコートはリバーシブルで、一度でニ度おいしいアイテム。「着用時のストレスのなさ、そして歩いたときのドレープの美しさに惹かれます」。アームホールがたっぷりと設計されていて、脇下や袖がゴワつかず着心地も抜群。また、キレイなAラインを描くシルエットもこのアイテムの魅力。
ミリタリーコートのライナーを連想させる〈ロッキーマウンテンフェザーベッド〉のダウンジャケットは、脇下にベンチレーション用のホールを設けた機能的なディテールが光る。ショート丈のシルエットで、野暮ったくならずに着れるところも魅力。コートの下に着るインナーとして使えば恐いもの知らずの予感がしますが、「アウターとして着るのもおすすめ」とのこと。
SELECTOR 06
中西正拡さん / LOFTMAN COOP バイヤー
「ルックスにオリジナリティーを感じるアイテムに注目しています」と答えてくれたのは関西のセレクトショップ「LOFTMAN COOP」のバイヤー、中西正拡さん。個性のあるアイテムのなかでも武骨さや男らしさを感じるアイテムに中西さんは目を奪われるとのこと。「シンプルで上品さを重んじたアイテムをここ数シーズン多く見てきたので、その反動かもしれませんね(笑)」と、その理由も教えてくれた。
「常に面白さを追求していて、そのギミックを見るのが楽しみなんです」。〈QUILP〉は中西さんが毎シーズン、展示会を心待ちにしているブランドなんだそう。写真は黒で統一されたストイックな見た目が印象的なコート。その魅力について尋ねると、「フィッシュテイルのパーカといえば懐かしさを感じるアイテムですが、これは数種類の生地によるパッチワークで表現され、ノスタルジーではなく、オリジナリティーという魅力を放っています」と答えてくれた。
「アートに見識が深いデザイナーの息づかいを感じる非常に魅力的な一枚」と中西さんが自信を持って薦める〈FREECITY〉のレザージャケット。ワッペンや缶バッヂ、そしてスタッズなど、アナーキーなデザインについて中西さんは言及する。「アメリカのカルチャーを濃く反映させたアイテムですが、そういった背景に頼らずとも、力強いデザインに心を打たれます。もちろん、このアイテムが持つカルチャーを理解すれば、その魅力の理解がさらに増すことでしょう」
SELECTOR 08
ソリマチアキラさん / イラストレーター
常にクラシックスタイルの手本のような存在のイラストレーターのソリマチアキラさん。今季は本格的なロング丈のコートが気になっている様子。アウター選びの基準について尋ねると、「上質な素材、縫製、機能性、そしてエレガントさを重視して選びます」と教えてくれた。そんなソリマチさんは、クラシックかつ紳士的な二着をレコメンド。
「店頭でAラインのダブルブレストが目を惹きました」とソリマチさんが語る〈batak〉のロングコートはオリジナルで表現したウールコットンで、袖を通すとキリッと背筋が引き締まる感覚を覚える。「英国海軍由来のジェントルなムードのコートです。他のブランドや古着では、見つけるのは困難だと思います。バックベルトでウエストを締めることでシルエットの調整ができるのがうれしいですね」
「現行のピーコートでは最もクラシカルな雰囲気を放っていると感じました」とソリマチさんが語るピーコートは、腰が隠れる着丈、太いアームホールが落ち着きを感じさせる。「1920年代のピーコートを再現したというディテールが光ってますね」。ハリがあって肉厚のフレンチメルトンで仕立てられていて、風を通さず、防寒性に優れるところもポイント。何十年と過ごせそうな堅牢なつくりも魅力のひとつ。
SELECTOR 08
八木沢博幸さん / 原宿CASSIDY バイヤー
最後に登場するのは「原宿キャシディー」の名物スタッフである八木沢博幸さん。「スタンダードなものを長く愛用したい」と語る八木沢さんがおすすめするのは、自身もデザインに携わるショップのオリジナル〈CASSIDY HOME GROWN〉のアイテムと、敬愛するデザイナー、マイケル・タピアが手掛ける〈Tapia LOSANGELS〉の一着だ。
インナーでもアウターでも着れるデザインを意識したという〈CASSIDY HOME GROWN〉のキルティングベスト。「スーツやジャケット、ローゲージのニットカーディガンのインナーとしておすすめです」と八木沢さんは語る。「中綿にはシンサレート エクストラソフトを使用しているので、薄手なのに暖かいです」。裏地に配されたペイズリーの生地が、このベストをより上品な印象にしている。
「ベーシックかつスタイリッシュなコートで、カジュアルにもドレスにも通用するデザインが魅力的です」と八木沢さんが語る〈Tapia LOSANGELS〉の一着。薄手の生地で春先も着用できる上に、エイジレスかつタイムレスなシルエットで長く愛用できるのもうれしい。最後に「ジャケットやパーカの上に羽織って着たいですね」と笑顔で話してくれた。
GR8
住所:東京都渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿 2.5階
営業:11:00 – 21:00
電話:03-3408-6908
オーラリー
電話:03-6427-7141
auralee.jp
▽三角形
電話:03-6438-9309
sunkakke.jp
レショップ
住所:東京都港区南青山3-17-3
時間:11:00 – 20:00 不定休
電話:03-5413-4714
lechoppe.jp
ウィリー
電話:03-5458-7200
O代官山 本店
住所:東京都渋谷区猿楽町26-13 グレイス代官山 #202
時間:12:00 – 20:00 不定休
電話:03-6416-1187
グラフペーパー
住所:東京都渋谷区神宮前5-36-6 ケーリーマンション1A.2D
時間:12:00 – 20:00 月曜定休
電話:03-6418-9402
アナトミカ 東京
住所:東京都中央区東日本橋2-27-19 Sビル
時間:13:00 – 20:00 火曜定休
電話:03-5823-6186
anatomica.jp
サーティーファイブサマーズ
電話:03-5825-3588
www.35summers.com
LOFTMAN COOP 京都
住所:京都府京都市中京区寺町通蛸薬師下ル円福寺前町280
時間:11:00 – 20:00
電話:075-212-5352
loftman.co.jp
batak House Cut 本店
住所:東京都新宿区新宿1-3-4 Gyoen R1-2F
時間:11:00 – 20:00 水曜、日曜定休
電話:03-5919-6682
batak.jp
原宿キャシディー
住所:東京都渋谷区神宮前6-6-4
時間:11:00 – 20:00 不定休
電話:03-3406-3070
www.cassidy.co.jp
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Source: フィナム