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Interviews:Saturdays NYC のオーナーたちに聞いたブランドの在り方

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日本上陸5周年を迎え、〈EVERLAST(エバーラスト)〉と『HAYATO GYM』との国内限定トリプルコラボレーションの発売も記憶に新しい〈Saturdays NYC(サタデーズ ニューヨークシティ)〉。代官山の店舗を皮切りに、神戸、名古屋、大阪、『阪急メンズ東京』と、国内に5つもの直営店を構え、さらに今月には日本の公式サイトもローンチ予定だ。そんな〈Saturdays NYC〉の2人のオーナー、Morgan Collett(モーガン・コレット)とColin Tunstall(コリン・タンストール)が、日本の5周年と限定コレクションのローンチを祝し、秋が深まる日本に来日。国内でも広く知られた、キャッチーなブランド名を持つ人気ブランドは、どんな想いで続いてきたのだろう? オーナーの2人の人物像は? ということで、ブランドの在り方、そしてこれからの姿勢についてを改めて紐解くインタビューを敢行。 一過性のトレンドに流されず、〈Saturdays NYC〉というライフスタイルを提案する2人の言葉を記録した。

– まず改めて、2人はどんな経緯でブランドを始めたのですか?

Colin: Morganの出身はカリフォルニアのニューポートビーチ、そして僕はニューヨーク市街からすぐ近くの町の出身で、今は2人ともニューヨーク市内に住んでいるんだ。MorganはAcneでセールスとブランドマネージメントをしていて、僕はGQやEsquire、New York Magazineなんかで出版関係の仕事をしてた。僕らは違う立場から同じシーンを見ていて、そこに何か欠けているものがあるように感じたんだ。たくさんの人がハングアウトも情報交換もできるクラブハウスっていうか、バックヤードみたいなリラックスした場所がほしいと思ってね。それと、サーフィンをする僕らにとって、仲間のニューヨークサーファーたちのための基地みたいなものがないことに気づいたんだ。

– 確かにサーフィンは西海岸や南のイメージです。でもニューヨークにもサーフスポットはあるんですね

Colin: ニューヨークはサーファーにとってもすごくユニークな街だと思うよ。街のど真ん中からも、サーフボードを持ってサブウェイに乗ればビーチまで行けるんだ。Aトレインでロッカウェイまで、とかね。ニューヨークは独特でエクストリームな街だから、そこに暮らす僕らの中でもブランドを始めるときにこの街の存在自体がすごく大きかった。それで念頭に置いたコンセプトはバランスなんだ。サーフィンもバランスが大事。そしてニューヨークという街で過ごすにもバランスが大切だと思ってね。この街のエキサイトメントは楽しく感じられることもあれば、ストレスになることもある。

Morgan: ファッションも一緒で、みんなドレスアップ、ドレスダウン、ミックス&マッチ、って普段からバランスをとってるだろ? だからバランスっていうのは、僕らの周りの全てをつなげる言葉でもあるんだ。

Colin: 僕らは Saturdays Magazine っていう雑誌も作ってて、今までで4回出しているんだけど、その表紙も2色の違った色を使ってバランスを表してるんだ。

– ブランドのフィロソフィーにもバランスというキーワードは大きな意味を持っているんですね。ではブランド名Saturdays NYCの由来は? これまで Surf という単語が入っていた時期もありましたが。

Colin: Saturday(土曜日)ってそれだけで楽しくて、ワクワクする単語だと思うんだ。仕事じゃなく、自分のための時間。土曜日って、自分次第でメロウにもエキサイティングにも過ごせるだろ? NYC(ニューヨークシティー)は僕らの生活そのものだ。Surfっていう単語をブランド名から外したのは、この単語でサーフィンの要素が強く出すぎてしまわないように。ブランドの精神自体は何も変わっていないよ。僕らはサーフィンが大好きだし、サーフの要素はプロダクトにも反映させているけど、僕らがみんなにオファーしたいのはサーフだけじゃないからさ。ブランドを広げていく上で、Saturdays NYCがベストだと思ったんだ。

Morgan: そう。Saturdays NYCって言葉は、それだけで強い印象があるけど、それと当時にライフスタイルを限定してしまう言葉じゃないだろ? 旅、街、サーフィン、たくさんの違った要素をブランドに落としこんで、いろいろな人に触れてもらいたい。だから僕らの店舗も、オープンインビテーションというか、コーヒーが飲めて誰でも入って来れる開放的で親しみやすい空間にしたかったんだ。イメージを限定するようなブランドのキャッチコピーも作っていないのはそんな理由だね。

– 仕事での2人の役割って決まっているのですか?

Morgan: そうだな、Colinは主にアートディレクションやブランドのマーケティングエレメントがメインで、僕はセールスやディストリビューションっていうビジネスサイドを動かすことが多い。でも基本的に、デザインやコンセプトも含め、お互いすべての要素に携わっているよ。お互いの強みやつながりを生かして、コラボレーションや新しいプロジェクト考えたりね。

– コラボレーションといえば、10月のEVERLASTとHAYATO GYMとのトリプルコラボレーションや、写真家Tim Barber(ティム・バーバー)とのカプセルコレクションなど、今年もコンスタントにコラボリリースがありましたね。特に思い入れのあるプロジェクトはありますか? 次回はMr. Porter?

Colin: 今回のEVERLASTとHAYATO GYMとのコラボレーションは日本限定なんだけど、すごく感慨深いよ。日本に来て5周年というアニバーサリーイヤーに、日本のスタッフにも関連性と意味のあるコラボレーションができたと思ってるんだ。EVERLASTとは以前にも組んでいて、それはMorganと別のブランドメンバーがボクシングイベントに参加したことがきっかけで、ヘッドデザイナーから提案があったんだけど、今回はこのコラボレーションにHAYATO GYMが加わってくれた。というのも、何度も日本に来るうちに日本のスタッフとも仲良くなって、彼らのInstagramでしょっちゅう出てくるのが、彼らが通っているHAYATO GYMだったんだ。僕らがみんなでサーフィンやワークアウトに行くのと同じように、日本のスタッフもHAYATO GYMに行っている。そういったブランドのチーム環境が素晴らしいと思って、今回の記念的な限定コラボに繋がったんだ。

Morgan: Tim Barberもそうだし、Peter Sutherland(ピーター・サザーランド)ともそう。パーソナルな想いや繋がりとか、オーガニックで自然なきっかけで、これまでコラボレーションをしてきたよ。もうすぐ発売のMr. Porterとのコレクションだけど、彼らは長い間僕らを支えてきてくれた存在なんだ。今回で2度目のコラボレーションなんだけど、すごく楽しいプロセスだった。今回はホリデーシーズンに向けて、旅やリゾートをテーマにしたコレクションができたよ。

– 2018年のプレスプリングコレクションのサンプルも今、目の前にありますね。このテーマは何ですか?

Colin: Endless Summerっていうテーマで、春先だからコートもあるけど、ペイズリーのボタンダウンシャツや、ボタニカルなプリント、自然の中にある明るいカラーパレットだね。これも今月のローンチが楽しみだよ。

– 日本には現在5店舗もの直営店がありますが、ブランドにとって日本とはどんなマーケットなのですか?

Morgan: 初めて日本に来たのは6年前かな。ブランドを始めて、ニューヨーク以外で真っ先にいい反応をしてくれたのは日本のバイヤーだった。売り上げも良かったし、こんなにも僕らを受け入れてくれているんだから行ってみなくちゃ、と思って訪れたのがスタートなんだ。それ以来年に2回は日本に来ているよ。僕らにとって第2のホームだと思ってる。

-ニューヨークでは普段どんな生活をしているんですか?

Morgan: 今ね、生後2ヶ月の娘がいるんだ。だから彼女を中心に生活してるよ。普段はだいたい6時半くらいに起きる。それで娘とちょっと遊んで、ジムに行く。それから着替えてオフィスに向かって、6時半とか7時まではずっと仕事をしてるね。そのあと帰宅して娘と過ごすのがほとんどだけど、ニューヨークにいると世界中から色んな人が来るから、彼らと仕事終わりに食事をしたりすることもあるね。朝、波が良かったら5時くらいからColinとサーフィンをしてからオフィスに向かうこともあるよ。

Colin: Morganとほとんど同じだよ。僕にも6ヶ月の娘がいるんだ。たくさんケアしてあげないといけない時期だからね。サーフィンしたり、自転車に乗ってニューヨーク市街を回ったりもするけどね。

– 娘さんたちが一緒に成長していくのを見るのも楽しみですね。最後になりますが、社会全体でウェブメディアやソーシャルネットワークの台頭など、マーケティングに関わるいろいろなことが変化していると思います。ブランドを始めた当時から今までで、PRやマーケティング戦略は変化していますか?

Colin: もちろん。でもそこもバランスだよね。インターネットのパワーは強いしスピードも速い。以前よりたくさんの選択肢、手段、方向性があるし、そこに順応していく必要はあると思う。でもトレンドに飛び乗ることはしたくないんだ。2年で終わってしまうようなことはするべきじゃない。もし何かを始めるなら、これから一生やっていく覚悟でやるべきだと思うんだ。そういう誠実さと、時代の変化を受け入れる柔軟さが必要だと思う。Saturdays NYCは僕らの人生そのものだからね。

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Source: HYPE BEAST

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