override meets 4 designers.
overrideに新たな息吹をもたらす4人のデザイナーたち。Vol.2
古くから頭部を着飾る風習があったという日本。帽子のセレクトショップ「オーバーライド(override)」は、日本人が育んできた感性を時代ごとにアップデートし、帽子というアイテムが持つ魅力を幅広く伝えています。そんな「オーバーライド」と、フイナムがプッシュする4つのブランド とのコラボレートが実現! 今回の特集ではブランドのデザイナーたちのインタビューと、コラボアイテムを使ったスタイリングを前後編に渡って披露し、アイテムの魅力を紐解いていきます。後編は〈サノバチーズ(Son Of The Cheese)〉の山本海人さん、〈77circa(77サーカ)〉の森山直樹さんが登場。デザインに対するそれぞれのこだわりはもちろん、ブランドと縁深いモデルを起用したスタイリングにも注目です。
- Photo_Fumihiko Ikemoto
- Text_Yuichiro Tsuji
- Edit_Yosuke Ishii
- Tweet !function(d,s,id){var js,fjs=d.getElementsByTagName(s)[0],p=/^http:/.test(d.location)?’http’:’https’;if(!d.getElementById(id)){js=d.createElement(s);js.id=id;js.src=p+’://platform.twitter.com/widgets.js’;fjs.parentNode.insertBefore(js,fjs);}}(document, ‘script’, ‘twitter-wjs’);
- https://b.st-hatena.com/js/bookmark_button.js
override × Son Of The Cheese
山本海人 / Son Of The Cheese
ブランドスタートは2013年。フォトグラファー、デザイナー、スケーター、モデルなど、クリエイティブな人々が集まるコミュニティースペースで生まれるインスピレーションをベースに服作りをスタート。渋谷・並木橋の「サノバラウンジ」では、ブランドのウェアを展開するほか、サンドイッチ専門店「バイミースタンド」も併設。服好きに限らず様々な人種が集まるスペースとして機能している。
スケーターでも被れるハンチングをイメージ。
山本さんはどんなところから服作りのインスピレーションを得ているんですか?
山本自分の実生活からが多いかもしれません。そもそも〈サノバチーズ〉自体が、自分の作ったコミュニティースペースに集まる人からインスピレーションを得てスタートしたブランドなので。ぼくの友人や知人、お店に来てくれるお客さんや一緒に働いてくれるスタッフたち。いまこうしてブランドを続けていられるのは、いろんな人に支えられているからなんです。
いま展開している17年秋冬は、どんなコレクションになっていますか?
山本ちょうどデザインをしている期間に狩猟について興味を持っていた時期で、それをベースにコレクションをつくりました。
シーズンカタログもユニークですね。
山本テーマは“ハンティング前夜”なんです。狩りに出る前日の旅館でどんちゃん騒ぎをするというストーリー(笑)
狩りに興味を持ったのはどうしてなんですか?
山本自分の子供がご飯を残すようになって、食育をしようと思ったのがきっかけです。それでまずは自分も勉強しよう、と。あとは人間の本能的な部分で「狩りのスキルがあればいいかな」と、ふと思ったのも理由のひとつですね。それで実際に狩猟免許も取りに行きました。
服作りをする上で大事にしていることはありますか?
山本やりすぎないことですかね。シンプルにするという意味ではないんですが、過剰なデザインは必要ないなと思っています。狭い所を狙ってこだわるのではなく、もっと多くの人に広く受け入れられるようなブランドにしたいというのがぼくの理想。それを念頭に置きながらデザインをしています。
山本さんは普段、帽子を被らないと聞きました。
山本そうなんです。ブランドではもちろんリリースしているんですが、ぼく自身は被るとしてもニットキャップくらい。というのも、ぼくは帽子が似合わないんです(笑)。だから似合う人を見ると憧れたりすることはあります。髪をセットして帽子を被っている紳士がいるじゃないですか。そんな人を見ると自分もそんな風に被りたいと思うんですけど、まだまだその領域には達せないなぁ…、と。いつかはそこに辿り着きたいですね。
〈サノバチーズ〉で帽子をつくるときは、どんなことを考えてデザインしていますか?
山本自分の周りに帽子を被る人がたくさんいるので、彼らのことを考えながら。それこそ、実際に彼らの声に耳を傾けてデザインに活かすこともあります。
どんなことを聞くんですか?
山本どんな帽子が欲しい? とか、気に入っているポイントとか。「こういうのがあったらいいな」というのがデザインの入り口になるので、それに関することですかね。
今回の〈オーバーライド〉とのアイテムは、ハンチングがベースになっていますね。
山本今季のコレクションに合わせてデザインしました。耳当てにはムートンの生地を使っています。実はウェアでもおなじ生地を使っていて、セットアップで被れるように提案しています。自分たちの背景ではできないクオリティのものが上がってきて、さすが〈オーバーライド〉といった感じです。この品質なら長く愛用できる。いい帽子ができあがって本当に満足しています。
デザインでこだわった部分はどんなところですか?
山本形やサイジングです。スケーター目線でデザインしたので、普通のハンチングに比べるとやや深めになっています。あとは頭囲もすこし大きめで、耳も入れて被れるようにしているんです。ハンチングってどうしてもクラシックなイメージでおじさんが被っているような印象ですけど、若い人でも被りやすいようにアップデートしたのがコレですね。とはいえ、年配の人が被れないというわけでもないんですが。まぁ、いろんな人に被ってもらえたらうれしいです。
Style of Son Of The Cheese.
「スケーター目線でハンチングをアップデートした」と語る山本さん。渋谷・並木橋にある自身のショップで働くスケーター、アレックをモデルに起用し、ストリート感のある着こなしを提案してくれました。
サイジングや一つひとつのアイテム選びはストリート感の強いものですが、ハンチングとジャケットを色合わせすることで、クリーンなスタイルに昇華しています。
山本ぼくは20歳前後の頃にアメリカへ留学していた時期があるんですが、そこで学んだことのひとつが“色合わせ”なんです。アメリカ人はキャップやスニーカーを服の色に合わせてセレクトしていて、それがかっこよかった。これも同じように色合わせを意識しつつ、ハンチングのクラシックなムードが活きるように、ジャケットを合わせてどこか大人っぽいスタイリングにしています。
ファッション目線のハンチング。ポイントはサイジング。
ハンチングキャップに耳当てをプラスしたデザインが特徴的な〈サノバチーズ〉のひと品。“狩猟”をテーマにした今季のコレクションに合わせてつくられたというこのアイテムは、クラシックなスタイルに、オリーブグリーンという落ち着いたカラーが絶妙にマッチ。サイジングにこだわり、高さはやや深め、頭囲は広めに設定。ストリートファッションにも合わせやすいサイズに仕上がっています。
Source: フィナム