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テクノロジー業界のご意見番たちに聞いた iPhone X に対する正直な意見

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正式発表の数ヶ月も前から様々な噂が世間を賑わせ、先日の新作発表会で遂にベールを脱いだiPhone X。記念すべき10代目のモデルには、豪華な全面ガラスのデザインの5.8型 Super Retina ディスプレイや、顔認証システムのFace ID、ワイヤレス充電システムなど、「Apple(アップル)」の技術力を感じる革新的な新機能が多数搭載されている。

満を持しての正式発表は、iPhoneユーザーを興奮させるものだった。「Apple」のCEO、Tim Cook(ティム・クック)はこのiPhone Xを“スマートフォンの未来”と形容し、“テクノロジーにおけるこれからの10年を決めた”と付け加えた。果たして、Cookの言葉は現実のものとなるのか? その信憑性を探るため、我々はこの分野の専門家や関係者4人に話を聞いた。デザイン性からプライスポイントまで、彼らはiPhone Xに対してどういった印象を抱いているのだろうか。

ー iPhone Xにおける、最も特出した新機能は何だと思いますか?

Joon Ian Wong(ジュン・イーアン・ウォン) / 「Quartz」のテクノロジーリポーター:同僚のMike Murphy(マイク・マーフィー)がカリフォルニア州クパチーノでのイベントを取材したんだけど、僕は彼が書いた記事に賛成さ。「Apple」からの発表で最も重要だったのはスマートフォンじゃない。ワイヤレスチャージングだ。「Apple」がワイヤレスチャージングをiPhone Xに搭載したということは、数年以内に家電業界でもワイヤレスチャージングが主流になるってことさ。コードがない生活も遠い未来の話じゃないね。

Jeff Staple(ジェフ・ステープル) / 「Staple Design」の創設者兼クリエイティブディレクター:断然ワイヤレスチャージングだろうね。5年以上も前からワイヤレスチャージングというものは存在していて、すでに「Samsung(サムスン)」が採用しているにも関わらず、なぜあまり目にする機会がなかったと思う? みんな「Apple」がどういったアプローチをしてくるかに注目していたからさ。間違いなく様々な変化を見ることができるだろうね。近い将来、いろいろな公共施設に充電用パッドが設置されるはずさ。

Sascha Segan(サッシャ・セガン) / 『PCMag.com』のリードアナリスト:顔認証システムが搭載された新しいフロントカメラは、向こう5年、iPhoneにとっての強みになるだろうね。「Apple」は現実と仮想の融合、つまりAR(拡張現実)に注力しているしさ。iPhone Xのフロントカメラは、史上最高のARスキャナーでもあるんだ。「Apple」がイベントで発表したAnimoji(アニ文字)やSnapchatのマスクもリアルとバーチャルのさらなる融合に拍車をかけるだろうね。もちろん、CPUもすごい。ARデータを処理するための特別なコンポーネントも搭載されているんだ。

Marques Brownlee(マルケス・ブラウンリー) aka MKBHD / テクノロジーブロガー:iPhone Xで最も特筆すべきはディスプレイだろうね。脱帽だよ。iPhone初のOLEDディスプレイ、iPhone初のベゼルレスディスプレイ、iPhone初のカーブディスプレイ、iPhone初の5.5インチ以上のディスプレイ(実寸は5.8インチ)。実にユニークだね。

ー iPhone Xのデザイン性は革新的と言えるものでしょうか?

Joon:デザイン面で言うと、多くのコンペティターがすでに採用しているものが多いから、特に革新的とは言えないかな。

Jeff:テクノロジー的なことはさておき、1人のわがままなデザイナーとして答えた方が良いかな? だとしたら、答えはノーだね。でも、iPhone Xの発表までに「Apple」が注ぎ込んだ時間と労力は想像を絶するだろうね。みんなが1枚ガラスのようなスマートフォンを待っているんだ。さらに欲を言えば、映画『her / 世界でひとつの彼女』に出てくるような小さなイヤフォンみたいなものとかね。ただ全面デザインは、すでに「LG」や「Samsung」がやっている。iPhone Xのディスプレイ上部にある台形に関しても、Steve Jobs(スティーブ・ジョブス)ならきっと承認していなかっただろうね。

Sascha:デザイン自体は斬新なものじゃないね。Andy Rubin(アンディ・ルービン)が開発したEssential Phoneはほぼ全面ディスプレイだし、カーブディスプレイに関しては「Samsung」の方が良いものを作っている。「Apple」も遅れてはいないけど、デザインに関しては業界をプッシュしているとは言い難いね。

Marques:iPhone Xのデザインは斬新でもなければ革新的でもない。スリムなベゼルやカーブシェイプも、数ヶ月前に他のスマートフォンで見たことのあるものだしさ。でも、決して遅れは取っていない。現に、過去のiPhoneからは時代を感じられるしね。

ー iPhone Xのプライスポイントについては? 11万円超えという価格設定は適切だと思いますか?

Joon:この価格設定はiPhoneの重要性、そしてBenedict Evans(ベネディクト・エバンス)の言う“iPhoneにおけるサブスクリプション方式”の重要性が大きくなっていることの表れだろうね。高価なスマートフォンの代金が分割されて月々のプランなどに上乗せされることで、消費者は一度に多額の料金を支払わなくて済む。アップグレードプラグラムや様々な支払い方法を提供していることからも、「Apple」がこの方式を推進していることは明らかだ。冷蔵庫から食器洗い機、洗濯機、もちろん車まで、分割払いは当たり前のことだよね。スマートフォンも同じでしょ? って考えなのさ。

Jeff:個人的には気になるほどの価格設定じゃないね。むしろ、「Apple」はiPhone Xを5,000ドル(約56万円)で販売しても良いくらいだと思っているよ。僕はそれでも買うね。なぜかって? 君は1日16時間スマートフォンを使う? 多くの人が「イエス」と答えるんじゃないかな。16時間は約1,000分だ。仮に1日しか使わなかったとしても、これだけ人生を変えるようなデバイスが1分あたり1ドルなのさ。答えは明らかだよ。

Sascha:アメリカで、1,000ドルのiPhone Xを一括で購入する人はごく稀だろうね。iPhone 8 Plusに比べると、月々の支払いはプラス10ドルくらい。ほとんどの人が分割払いを選択するからね。それを考えれば、さほど大きな問題じゃない。「Apple」は数百万個に及ぶOLEDディスプレイの確保に苦労していると耳にしたよ。価格を高めに設定することで、需要と供給のバランスを取ろうとしているんじゃないかな。

Marques:1,000ドルはある意味予想通りかな。「Samsung」で1,000ドルするモデルと比べても、ハイエンドなインターナルハードウェアやトップレベルのカメラなど、類似点がたくさんあるしね。

ー iPhone Xには、まだまだ改良の余地があると思いますか?

Joon:どうだろうね。市販されないことにはなんとも言えないかな。マテリアルやデザインに関しては、今後大きな変化があるかもね。

Jeff:正直に言うと、まだ使ったことのないものに対して批判はできないよ。でも、今でもフォームファクターに関して言えば、iPhone SE以上のスマートフォンはないと思っているんだ。実際にJobsが関わった最後のスマートフォンだしね。もちろん、多くの人がより大きくてクールなディスプレイを求めているのも理解している。同時に、スマートフォンを“仕事”のために使っている人もたくさんいる。メールを送ったり、電話をかけたり、時に写真を撮ったり。より大きなデバイスで、よりキレイな画面でメディアと接することを好む一方で、旅行や日々の生活ではより軽くてコンパクトなものを好むんだ。

Sascha:ディスプレイ上部のくぼみはいただけないね。ディスプレイ下部に指紋認証システムも取入れるべきだし(来年には実現可能な技術)、リアカメラもAR技術を搭載したほうがいいだろう(こちらも多分来年には実現する)。あと、「Apple」のLTEモデムはコンペティターに比べて見劣りする。地下鉄に乗っているときなんて、ちょっとした電波をキャッチできずイライラすることがあるからね。

Marques:「Apple」のラインナップにとって、iPhone Xは大きな前進だろうね。でも、何事にも改良の余地はあるものさ。来年にはディスプレイ上部のくぼみが小さくなるだろうし、ディスプレイのサイズ自体もさらに本体を目一杯使ったものになるだろう。バッテリーも大きくなるかな。

テクノロジー業界のご意見番たちの意見はいかがだっただろうか。iPhone Xに関するその他のニュースは、こちらから。

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Source: HYPE BEAST

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