Banksy がトルコ政府に拘束されている獄中の芸術家から秘密裏に送られてきた手紙を公開

社会問題などをトピックにした作品で問題提起を続ける正体不明の覆面アーティスト Banksy（バンクシー）は、2018年3月にグラフィティ・アーティストのBorf（ボーフ）と共にアメリカ・ニューヨークのマンハッタン島に位置する巨大な壁“Houston Bowery Wall”に、トルコ人ジャーナリスト/アーティストのZehra Dogan（ゼフラ・ドアン）をトリビュートする壁画をペイントした。

Zehra Doganは、トルコのクルド人街ヌサイビン地区にて、トルコ国内のメディアが報じないようなクルド人の実情を発信していた女性。そしてそんな彼女は、かつてInstagramに投稿した1枚の画像（破壊された同地区の瓦礫の山にトルコ国旗がはためくアート作品）が“テロ組織のプロパガンダ行為”にあたるしてトルコ政府より有罪判決を受け、実際に2017年7月より2年9ヶ月22日の懲役刑を科せられている。

そしてこの度、Doganから送られた“違法な”手紙をBanksyがInstagram上で公開。その中で彼女は「血なまぐさい拷問の歴史を持つ地下牢から、あなたに向けてこの違法な手紙を書いています」と切り出し、「私は電話や手紙などによる通信禁止令を受けているため秘密裏に筆を走らせています」と綴っている。また自身の置かれている現状について「美しい土地を爆撃するため、何十機もの戦闘機が羽ばたくおぞましい音が聞こえ、私たちは怒りに震えています。自分の知っている人が殺されたと毎日のように新聞で知る気分を説明するのはとても難しいです」と吐露した後は、Banksyの描いた壁画への感謝の気持ちで締め括られている。

下より実際にDoganから送られた2ページに渡る文面をチェックしてみよう。あわせて、Zevs（ゼウス）による〈Supreme（シュプリーム）〉と〈Louis Vuitton（ルイ・ヴィトン）〉を題材にしたアート展も確認してみはいかがだろうか。