「FIFAワールドカップ」ほど世界を熱狂させるスポーツイベントはこの世に存在しない。それは「オリンピック」を含めて、である。2014年には約30億人以上が前回大会を視聴。また、「FIFA(国際サッカー連盟)」はロシアで開催中の本大会を通して、日本円に換算し約1,800億円の収益をあげると言われている。
「ワールドカップ」にはそれだけの宣伝力がある。それゆえ〈adidas(アディダス)〉や「Coca-Cola(コカ・コーラ)」、「VISA(ビザ)」など、数々のトップ企業が膨大なコストを費やして同大会のスポンサーに名乗りを上げ、同時に「FIFA」もスポンサー企業以外のアンブッシュ・マーケティング(便乗宣伝)には厳戒態勢を敷いている。
だが、『Quartz』によると、本大会で最も利益を得ているのは、非公式スポンサーの「Apple(アップル)」だという。一体、これはどういうことなのだろうか。参加国の代表選手たちには、同大会の公式スポンサー以外の衣類およびアクセサリーは企業ロゴが見えないよう、着用アイテムに目張りをする規則が設けられている。事実、「Apple」傘下の「Beats by Dr. Dre(ビーツ バイ ドクタードレ)」のヘッドフォンを使用している選手たちもテープなどでロゴを隠しているが、『Quartz』はAirPodsのデザインに言及。確かに、AirPodsは左右のイヤホンが分離した利便性もさることながら、洗練されたミニマルな本体には「Apple」のロゴが存在しない。それゆえ、規定に触れることがないということを理由にNeymar(ネイマール)を含む多くの有名選手がAirPodsを着用しているほか、その特徴的なデザインは一目でAirPodsと判別できる。さらに、奇をてらったサッカーを題材にしたiPhone XのCMも効果的で、Apple WatchやiPodなどが該当する“Other products”カテゴリーの売上は、AirPodsが登場した2016年から比較して本年度が最高の売上を記録。すなわち、「FIFA」に巨額なスポンサー料を支払わなくとも宣伝に成功した「Apple」こそ真の勝者と言える、というのが『Quartz』の見解なのだ。
ちなみに、「FIFA」はマーケティング規則の一種に違反として、「FA(イングランドサッカー協会)」に史上2番目に重い高額罰金処分を課した。その原因が気になる方は、こちらの記事をチェックしてみてはいかがだろうか。
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Source: HYPE BEAST