Rewrite
ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による〈Dior(ディオール)〉のデビューコレクション。そのファーストルックで目を奪ったのは、メンズのスカートに合わせられた“ソックス&サンダル”だった。モードの言語で再構築されたこのスタイリングは、いまの空気を鋭く映す一方で、ある視点から見れば「すでに東京で起きていたこと」の再提示でもある。スポーツサンダルのパイオニア〈Teva(テバ)〉が1984年に生まれ、90年代に入ると、その〈Teva〉のサンダルにソックスを合わせるという履き方が裏原宿の都市感覚と結びつき、新スタイルとして定着していった。
「90年代だと思いますよ。Tevaが出てきた時は、靴みたいなサンダルが出てきたっていう、違和感と驚きがあった」。そう振り返るのは、裏原をリアルタイムで見てきた〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS(ベドウィン アンド ザ ハートブレイカーズ)〉のディレクター 渡辺真史だ。彼の記憶の中で、〈Teva〉は当初“川へ飛び込める”ようなアウトドアの合理性を持ちながら、都会の服装に不思議と馴染んでいく存在だった。鼻緒のあるビーチサンダルが主流だった時代、ストラップでホールドする構造は、ソックスと合わせて履くことを可能にした。靴なら隠れてしまうソックスが、サンダルによって露出することで、色や質感がスタイルの一部として機能し始める。裏原が得意とした「ミックス」「違和感を成立させる」感性が、そのまま足元で起きていた。
さらに渡辺は、この履き方が“日本的”であった可能性にも言及する。靴を脱ぐ生活文化があるからこそ、裸足で家に入る抵抗や、脱ぎ履きの合理性が働く。靴下を履いたまま街へ出て、そのまま友人の家に上がる。その日常の動線に、ストラップサンダルは妙に整合する。一方で、アウトドアの文脈から見れば「なぜわざわざ靴下を?」という疑問も浮かぶ。だからこそ、このスタイルには最初からリスクがあった。エッジィに見えるか、ダサく見えるか。その境界線を越えたのは、オピニオンリーダーたちが着地させ、フォロワーがそれを追ったからだと渡辺は語る。意味がないように見えて、実は意味がある──その原宿的な発想が、ソックス&サンダルをスタイルへ変えていった。
そんな文脈を持つ〈Teva〉の定番 Hurricaneシリーズは、2026年3月13日(金)に最新作 Hurricane XLT3としてアップデートされる。シリーズの象徴であるUniversal Strapping Systemのデザインはそのままに、面ファスナーの固定力を強化。トップソールにはEVAフォームを追加しクッション性を高めたほか、アウトソールには〈Teva〉独自素材のSpider Rubber® Endureを採用し、濡れた岩場や路面でも滑りにくいグリップ力と耐久性、安定したトラクション(推進力・制動力)性能を備えている。ストラップには再生ポリエステル素材を用いるなど、アウトドア由来の機能を現代的にアップデートした1足だ。渡辺がまず挙げたのは、ソールの“今っぽさ”。反発感のあるクッショニング、厚みと曲線を帯びたアウトソール。かつてはフューチャリスティックに映ったこのシステムが、レトロフューチャーとして再び今の気分にハマっている。
本稿では、90年代裏原宿で育った違和感の美学、そして日本の生活文化が支えた合理性までを手がかりに、ソックス&サンダルのルーツを再検証する。〈Teva〉がなぜ定番として残り続けるのか。当時の資料と渡辺の証言をもとに、その背景を紐解いていく。
Hypebeast:Tevaを最初に認識したのはいつ頃ですか?
渡辺真史:90年代だと思いますよ。84年は自分が13歳で中学生ぐらいだったから、サンダルっていったら、いわゆるビーチサンダルか、シャワーサンダルみたいな“今でいうスライド”か、下駄ぐらいしかなかったんです。そこにTevaが出てきた時は、靴みたいなサンダルみたいな、「なんだ?」っていう違和感と驚きがあった。90年代には、都会でTevaを履いて、さらに靴下を合わせている人を見ていた記憶が確かにある。ビーチサンダルって、普通は裸足で履くじゃないですか。鼻緒があるから、靴下を合わせようとしても、指先が割れてないと無理だったりする。でもTevaは鼻緒じゃないから、靴下を合わせて履くって発想が成立する。“サンダル”って呼ばれてるけど、今まで見てきたサンダルっぽくないっていう認識でしたね。
サンダル+ストラップという構造は、当時どんな印象でした?
“全く新しいもの”という印象でした。当時、ビーチサンダルで都会にいる人って、サーファーの子たちか、めちゃくちゃカジュアルな人、みたいなイメージがあったんですけど、それとは違って「靴下を履いてサンダル」の人たちが渋谷とか原宿に出始めた。JIMMY’Z(ジミーズ)のショーツにTevaを合わせている人が結構いて、アウトドアの要素なんだけど、イメージはすごく都会的でした。
「都会的」と感じたのは、なぜですか?
僕はそのスタイリングが好きだったんですよね。理由のひとつは、日本って“靴を脱ぐ文化”じゃないですか。家に帰ったら靴を脱ぐ。でも靴下まで脱ぐ必要はない。つまり、靴下は履いている文化だと思うんですよ。だからこのサンダルを、靴下のまま履いて、そのまま家に帰って脱いで……っていう動線は、自分の中では整合性がある。一方で、アウトドアやネイチャーの人たちからすると、「なんでわざわざ靴下を履くの?」ってロジックもあると思う。だから僕の中でソックス&サンダルは、わりと“都会のスタイリング”っていう印象が強いですね。
90年代の裏原宿では、アウトドア/スポーツギアがストリートへ流入しました。ソックス&サンダルも同じ流れでしたか?
これは僕の予想なんですけど、やっぱり藤原ヒロシさんが広めたんじゃないかな。当時はインターネットがないから、海外に実際に行った人が持ち帰ってくる情報が強かった。ロンドンやニューヨークで見たものを原宿に持ち帰って「こんなのあった」って熟成されていく。でもTevaに関して言うと、わりかしヒロシさんが“思いつきで”やったんじゃないかな。実際、僕も海外は行っていたけど、ソックスにサンダル合わせている人はあんまり見なかったですよ。だから、90年代に東京が流行らせたっていうのは、あながち間違いじゃない気がしますね。
確かに、藤原ヒロシさんのような存在がソックス&サンダルを履いていた印象もあります。当時どれくらい影響力があったのでしょうか?
逆に、ヒロシさんの影響しかなかったんじゃないかなっていうくらい大きかったですね。カナダの人たちがTevaをすごく履いていた時期があったのは覚えているけど、アメリカやカナダのアウトドアの人たちの発想じゃないと思うんですよ。彼らは基本、裸足で履くから。僕が“最初に見た人”がヒロシさんだったかどうかは別だけど、ファッションとして「靴下合わせたら面白いんじゃない?」っていう発想は、すごく原宿的だと思います。一方で、「DOWN ON THE CORNER(ダウン・オン・ザ・コーナー)」があった時代に、タイダイのTシャツみたいなヒッピーっぽい格好をしている原宿の人たちもいました。裏原の空気の中で生まれたっていうのはすごくしっくりきますね。
ソックス&サンダルは、防寒や快適性という意味では合理的です。何が人を惹きつけたのでしょうか?
理由はいくつもあると思います。さっきの“脱ぎ履き”の話もあるし、靴下が足を守ってくれる、裸足で街を歩くと汚れるから靴下がガードになる、冬なら防寒にもなる。それと同時にコーディネートの楽しさもある。街に出ても成立する“見せ方”になっていったのは大きいですね。
「ダサい」と言われかねない履き方が、どうやって“かっこいい”に転換したのでしょうか?
エッジィに見えるか、本当にダサいか、どっちかに見えるリスクがあったけど、オピニオンリーダーたちがやったっていうのがまず大きい。ヒロシさんに然り、ヤックさん然り、関村さんに然り。彼らが自分たちのライフスタイルに合わせてコーディネートすることで、フォロワーが入ってくる。とはいえ、今でも「カッコ悪い」と思う人はいると思います。違和感はずっとある。でも原宿的なのは、“意味がないように見えて、すごく意味がある”、あるいは、“意味がないことをやる意義がある”っていう発想をスタイルにできるところ。原宿はファッションを生み出すのが得意なんですよ。例えば、ボロボロの古着のGジャンに、Hermès(エルメス)のポロシャツを合わせるみたいな発想は、ヨーロッパでもアメリカでも考えづらいけど、原宿はそれをスタイルに昇華した。ソックス履きTevaの誕生も、その延長にあると思います。
今の若い世代はソックス&サンダルを自然に履いています。90年代との違いはどこにあると思いますか?
大きな違いはあまりない気がします。ただ、当時履いていた人たちのイメージは、やっぱり春とか夏の暑い時期に、天然素材の柔らかい靴下を合わせて、ショーツにTシャツ、バックパックを背負ってキャップを被る、みたいな感じ。アウトドアレイヤーが好きな人たちはみんな当時からそういう格好をしていました。今は、ハイブランドのルックを見ると、もっとモード寄りの文脈で見られている気がしますよね。そこは当時とは少し違うところかもしれない。ただ結局、若い人たちが好きなカルチャーって、その時代のユースカルチャーの中での“正解”だと思うんですよね。僕も当時20代の人たちが作った音楽を聴いてきたし、それを今でも聴いて気持ちよくなっている。僕にとってはすごく興味深いんです。
Y2Kや90年代のリバイバルの流れも関係していると思いますか?
そうですね。今見てもやっぱり違和感はあるし、その違和感がY2Kっぽいとも言える。今の若い世代が面白いと思うポイントとも重なるんじゃないかな。
今回の新作「Hurricane XLT3」を履いてみて、アップデートは感じましたか?
アウトソールのデザインもかなり進化しているなと思います。ミッドソールもすごくバウンシーになっていますね。素材開発はかなり進んでいると思いますが、一方でこのストラップのシステム自体は、変わっていない印象もある。当時はこれってかなりフューチャリスティックに見えたんですよね。今見ると、むしろ“レトロフューチャー”で、それがまたいいと思います。
ソックス&サンダルというスタイルは、今後も続くと思いますか?
今は、機能的な服やギアが都市でも使えるっていうことを、みんな知っている。その中で、街でサンダルを履くときに、裸足だけじゃなくて靴下で履くっていう選択肢もある。靴とサンダルがあって、その“間”にあるのがこのスタイルだと思うんですよ。靴でもない、サンダルでもない。その中間を求める人って必ずどこかにいる。だから、Tevaが作ったこのゾーン自体は、大きくなったり小さくなったりはするかもしれないけど、完全に無くなることはないんじゃないかな。
商品名:Hurricane XLT3(ハリケーン エックスエルティー3)
価格:12,100円(税込)
色展開:左上からBROWN MULTI、VINTAGE BROWN、BRIGHT MULTI、左下からBLACK、EPIC BROWN/ORANGE、DUNE
お問い合わせ:Teva Japan
渡辺真史
1990年代初頭より東京・原宿のストリートカルチャーの中心で活動を続けるデザイナー/ディレクター。2004年に〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉を設立し、アメリカンカジュアルやワーク、ミリタリーといった要素を、東京のストリート感覚で再構築したコレクションを発表。裏原宿カルチャーをリアルタイムで経験した視点を背景に、音楽・アート・スケートなど多様なカルチャーと結びついたクリエーションを展開している。現在もブランドディレクターとして活動を続けながら、東京のストリートシーンにおけるオピニオンリーダーの一人として注目を集めている。
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ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による〈Dior(ディオール)〉のデビューコレクション。そのファーストルックで目を奪ったのは、メンズのスカートに合わせられた“ソックス&サンダル”だった。モードの言語で再構築されたこのスタイリングは、いまの空気を鋭く映す一方で、ある視点から見れば「すでに東京で起きていたこと」の再提示でもある。スポーツサンダルのパイオニア〈Teva(テバ)〉が1984年に生まれ、90年代に入ると、その〈Teva〉のサンダルにソックスを合わせるという履き方が裏原宿の都市感覚と結びつき、新スタイルとして定着していった。
「90年代だと思いますよ。Tevaが出てきた時は、靴みたいなサンダルが出てきたっていう、違和感と驚きがあった」。そう振り返るのは、裏原をリアルタイムで見てきた〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS(ベドウィン アンド ザ ハートブレイカーズ)〉のディレクター 渡辺真史だ。彼の記憶の中で、〈Teva〉は当初“川へ飛び込める”ようなアウトドアの合理性を持ちながら、都会の服装に不思議と馴染んでいく存在だった。鼻緒のあるビーチサンダルが主流だった時代、ストラップでホールドする構造は、ソックスと合わせて履くことを可能にした。靴なら隠れてしまうソックスが、サンダルによって露出することで、色や質感がスタイルの一部として機能し始める。裏原が得意とした「ミックス」「違和感を成立させる」感性が、そのまま足元で起きていた。
さらに渡辺は、この履き方が“日本的”であった可能性にも言及する。靴を脱ぐ生活文化があるからこそ、裸足で家に入る抵抗や、脱ぎ履きの合理性が働く。靴下を履いたまま街へ出て、そのまま友人の家に上がる。その日常の動線に、ストラップサンダルは妙に整合する。一方で、アウトドアの文脈から見れば「なぜわざわざ靴下を?」という疑問も浮かぶ。だからこそ、このスタイルには最初からリスクがあった。エッジィに見えるか、ダサく見えるか。その境界線を越えたのは、オピニオンリーダーたちが着地させ、フォロワーがそれを追ったからだと渡辺は語る。意味がないように見えて、実は意味がある──その原宿的な発想が、ソックス&サンダルをスタイルへ変えていった。
そんな文脈を持つ〈Teva〉の定番 Hurricaneシリーズは、2026年3月13日(金)に最新作 Hurricane XLT3としてアップデートされる。シリーズの象徴であるUniversal Strapping Systemのデザインはそのままに、面ファスナーの固定力を強化。トップソールにはEVAフォームを追加しクッション性を高めたほか、アウトソールには〈Teva〉独自素材のSpider Rubber® Endureを採用し、濡れた岩場や路面でも滑りにくいグリップ力と耐久性、安定したトラクション(推進力・制動力)性能を備えている。ストラップには再生ポリエステル素材を用いるなど、アウトドア由来の機能を現代的にアップデートした1足だ。渡辺がまず挙げたのは、ソールの“今っぽさ”。反発感のあるクッショニング、厚みと曲線を帯びたアウトソール。かつてはフューチャリスティックに映ったこのシステムが、レトロフューチャーとして再び今の気分にハマっている。
本稿では、90年代裏原宿で育った違和感の美学、そして日本の生活文化が支えた合理性までを手がかりに、ソックス&サンダルのルーツを再検証する。〈Teva〉がなぜ定番として残り続けるのか。当時の資料と渡辺の証言をもとに、その背景を紐解いていく。
Hypebeast:Tevaを最初に認識したのはいつ頃ですか?
渡辺真史:90年代だと思いますよ。84年は自分が13歳で中学生ぐらいだったから、サンダルっていったら、いわゆるビーチサンダルか、シャワーサンダルみたいな“今でいうスライド”か、下駄ぐらいしかなかったんです。そこにTevaが出てきた時は、靴みたいなサンダルみたいな、「なんだ?」っていう違和感と驚きがあった。90年代には、都会でTevaを履いて、さらに靴下を合わせている人を見ていた記憶が確かにある。ビーチサンダルって、普通は裸足で履くじゃないですか。鼻緒があるから、靴下を合わせようとしても、指先が割れてないと無理だったりする。でもTevaは鼻緒じゃないから、靴下を合わせて履くって発想が成立する。“サンダル”って呼ばれてるけど、今まで見てきたサンダルっぽくないっていう認識でしたね。
サンダル+ストラップという構造は、当時どんな印象でした?
“全く新しいもの”という印象でした。当時、ビーチサンダルで都会にいる人って、サーファーの子たちか、めちゃくちゃカジュアルな人、みたいなイメージがあったんですけど、それとは違って「靴下を履いてサンダル」の人たちが渋谷とか原宿に出始めた。JIMMY’Z(ジミーズ)のショーツにTevaを合わせている人が結構いて、アウトドアの要素なんだけど、イメージはすごく都会的でした。
「都会的」と感じたのは、なぜですか?
僕はそのスタイリングが好きだったんですよね。理由のひとつは、日本って“靴を脱ぐ文化”じゃないですか。家に帰ったら靴を脱ぐ。でも靴下まで脱ぐ必要はない。つまり、靴下は履いている文化だと思うんですよ。だからこのサンダルを、靴下のまま履いて、そのまま家に帰って脱いで……っていう動線は、自分の中では整合性がある。一方で、アウトドアやネイチャーの人たちからすると、「なんでわざわざ靴下を履くの?」ってロジックもあると思う。だから僕の中でソックス&サンダルは、わりと“都会のスタイリング”っていう印象が強いですね。
90年代の裏原宿では、アウトドア/スポーツギアがストリートへ流入しました。ソックス&サンダルも同じ流れでしたか?
これは僕の予想なんですけど、やっぱり藤原ヒロシさんが広めたんじゃないかな。当時はインターネットがないから、海外に実際に行った人が持ち帰ってくる情報が強かった。ロンドンやニューヨークで見たものを原宿に持ち帰って「こんなのあった」って熟成されていく。でもTevaに関して言うと、わりかしヒロシさんが“思いつきで”やったんじゃないかな。実際、僕も海外は行っていたけど、ソックスにサンダル合わせている人はあんまり見なかったですよ。だから、90年代に東京が流行らせたっていうのは、あながち間違いじゃない気がしますね。
確かに、藤原ヒロシさんのような存在がソックス&サンダルを履いていた印象もあります。当時どれくらい影響力があったのでしょうか?
逆に、ヒロシさんの影響しかなかったんじゃないかなっていうくらい大きかったですね。カナダの人たちがTevaをすごく履いていた時期があったのは覚えているけど、アメリカやカナダのアウトドアの人たちの発想じゃないと思うんですよ。彼らは基本、裸足で履くから。僕が“最初に見た人”がヒロシさんだったかどうかは別だけど、ファッションとして「靴下合わせたら面白いんじゃない?」っていう発想は、すごく原宿的だと思います。一方で、「DOWN ON THE CORNER(ダウン・オン・ザ・コーナー)」があった時代に、タイダイのTシャツみたいなヒッピーっぽい格好をしている原宿の人たちもいました。裏原の空気の中で生まれたっていうのはすごくしっくりきますね。
ソックス&サンダルは、防寒や快適性という意味では合理的です。何が人を惹きつけたのでしょうか?
理由はいくつもあると思います。さっきの“脱ぎ履き”の話もあるし、靴下が足を守ってくれる、裸足で街を歩くと汚れるから靴下がガードになる、冬なら防寒にもなる。それと同時にコーディネートの楽しさもある。街に出ても成立する“見せ方”になっていったのは大きいですね。
「ダサい」と言われかねない履き方が、どうやって“かっこいい”に転換したのでしょうか?
エッジィに見えるか、本当にダサいか、どっちかに見えるリスクがあったけど、オピニオンリーダーたちがやったっていうのがまず大きい。ヒロシさんに然り、ヤックさん然り、関村さんに然り。彼らが自分たちのライフスタイルに合わせてコーディネートすることで、フォロワーが入ってくる。とはいえ、今でも「カッコ悪い」と思う人はいると思います。違和感はずっとある。でも原宿的なのは、“意味がないように見えて、すごく意味がある”、あるいは、“意味がないことをやる意義がある”っていう発想をスタイルにできるところ。原宿はファッションを生み出すのが得意なんですよ。例えば、ボロボロの古着のGジャンに、Hermès(エルメス)のポロシャツを合わせるみたいな発想は、ヨーロッパでもアメリカでも考えづらいけど、原宿はそれをスタイルに昇華した。ソックス履きTevaの誕生も、その延長にあると思います。
今の若い世代はソックス&サンダルを自然に履いています。90年代との違いはどこにあると思いますか?
大きな違いはあまりない気がします。ただ、当時履いていた人たちのイメージは、やっぱり春とか夏の暑い時期に、天然素材の柔らかい靴下を合わせて、ショーツにTシャツ、バックパックを背負ってキャップを被る、みたいな感じ。アウトドアレイヤーが好きな人たちはみんな当時からそういう格好をしていました。今は、ハイブランドのルックを見ると、もっとモード寄りの文脈で見られている気がしますよね。そこは当時とは少し違うところかもしれない。ただ結局、若い人たちが好きなカルチャーって、その時代のユースカルチャーの中での“正解”だと思うんですよね。僕も当時20代の人たちが作った音楽を聴いてきたし、それを今でも聴いて気持ちよくなっている。僕にとってはすごく興味深いんです。
Y2Kや90年代のリバイバルの流れも関係していると思いますか?
そうですね。今見てもやっぱり違和感はあるし、その違和感がY2Kっぽいとも言える。今の若い世代が面白いと思うポイントとも重なるんじゃないかな。
今回の新作「Hurricane XLT3」を履いてみて、アップデートは感じましたか?
アウトソールのデザインもかなり進化しているなと思います。ミッドソールもすごくバウンシーになっていますね。素材開発はかなり進んでいると思いますが、一方でこのストラップのシステム自体は、変わっていない印象もある。当時はこれってかなりフューチャリスティックに見えたんですよね。今見ると、むしろ“レトロフューチャー”で、それがまたいいと思います。
ソックス&サンダルというスタイルは、今後も続くと思いますか?
今は、機能的な服やギアが都市でも使えるっていうことを、みんな知っている。その中で、街でサンダルを履くときに、裸足だけじゃなくて靴下で履くっていう選択肢もある。靴とサンダルがあって、その“間”にあるのがこのスタイルだと思うんですよ。靴でもない、サンダルでもない。その中間を求める人って必ずどこかにいる。だから、Tevaが作ったこのゾーン自体は、大きくなったり小さくなったりはするかもしれないけど、完全に無くなることはないんじゃないかな。
商品名:Hurricane XLT3(ハリケーン エックスエルティー3)
価格:12,100円(税込)
色展開:左上からBROWN MULTI、VINTAGE BROWN、BRIGHT MULTI、左下からBLACK、EPIC BROWN/ORANGE、DUNE
お問い合わせ:Teva Japan
渡辺真史
1990年代初頭より東京・原宿のストリートカルチャーの中心で活動を続けるデザイナー/ディレクター。2004年に〈BEDWIN & THE HEARTBREAKERS〉を設立し、アメリカンカジュアルやワーク、ミリタリーといった要素を、東京のストリート感覚で再構築したコレクションを発表。裏原宿カルチャーをリアルタイムで経験した視点を背景に、音楽・アート・スケートなど多様なカルチャーと結びついたクリエーションを展開している。現在もブランドディレクターとして活動を続けながら、東京のストリートシーンにおけるオピニオンリーダーの一人として注目を集めている。
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