グレタ・イリエヴァは、共産主義のブルガリアで生まれた、写真家のシングルマザーの娘です。彼女の若い頃は、学校の後に暗室でプリントを乾かしたり、時には母親の商業用広告のモデルとしても出演したりして過ごしました。「その経験が私に写真を拒絶させた」と彼女は認めています。「私はそれが圧倒的で過剰だと感じました。」十代でイギリスに移住してから数年後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでのMA課程中に予想外に暗室に戻ることになりました。「かつて負担に感じられたことが、基盤となりました」と彼女は言います。「写真は私自身のビジュアル言語となりました。」

今、イリエヴァはカメラを使い、特に場所や所属意識に複雑な関係を持つ人々を理解するためのツールとしています。「ブルガリアとイギリスの間で育った私は、しばしば文化の間に浮遊し、どちらにも完全に根付いていないと感じます」と彼女は説明します。私たちを形作る「物語、儀式、受け継がれたジェスチャー」に惹かれるこの好奇心は、Dust、Dazed、Beauty Papersのページで見られる柔らかく探求的な肖像画や、ブルガリアの農村の若者からイングランドの緊密な女性ボディービルディングサーキットまでのドキュメンタリープロジェクトに現れています。彼女の最新プロジェクト、「Rooms」は、彼女にとって最もシンプルで親密な作品であり、女性が自分の寝室で裸になった静かで劇的な肖像シリーズです。

母親の足跡をたどることに抵抗を感じていたにもかかわらず、イリエヴァの体へのアプローチは若い頃にまで遡ることができます。「母はヌーディストだった」と彼女は言います。「家では、裸が公然として受け入れられ、日常生活の一部でした。」このボヘミアン的な育ち方は、他の若い女性にとってはしばしばプライベートな自己戒めの対象となる体のしわや変わった部分にイリエヴァが動じないようにしました。大人になってから、彼女は人々が自分の体に対して抱く感情についてより深く考えるようになり、誰も見ていないときに一人でいるときの振る舞いに興味を持つようになりました。

イリエヴァは2017年に友人たちを寝室で写真撮影することから始め、徐々にInstagramで見つけた知人や見知らぬ人々を含めるようにプロジェクトを拡大しました。「私が撮影した人々は、何らかの直感的な引力を感じた人々でした」と彼女は言います。「私に何らかの形でエネルギーを感じさせる女性たちです。」クールな光の中で撮影された「Rooms」の肖像画は、それぞれが独自の方法で魅力的に親密です。いくつかの画像では、イリエヴァ自身がそこにいないかのように感じられます。被写体が目を閉じてベッドで夢を見たり、窓から差し込む太陽光を浴びている姿があります。他の画像では、女性たちがベッドシーツの上で体を曲げたり巻いたりして、さまざまな状態で独自の指揮をとっています。