〈NEIGHBORHOOD(ネイバーフッド)〉の“AT TOKYO”参戦には初め、誰もが目を疑ったに違いない。裏原全盛期の1994年に誕生して以来、揺るぎなき地位を維持し続けてきた滝沢伸介だが、〈NBHD〉を含む東京のストリートブランドはランウェイを開催しないスタイルでカルチャーを築き上げてきたため、この特別プログラムで何が行われるのか、蓋をあけるまでは想像もつかなかった。
だが、いざ開演するとそこにモデルの姿は1体もなく、登場したのはデジタルハードコアの始祖として名高いAtari Teenage Riot(アタリ・ティーンエイジ・ライオット)だった。90年代初期、ネオナチスの思想が波及していったドイツのテクノシーンを真っ向から否定するべく誕生したATR。その過激さから音源のリリース禁止や暴動教唆容疑での逮捕など、幾度となく荒波に直撃してきた彼らだが、その哲学がぶれることは一度たりともなく、一貫して反ネオナチスや無政府主義を歌い上げてきたのだ。
〈NEIGHBORHOOD〉はファッションウィーク期間中にランウェイを開催せず、Atari Teenage Riotを招聘した、これは紛れもない事実である。ブランドの歴史に刻まれる貴重なプロジェクトに滝沢氏がATRを起用した理由には、彼らに多大な敬意を表している以上の意味があるはずだ。どれだけ知名度が向上しようとも、インディペンデントな姿勢を貫いてきた〈NEIGHBORHOOD〉だからこそ、今回のステージはブランドから現代シーンに向けられた強力なメッセージとして捉えることが自然であり、ATRのパフォーマンスに直面した人々は、間違いなく何かを“喰らった”ことだろう。
そんな“AT TOKYO”における“Project ATR Show”のフォト/ビデオレポートを是非、上のフォトギャラリーと下のプレーヤーよりチェックしてみてほしい。
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Source: HYPE BEAST